第16章
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ゆっくりと。意識が覚醒。・・・してゆく。
「おはよう。」事もなげに。おまえが言う。
「・・・はよ。」・・・朝じゃ。ないことくらい。おれにもわかる。
ほんの、十分か二十分、うたた寝してた、だけだろう。
「さっきは、ごめんなさい。」
「・・・・?なにが?」
「・・・・。」
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「わからないなら、いいです。」
「・・・・。」
・・・何か、大事な事を。
聞き忘れたような気がしたけれど。
「・・。おれさ、」気になってた事を先に言う。
「・・・。」
「おれ。あの、話の続き、あいつにするべきか。・・・・わかんなくて。」
「・・・・。」ただ黙って。なぎがおれの、話に耳を傾ける。
「なんか、どういう話しようと思って、あんな話したのか。よく、わかんなくなっちった。」
「ふふ。」
「・・・。」
「話の。着地点を見失っちゃったってところですね。」
「・・・ぅん、そんな感じ。」
自分で。自分の話に振り回されて。・・・・もう。その先の事は。いまは。
思い出したくもない。
「じゃぁ、・・・一緒に。」
「・・・。」
「・・・考え、ましょうか。」
「・・・・。ぅん。おまえ、考えて。」
「はぃ。ふふ。」
おれはもう。・・・いや、また。か。
こいつに。・・・なぎに。
甘えて、甘え切って。全てを、委ねて。・・・そうやって、今はただ。・・・もう、頭と、身体を。まだ、静かに。休めたかった。
「だいたいの。・・・事は知っています。」
そんなおれを見て。落ち着いた声で、なぎが言う。
その神秘的な瞳は、今は。潤んだ宝石みたいに。綺麗に少しだけ、涙を湛えて、いるようにも見える。
「・・・。だいたいって?」おれはベッドに、横たわったまま。首だけを、おまえに向けてその瞳をじっと、見つめた。
「ご両親が。発見された。・・・経緯や。そのあとの。・・・事について。」
「・・・・。あ、そう。」おれは目線を外して、そう、つぶやいて。
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「なら、話は早いわ。」
「・・・・。」
「だからさ、あいつに。・・・毅に、おれ。もう。・・・家族もいねぇし。一回、死んだよーな、もんだし。だからおれは。死ぬのは怖くない。逆に。早く死にたいくらいだって。」
「・・・。」
「言おうと、思ったんだけどさ。・・・・それじゃさ。あいつを、救う、事にはならない。」
「救ってあげたいんですか?」
「・・・。」
「どうなんですか?」
「・・・・・。」
なぎがおれを、じっと見つめる。
「・・・わかんねぇよ。」
「・・・。」
「だから、おまえ考えてって。言ったじゃん。」
「正直に、言います。」
「・・・。え?」
「僕たちは。あるプログラムに基づく、相乗効果を、狙っています。」
「・・・は?」
おれは、間抜けな声を、上げた。
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