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Episode31『不良と白出汁と七味唐辛子』

サブタイトルへは突っ込むべきか?By真雪      突っ込むだけ無駄では?By真雪     それを言ったら身も蓋もないよマユお姉ちゃん……Byメユ

Side:雪奈



クリスマスが終わったらあっという間に時は進んで大晦日――そして大晦日と言えば……


「だぁっりゃっせい!!!」


「ユキ、何とも気合の入った雑巾がけだね?」


「凄い気合ね……ユキちゃんの気合の前には目に見えないダニもKOされるんじゃないかしら?」


「ダニもKOだって?

 バカなこと言ってんじゃねぇぞお袋……アタシが本気を出したら、インフルエンザウィルスだろうとノロウィルスだろうと撃滅可能だぜ?

 アタシの雑巾がけは床に落ちたミクロの塵もウィルスも逃さねぇからな!!」


1年の締めとなる大掃除だ。

やっぱり新年は奇麗な家で迎えたいから、自然と気合が入るってもんだぜ――だもんだから、必然的に普段の掃除ではあんまり手を入れない所まで手が伸びちまうぜ。


だから偶然見つけちまったんだが、親父、お袋……廊下の絵の裏側と、リビングの壺の中にあった封筒って何?いや、なんとなく答えは分かってるんだけどよ?




「「ヘソクリ?」」


「いや、疑問形で言うなっての。」


てかよ、親父もお袋も重役の高給取りなんだからヘソクリとか必要ねぇだろマジで――って言うのは野暮なんだろうな。

まぁ、親父とお袋の場合、自分の隠し小遣いってよりも、いざと言う時の為の資金って事だろうけどよ……だけどな親父、お袋、普通はヘソクリが入った封筒が立ったりはしねぇからな?




「「そうなの?」」


「そうだよ!」


何年間で貯めたかは知らねぇが、100万単位のヘソクリ拵えてんじゃねぇっつーの!!――ったく、そんなモンがあるなんて事が外部に漏れたら、間違いなく泥棒さんが来るだろうな。

まぁ、泥棒に入った奴は、アタシが徹底的にボコしてマッポに突き出すけどよ。











ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode31

『不良と白出汁と七味唐辛子』











よっしゃ、午前中から大掃除をやった事で昼には全終了!

いやぁ、雑巾で磨き上げた上でワックスをかけたフローリングの床ってのは奇麗なモンだなぁ……床にアタシの姿が映ってるぜ。――まぁ、磨き上げた事で滑りやすくなっちまったのが困りモンだがな。


んで昼飯なんだが、今日のランチはアタシ特性の『雪女スペシャルバーガー』ってな。

バンズにレタスとスライスオニオン、照り焼きのパテと海老カツ、そして生姜の甘酢漬けのスライスを挟んだ特性ハンバーガーだ!勿論、お供のフライドポテトは忘れずにな!




「おいし~~♪このボリュームと味なら、1個500円で売っても高くはないわよユキちゃん!」


「内容が豪華なだけじゃなく味と栄養のバランスも悪くないからね……ポテトと飲み物のセットで1000円でも良いくらいだよユキ。」


「そりゃどうも。」


皮肉な事だが、親父とお袋が家に居ない事が多かったからアタシの家事スキルは向上したんだよな――今は其れをm家族団欒の場で生かす事が出来てるからいいけどよ。

そうだお袋、午後はおせちの材料とか年越しそばの材料を買いに行く予定なんだが、他に何か買ってくるもの有るか?




「そうねぇ?……そうだ、屠蘇散を買ってきてくれるかしら?

 あれがないと、お正月のお屠蘇が作れないから。」


「ん、了解。親父は?」


「僕は……じゃあ、タバコをお願いできるかな?

 銘柄は、そうだね……ユキが吸ってるのと同じので。」


「分かった。」


親父もお袋も、飲酒と喫煙は自己責任って事で、アタシが其れをやる事については咎めねぇんだよな……口煩く言われるよりは万倍良いと思うけど、何も言わないってもの其れは其れでどうなのかだ。

ま、自分の行動には責任を持てって事なんだろうけどよ。


御馳走さん。そんじゃ買い出しに行ってくるぜ。

序に、メユとマユの方にも顔出しとくか……大掃除で手が必要だったら、手伝ってやらないとだしな。




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っつー訳で、商店街に行く前にまずはメユの家に行ったんだが……此れは、アタシの手伝いは必要ねぇな?




「新しい年を迎えるためにも、気合入れて掃除しろよテメェ等!埃の一つも残すんじゃねぇぞ、分かったか!!」


「「「「「「了解です、若頭!!!」」」」」」




銀ちゃん先導の元、磯野崎組の皆さんが総出で大掃除をしてるからなぁ……屋敷がでかくて大変だろうなとも思ったが、其れをカバー出来るだけの人員が居るなら何とかなるのが道理ってモンだったな。

よう銀ちゃん、精が出るな?




「雪女の姐さん……1年の総決算の大晦日ですかね、大掃除も手は抜けねぇですよ。

 大掃除の最中ですが上がっていきますか?お嬢も喜ぶと思いますが……」


「いや、忙しそうだから止めとくよ。

 代わりにメユに伝えて貰ってもいいか?『明日の10時、駅前で待ってるから一緒に初詣に行こう』ってさ。」


「そいつはお嬢が喜びますぜ……分かりました、必ず伝えておきます。」


「頼んだぜ。」


お正月の初詣は欠かせないからな……明治神宮みてぇな人込みは御免被るが、近所の神社とお稲荷さんに参るくらいならそれ程人は込ま無いだろうから。


んで、次はマユの家に来たんだが……


「マユ、このガラクタの山は何よ?」


「祖父のコレクションを全て引っ張り出したらこうなりました。

 まさか、此処までの量があるとは思ってもいなかったので、驚き桃ノ木山椒の木です……一体此れだけ集めるのにドレだけのお金を使ったのか問いただしたい所ですねぇ?」




その意見には同意すんぜマユ。――で?




「『で?』とは?」


「いや、夏休みの時に発掘したような珍妙なモンはねぇのかなと思ってよ?」


「成程。勿論ありますよ?

 では、個人的に気になったのを幾つか紹介しましょう。まずはエントリーナンバー1番、『攻撃力255』の札が付いた日本刀。」


「……コスプレの道具じゃねぇのか其れ?」


「エントリーナンバー2番、デッキからカードを2枚出来そうな壺。」


「リアルに存在すると不気味な事この上ねぇな。」


「エントリーナンバー3、暗闇にたたずむ黒牛を描いた掛け軸。」


「墨で塗りつぶしただけだろ此れ!」


「エントリーナンバー4、鎖で厳重に封印が施されてるハードカバーの本。」


「お前の家、本気で呪われたりしてねぇよな?」


絶対に何かあると思ったがやっぱりかよこの野郎!!ってか、明らかにこの世に存在しちゃいけねぇようなモンが普通にあるし!

取り敢えずそのハードカバーの本は即刻処分しろ!




「作者が溺愛してやまない銀髪赤目の乳魔人を葬れと?」


「訳の分からねぇこと言ってんじゃねぇ!!」


ったく、大晦日でも相変わらずだなオメェはよ?……ま、そのポンコツぶりこそがお前がお前である証明みたいなもんなのかも知れねぇんだけどよ……まぁ、お前の個性ってやつだな。




「……誉め言葉、でしょうか?」


「さぁな、今回は自分で判断しな。」


「では、誉め言葉としておきましょう。」




好きにしろってな――とりあえず、よいお年をってな。

そう言えば、大掃除でよくマユの家は無事だったな?ぶっちゃけて言うとマユがポンコツ発動して家屋倒壊に至るんじゃねぇかと思ってたんだが……流石にそこまでポンコツじゃなかったって事か。

或いは、何らかの加護が発動したのかもな……そう思わないと辻褄が合わないくらいにアイツのポンコツはスゲェからな。




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・・・




そんでもって、商店街で必要なモンを買いそろえて帰宅して、明日の御節を作った訳だが……どうだお袋!!




「完璧よユキちゃん!

 伊達巻に蒲鉾に栗金団と御節の定番メニューを盛り込みながら、伊勢海老や鮑って言う豪華食材を盛り付けただけじゃなく、洋と中華も盛り込んだ事で楽しい御節になってるわ♪」


「ま、ネットで調べた御節を良いとこ取りしただけだけどな。」


つーか、売れ残るのを危惧した魚屋のおっちゃんが伊勢海老と鮑を半額で出してくれたからこその豪華御節だけどな――ま、味の方は保証するぜ?

こう見えて、アタシの家庭科の成績は5だからな。



さてと、御節が出来たら年越しそばだな。

本当なら天婦羅も手作りしたい所だったが、生憎と天婦羅は出来合いものになっちまうが……それ以外は拘るぜ!!

先ずスープは、旨味たっぷりのすっぽんのスープ(缶詰)をベースにカツオ出汁を加えて味を調えてそばと合わせ、具材には海老天、穴子天、舞茸天と金目鯛の土佐造りを乗せて、ねぎを散らして完成だ!


雪女特性年越しそば、お待ち!ってな♪




「此れは、美味しそうだねユキ?」


「旨そうなんじゃなくて、実際旨いんだよ親父。」


「そう来たか。なら、じっくりと味わわせて貰うよ。」




「「「頂きます!」」」




うん、自分で作っておいて言うのもなんだけど旨いな。

そういや、親父とお袋と一緒に大晦日を過ごすなんてのは、何年ぶりの事だろうな?……大晦日恒例の歌合戦を見ながら年越しそばを啜るのが嬉しいと思うぜ。


最高の大晦日ッてやつかもな今日は。

取り敢えず、来年も良い1年になりますように、だな。









 To Be Continued… 





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