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Episode19『2学期始動!ヤンキーと体育祭!』

体育祭……此れもまたデカい学校行事だよなBy雪奈      まぁ、運動系の部活動に所属してる人は楽しみでしょうねぇBy真雪

Side:雪奈



2学期が始まって早々に体育祭がある訳で、アタシとしては余計な被害を出さないために、マユを連れてサボる気だったんだが……




「体育祭、応援に行くからね、雪女のお姉ちゃん♪」


「お、オウ。」


メユの奴にこんな眩しい笑顔で応援に行くって言われちまったらサボる事は出来ねぇよなぁ……だからと言って、マユが体育祭に参加したらトンデモない事になるだろうから、此れは委員長に応相談だぜ。

アタシとマユが一緒に出場できる競技を見繕って貰わないとだぜ――そうじゃないと、下手すりゃマユのポンコツが発動して学校その物が消滅しかねねぇからな。




「おや、如何したのですか雪女さん?ため息をつくと幸せが逃げますよ?」


「大体テメェのせいでため息ついてんだ馬鹿野郎!!」


「そうなのですか?……取り敢えずごめんなさい。」




取り敢えずで謝ってんじゃねぇ!!絶対何が悪かったのか分かってねぇだろお前!!――つーか、分かる筈がねぇよなこのポンコツ野郎!

まぁ、此れだけ言って、未だに付き合ってるアタシもアタシだけどな。












ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode19

『2学期始動!ヤンキーと体育祭!』











つー訳で委員長、アタシとマユが一緒に出場できる競技ってドレ位ある?――メユが応援に来る以上、マユ共々サボって被害を食い止めるって選択肢は無くなっちまったからな。

ならせめて被害を最小限に止めてぇんだ……去年みたいな惨劇は、もう懲り懲りだからな。




「……空恐ろしい事を言わないで下さい雪女さん……去年のアレは、本気で悪夢でしたから――まさか、大玉転がしの玉がコースアウトして客席にダイレクトアタックとは思いませんでした。」


「そのまさかをやっちまうのがマユなんだよ。」


「否定できないのが悲しいですね。

 ですが、雪女さんと西行寺さんが一緒に出れる競技となると……二人三脚以外だと、仮装タッグ競争位ですね?

 西行寺さん単体で出ても被害があまり出そうにないのはパン喰い競争でしょうか?」




まぁ、その位だろうな――尤も、パン喰い競争はパンに喰いつこうとしてポールに激突するんじゃねぇかと思ってるアタシが居るのが否定出来ねぇんだが。

取り合えず委員長、誰がどの競技に出るかを決めるLHRはマユを連れてサボっから。――アイツを隔離しとかねぇと、障害物競走とかに立候補って最悪な事しかねねぇから。

アイツが障害物競争に出たら、体育祭中止になっからな。




「堂々とサボりを宣言しないで欲しいのですが、学校を守る為とあれば仕方ありませんね。

 丁度良いと言うか何と言うか、山寺先生は出張で居ないので、私の権限で雪女さんと西行寺さんは出席扱いにしておきます――尤も、山寺先生はLHRと自分の担当教科は、基本的に雪女さんを出席扱いにしているみたいですけどね。」


「其れはビミョーに不味いと思うぜ山ちゃんよ。」


つーかバレたら、普通に懲戒モンだと思うんだけど如何よ?……まぁ、山ちゃんだったらバレるような事はしないだろうから安心だけどな。

んで、その後マユの奴を適当な理由付けて一緒にLHRサボりだ。序にLHRは6時限目だったから、サボりのまま下校敢行してゲーセンに直行だぜ!!!

因みにそのゲーセンで、アタシは格ゲーで乱入者の延べ50人抜きを達成し、マユは店長が泣きいれる位にユーフォ―キャッチャーで景品を取りまくってた。

『全部は食べられませんので』って事で、チョコレートやら馬鹿デカいカップ麺型の箱に入ったインスタントラーメンを貰ったんだが、チョコレートは兎も角として、インスタントラーメンは日持ちするから取り敢えずの非常食は確保できたな。


その後メールで、委員長から体育祭の出場種目が決まった事を知ったんだが、まさかアタシが最終競技のリレーの、しかもアンカーに抜擢されるとはな。

まぁ、選ばれちまった以上はやるしかねぇ――何よりも、メユが応援に来てくれる体育祭で、無様な結果は残せねぇからな!




・・・・・・・・・・・・・・・・・・


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さて、体育祭当日!

マダマダ残暑の厳しい日差しだが、体育祭日和の快晴だぜ!!開会式の校長の話も、『本日は絶好の体育祭日和となりました、皆さん悔いのないように頑張って下さい』で済ませてくれたからな。

長ったらしい話は必要ねぇ……分かってるな校長は。


んで、会場見渡せばメユの姿が……メユだけじゃなくて銀ちゃんをはじめとした磯野崎組の黒服の兄ちゃん達が来てるってのは突っ込んだら負けなんだろうな。

まぁ、比較的真面な見た目の奴等を寄越してる辺り、まだ考えてるのかもしれねぇけどよ。


そんなこんなで競技が始まった訳なんだが、5種目を終えた時点でアタシのクラスが属してる白組が現在はぶっちぎりだな?――まぁ、此処までは純粋な陸上競技が多かったから、陸上部が多いクラスが集まった白組がぶっちぎるのは当然か。

だけど、此処から先は障害物競走やら騎馬戦やら、陸上競技じゃねぇモンも出てくるからこの差は絶対的なモンじゃねぇ……アタシが出場する種目で、少しでも稼がねぇとな。




――二人三脚



アタシとマユがコンビで出場する最初の競技だ。

アタシの身体能力の高さは校内でも有名だが、マユと組むんじゃ1位は難しいって言うのが大概の意見だ――だが、アタシにだって秘策はある。


「確り掴まってろよマユ!絶対に右足を降ろすんじゃねぇぞ!!」


「了解しました雪女さん。」




其れがコイツだ!

二人三脚だから肩を組むのは当然として、マユはアタシの右足と繋がれてない右足を常に上げさせる事でマユの足を捨てる――こうすりゃ、アタシのペースで走る事が出来るからな!!

反則ギリギリの裏技だが、ルールで禁止されてない以上は合法って事だぜ!!

結果ぶっちぎりで1位を捥ぎ取って、他のチームから大ブーイングを浴びた訳だが、悪役のアタシにとってはブーイングなんざ歓声と同じだから如何とも思わねぇわ。

まぁ、メユの拍手だけは有り難く受け取っておくけどよ。





――仮装タッグ競争



アタシが某アクションゲームの『悪魔も泣き出す男』、マユが某RPGの『太陽の娘』の衣装で出場した訳なんだが、此処でも裏技使い放題だ!

アタシの仮想は長大な剣を装備してっから其れを振り回して、他のランナーを蹴散らした末に1位でゴールインだ。

これまた大ブーイングを浴びちまったが、仮装衣装を使っての攻撃はNGとはなってないから合法なんだな此れが――まぁ、流石にダッシュ突き連発は拙かったかもだけどな。





――400m徒競走



アタシと委員長が無双だった。

他のチームの陸上部をぶっちぎるって、アタシも委員長も半端ねぇな。





――パン喰い競争



最早何も言うまい。

まさか、パンに喰いついたマユが、パンに喰いついたまま宙づりになるとは思わなかったからな。……ったく、変な方向にポンコツ発揮してんじゃねぇっての。





そんなこんなで午前中の競技が終わって昼休み。

応援に来てくれたマユ達と一緒に昼飯だ――売店でパンでも買おうと思ってたんだが、まさかメユが重箱での弁当を用意して来るとは予想外だったぜ。

しかもその弁当の中身は、おにぎりに唐揚げに卵焼きって言う弁当の定番がぎっしりっ詰まってただけじゃなく、おにぎりの具にはアタシが大好きな『明太高菜』まであったからな。

コイツは、やる気が出てくるぜ!!!




「えへへ、ママに教えてもらいながら一生懸命作ったんだけど、雪女のお姉ちゃんに喜んでもらえて良かった♪」


「可愛い事言ってくれるじゃねぇか、此のガキンチョ。」


なら、その礼としてお前にはアタシの勝利をプレゼントしてやるよ。――勝つのはアタシ達白組だからな。




「其れはつまりあれですね、『最後まで目ん玉かっぽじって見よ』って言う事ですね。」


「目玉をかっぽじったら見えませんよ西行寺さん。」


「おや?」




委員長、突っ込むだけ無駄だ。そいつは其れが正しいと思ってからな――つーか、其れがマユの個性だから突っ込むのは無粋ってモンだ。

でもまぁ、大見えきっちまった手前、午後の競技も気合い入れねぇとだな。




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・・・




そんなこんなで競技は進んで、遂に最終種目の組別対抗リレーだ。

各組の選抜が走るこの競技には学年も何も関係ねぇガチの勝負だ――そして、この競技で1位になったチームには2倍の得点が入るから一発逆の優勝も有り得る。

前半戦は陸上部のスプリンターたちのおかげでぶっちぎった白組だが、後半は障害物競走や騎馬戦で後れを取った事も有って現在2位。

だけど、此のリレーで勝てば確実に優勝できるから絶対に勝たないとな。




「位置について、よーい……」




――パァン!!




そして始まった最終競技……各組精鋭を集めただけあってデッドヒートだが、最終前の第4走者で差が出たぜ!!

紅組の第4走者と白組の第4走者である委員長が頭二つ抜き出してのデッドヒートだからな……委員長が僅かに遅れてる感じだが、今のペースなら僅かな差でバトンタッチが出来る筈だ。




「雪女さん、後は頼みます。」


「ほいさぁ、任せとけや!!」


委員長からバトンを受け取ったアタシは猛ダッシュ!!赤組のアンカーは、陸上の全国のリレーで鳴らした強豪らしいが、そんな事は知るかボゲェ!!

大会の肩書なんざ関係ねぇ……体育祭で勝つのは、何時だって他のチームよりも気合が入ってるチームなんだよ!!




「雪女のお姉ちゃん頑張って!!」


「雪女の姉さん、ぶっちぎまってくだせぇ!!」


「「「「「「やっちまってください姐さん!!」」」」」」




何よりも、メユと銀ちゃん達に応援された以上、其れに応えないって選択肢は有り得ねぇからな!!――アタシに限界はねぇ!!




――ドバシュン!!!




其のまま一気に加速してゴールテープを切ってターンエンド。――ふふ、アタシの勝ちだな。

そして、アタシが勝ったと言う事はつまり、白組の優勝が確定したって事だ――リレーの優勝者には2倍の得点が入るんだからな。……結果として、白組が逆転優勝だった訳なんだがな。


まぁ、メユの応援があったのも大きかったかもだけどよ。


取り敢えず、今日見に来て貰った礼として、メユの学校の運動会に応援に行かねぇとだな――義理を欠くってのは、良い事じゃねぇからな。










 To Be Continued… 





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