表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/33

Episode16『ヤンキーと夏休み、其の陸~冷房故障~』

やっぱりお前等が居ると落ち着くわBy雪奈      其れは良かったですBy真雪

Side:雪奈


夏休みも半ばに差し掛かった訳だが……此の暑さは有り得ねぇ。

天気予報で『関東は35度以上の真夏日でしょう』って言ってたが、これは真夏日じゃなくて酷暑日だぜ――縁側に置いといた寒暖計が50度を突破したからな。

如何に節電って言っても、此れは冷房を入れないと冗談抜きで死ぬぜ。――そしてそんな状況の中で冷房が故障するとか有り得ねぇ。


流石に冷房が使えないのは不味いから、電気屋に連絡したら、設置や修理の依頼が殺到してて、どんなに早くても3週間後って、そんなに待てるか馬鹿野郎!!

アタシの部屋の冷房がぶっ壊れたってんならアタシだけが別の部屋に避難すりゃいいが、リビングの冷房がお陀仏になったとか家族全体の死活問題だっつーの!!


仕方ねぇから、大型電気店のチラシ片手にエアコンを買いに来た訳だ。

但し、設置以来なんぞしても直ぐには付かねぇだろうから、品物直接持ち帰って、スマホで設置の仕方を調べながら自分でやるしかねぇんだけどよ。


「さてと、一口にエアコンて言っても色々有んだよなぁ?

 リビングはキッチンのスペース入れっと20畳はあるから25畳用がベストってか?――後は冷房機能だけじゃなくて暖房機能と、アタシと親父はタバコ吸うから空気清浄機能もあった方が良いよな。」


となると、T社のエアコンが一番コスパが良いか?

広告の品だし、自分で設置するって言えば設置費とか無くなって値引きできるかもだしな。




「アレ、雪女のお姉ちゃん?」


「雪女の姐さん、何してんですかい?」




って、メユに銀ちゃんじゃねぇか?何とも意外な所で会う事があるもんだな。












ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode16

『ヤンキーと夏休み、其の陸~冷房故障~』











よう、まさかこんな所で会うとは奇遇だな?何してんだ?




「えっとね、客間の照明が壊れちゃったから新しいのを買いに来たの。

 昔ながらの蛍光灯だったから、この際工事不要で交換できるLEDタイプの物にしようかなって。其れで、私がお使いに行く事になって、銀次郎さんは運転手。」


「そうだったのか。

 銀ちゃんもご苦労様だぜ。」


「ハハ、まぁ仕事っすからねぇ。

 んで、姐さんの方は何してんですかい?」




いやぁ、笑える話じゃねぇんだが、リビングの冷房がぶっ壊れちまってよ。

素人じゃ直せねぇし、業者に頼んだら3週間待ちだって言うから親父とお袋に電話で相談して新しい冷房を買う事にして、速攻で買いに来たんだよ。

つっても、設置を頼んだら待たされるのは目に見えてるから現物持ち帰って自分で設置する心算なんだけどな。




「雪女のお姉ちゃん、設置の仕方分るの?」


「いんや分らん。

 だけど今のご時世、スマホで調べりゃ設置ってか、入れ替えのやり方位は出てくんだろ?こう見えて大工仕事は結構得意だから何とかなっと思うしな。」


「そりゃまた大したモンだと思いますが、どうやって持って帰るんで?」


「スクーターで来てっから、後に紐で括りつけて持って帰る心算だ。」


路肩は知るのは難しくなっちまうけど、元々道路のど真ん中を堂々と走るスタイルだから問題ねぇし、仮にマッポに見つかって追っかけられても、アタシのスクーターはエンジン魔改造してっから白バイ相手でも逃げ切る事できるしな。




「室内機だけなら兎も角、室外機までとなるとちと難しいんじゃ……」


「あ、其れは大丈夫だ。

 ぶっ壊れたのは室内機で、室外機はマッタク持って問題ないからな――てか、ぶっ壊れて動かなくなら兎も角、冷房運転中に熱風が出て

 来るとか嫌がらせ以外の何物でもねぇっての。」


「うわぁ……其れは地獄だね。」




だろ?

だから気合い入れて入れ替えしねぇとな訳だ。




「大変だね……雪女のお姉ちゃん、何なら家から何人か応援に行かせようか?多分、大丈夫だと思うよ?」


「いや、其れには及ばねぇから大丈夫だメユ。

 其れに、流石にヤクザがアタシの家の周りに集まって来たら近隣住民がビビるからな……幾ら中身は良い人でも、基本的にメユの所の組員って銀ちゃんをはじめとして強面が多いし。」


ぶちゃけ、マユの奴が言った『顔面凶器の集団』ってのは間違ってねぇと思うしな。

銀ちゃんは顔中傷だらけのスキンヘッドグラサンだし、他の面子も赤坊主眉無し髭とか、パツ金瞼三連ピアスとか、眼帯ケツアゴ野郎とか、モヒカンフェイスペイントとか、見た目にヤバそうなのが多いからなぁ。




「皆良い人だよ?」


「うん、其れは知ってる。」


だからこそ、偏見的な噂が出るのはアタシの望む所じゃねぇからな――まぁ、アタシは近所でも有名な不良だから、見た目におっかない知り合いが居ても違和感はねぇかもだけどさ。




「ん~~……でも、大変な時は教えてね?直ぐに応援を出すから。」


「おう、其れは約束するぜ。」


んで、T社のエアコンを購入して(代金は親父のカードで払った)、外にある27アイスの販売機でメユと銀ちゃんにアイス御馳走して帰宅。

なんだが……


「マユ、お前人の家の前で何佇んでんだ?」


「いえ、遊びに来たのですが生憎と留守だったので帰ってくるまで待っていた次第です。」


「……何時から?」


「1時間ほど前からでしょうか?」


「此の炎天下に?」


「はあ、そう言う事になりますねぇ?」




…………馬鹿かテメーは!?

一体全体どこの世界に、此の焼けつくような炎天の中、帽子も被らずに炎天下に身を曝す馬鹿が居るってんだ!普通に熱中症で死ぬぞ!

ってか、よく死ななかったなオイ!!




「はぁ。如何やら私は思った以上に頑丈に出来ている様です。」


「因みに水分補給は?」


「其れ位はしますよ。

 1リットルのスポーツドリンクを5本ほど持って来ましたので。」


「合計5リットルか。其れだけありゃ、脱水症状にだけはならねぇだろうな。」


だが、折角来て貰った所悪いんだが、アタシは此れからリビングのエアコンの入れ替えを行うから、お前の相手をしてる暇はないぜ?

宿題を一緒にってのも相手できねぇからな。




「エアコンの入れ替えですか、大変ですね?――宜しければ何かお手伝いしましょうか?」


「いや、遠慮しとく。

 お前に手伝わせたら、何処でポンコツを発動して要らん手間が増えるか分かったもんじゃねぇからな。――まぁ、上がるなら邪魔にならない程度にアタシの部屋でゲームでもしててくれ。」


「其れは居心地が悪いので。

 脚立を抑える位なら私でも出来るでしょう?」




いや、オメーが脚立抑えるって微妙に不安しかねぇんだが……まぁ、意識的に脚立を倒す様な事をする奴じゃねぇから其処は安心か?

其れでも、ポンコツ発動で脚立を倒すかもだが、予測してりゃ対応も出来るだろうからな――OK、そう言う事なら手伝ってくれマユ。




「了解しました。全力で頑張ります。」


「いや、程々で良いぜ。」


お前が全力を出すと要らねぇ被害が出そうだからな。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・


・・・・・・


・・・




其れから3時間、スマホ片手に悪戦苦闘しながらも何とかエアコンの入れ替えに成功だぜ。

流石に少々不格好な部分があるのは否めねぇが、試運転してみても全く問題はねぇし、タバコの煙も瞬時に分解する空気清浄能力を発揮してくれたからね。


そんで、意外な事にお前も中々役に立ったじゃねぇがマユ?




「えっへん、此れ位なら余裕です。」


「だからって調子に乗んなよポンコツ娘。」


「調子に乗るだなんて滅相もありません――ですが、やり遂げた感はあります。」




さよか。ならアタシは何も言うまいて。

っと、そろそろいい時間だな――おいマユ、折角だから晩飯食ってけよ。手伝わせちまった礼として晩飯位奢らせろ。




「では有難く。因みにメニューは何でしょう?」


「雪女様特製の『焼肉納豆ビビンバ丼』だ。」


数種類のナムルとカルビ焼き肉と塩とごま油で味付けした納豆をトッピングしたビビンバ丼に温玉を加えたて韓国のりを散りばめた夏に効く逸品だ――あぁ、お前のは辛味抜きで作ってやるよ。

其れに韓国風のワカメスープとこの間スーパーで買って来たミミガーのスモークを付けて如何だ!!




「其れはとても美味しそうです。」




なら問題はねぇな。

っと、玄関の方で音が……誰か来たか――って!!




「ただいまユキ。」


「ただいまユキ。暑いからアイス買って来たわ。」


「雪女のお姉ちゃんこんばんわーー!!」




親父にお袋に、其れにメユ!?

此れはまた何とも不思議な組み合わせだなオイ。




「ふふ、偶然駅前で愛雪ちゃんとあって、ユキに会いに行くって事だったから、一緒に来ちゃった♪」


「来ちゃった♪じゃねぇだろお袋!!」


いや、別にいいけどな。

だが、ある意味で良いタイミングで戻って来てくれたぜ、丁度晩飯作ろうと思ってた所だからな――メユも、晩飯喰ってくだろ?




「うん!」


「良い返事だ。返事がちゃんとできる子は、雪女さんは大好きだぜ。」


期せずして、第人数での晩飯になっちまったが、偶にはこんなのも悪くねぇ――いや、最高だな。


そんでもってなし崩し的にマユとメユは泊まってく事になったんだが……まぁ、お泊り会の事を考えるなら今更だよな――ただ二人とも抱き付いてくるから、アタシの部屋の冷房が正常に運転出来てたのは幸運だったぜ。

ぶっ壊れてたら、抱き付いて来たマユとメユを蹴散らしてたかもだからな。











 To Be Continued… 





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ