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Episode12『ヤンキーと夏休み、其の弐~夏祭り~』

夏祭りは定番だよな?By雪奈      たこ焼き、焼きそば、ソーセージ……By真雪     マユお姉ちゃん、食べ物ばっかだね…・・・By愛雪

Side:雪奈



マユの所で奇妙な発掘に立ち会ってから数時間後、メユに呼び出されて磯野崎組の家に来た訳なんだが……何だってアタシ等は浴衣に着替えてんだろうな?




「来た途端に汐さんに連れて来られて浴衣の着付けをされたみたいですねぇ……此の早業、恐るべきです。」


「だよな……」


まぁ、この浴衣は可成りの上物だってのはアタシでも分かるし、祭りに浴衣は定番だから外す事は出来ねぇからな――なら、この浴衣で夏祭りに繰り出すとすっか?

御丁寧に下駄も用意してくれたみたいだからな!!




「そうですね、楽しみましょう。」


「夏祭りに向けて、レッツゴー!!」




そんじゃまぁ、夏祭りを楽しむとすっか。

ある意味で、夏祭りは夏休みの最大のイベントとも言えるからな。












ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode12

『ヤンキーと夏休み、其の弐~夏祭り~』











そういう訳で夏祭りに繰り出した訳なんだが……いやはや思った以上に賑わってるなぁ?――屋台の数もハンパないし、ガチで盛り上がってるみたいだな。

さてと、取り敢えず何処から回る?




「先ずは腹ごしらえで。」


「発掘作業のせいで腹ペコです。」


「……そういやマユ、お前何時から発掘作業してたんだ?」


「はぁ、朝ごはんを食べた後ずっとでしょうか?」


「……昼飯は?」


「言われてみると食べた記憶がありませんねぇ?

 脱水症状にならないように、クーラーボックスに大量のスポーツ飲料を確保して、其れは飲んでいましたが、昼食は食べていませんでした。

 成程、お腹も減る訳ですね。」




馬鹿かオメーは!!

脱水症状やら熱中症にならねぇように水分と塩分摂ってたのは間違ってねぇが、発掘作業の為のエネルギー確保しろこのスットコドッコイ!!

ったく、さっさと飯食いに行くぞ!!


「取り敢えず、屋台の定番の焼きそば、タコ焼き、ソーセージって所か?

 後は食後のデザートとしてかき氷やチョコバナナって感じか――あ、綿あめとかも良いかも知れないぜ。」


「色々有るから迷っちゃうけどね。

 ん?マユお姉ちゃん、如何したの?」


「いえ、あそこに少々そそられるお店が……」




――【元祖ブルーカレー!白いライスと蒼いカレーがベストマッチ!粉砕!玉砕!!大喝采!!!】




明らかに怪しいモンにそそられてんじゃねぇ!

つーか良いのかあの屋台!?目の所を黒線で消してるとは言え、アレは何処をどう見ても某有名ゲーム漫画に出てくる社長じゃねぇかよ!!

兎に角、アレは絶対ダメだ!青は食いモンに使う色じゃねぇ!精々かき氷のブルーハワイ位だ許されんのは!!




「おや、残念です。」


「オメーはトコトン残念だよなぁ……見てくれは美人なのによぉ。

 まぁ、良いか。おいメユ、お前は何が喰いたい?」


「え~っとね……アレが良い!」




ジャンボ串焼きか。

良いねぇ、祭りの初めにガッツリ肉食ってスタミナ補充ってな!ってか、炭火で焼かれた肉の脂が焦げる臭いってのは食欲中枢にダイレクトアタックして来るから、そそられないのが嘘だよな。

しかし、結構メニューが豊富だな?

牛カルビ、サーロイン、牛タン、鶏もも、鶏ハラミ、鶏皮、豚バラ、カシラ、白モツ、レバー、そんでもってウルトラジャイアントフランク(全長38㎝)。

他は兎も角、こんなバカでかいソーセージ頼む奴いるのか?……いや、近くに居るな。


「メユは何にする?」


「んとね、牛タンとカシラを塩で!」


「おぉっと、2本とはガッツリ行くじゃねぇか?

 そんじゃあ兄ちゃん、牛タンとカシラ、カルビと鶏ハラミを塩で頼むわ。」


「では、私はウルトラジャイアントフランクを。」




マユ、ヤッパリ頼んだか。

まぁ、デカさを考慮して其の1本だけにしたのは褒めるべき事だと思うけどよ。


さて、焼き立ての熱々だ!いっただきまーす!!




「いただきまーす♪」


「いただきまーす。」




おぉ、良い食いっぷりだなメユ?

しかし、タレじゃなくて塩で頼むとは結構通だな?




「パパがね、『タレか塩か選べる場合は先ず塩で頼むのが基本だ。そこで塩だれではなく、天然塩を使用しているのなら肉質が良い証拠』だって言ってたから。」


「成程、そいつは真理だ。」


「天然塩は素材のごまかしが効きませんからね。」




其れを考えると、この屋台は可成り良い素材を使ってんだよなぁ……って、よく見りゃ出してんのは商店街の肉屋じゃねぇか。

其れなら塩での提供が出来るのも納得ってもんだぜ。


さてと、祭りはまだまだ始まったばかりだからガンガン行こうぜ!!





――【たこ焼き屋】




「揚げタコ焼きと言うのは、微妙に矛盾したネーミングだと思うのですが……」


「安心しろマユ、カップ焼きそばよりは矛盾してねぇから。」


「カップ焼きそばは、焼いてないからねぇ?」




そう言うこった。

揚げタコ焼きの場合は、多めの油を使って『揚げ焼き』に近い状態で作るから、『揚げタコ焼き』って名称は実は其れ程矛盾した名前でもねぇしな。

取り敢えず、揚げタコを考えた奴は天才かも知れないぜ。

カラッと上がった表面ととろける様な中身とマヨネーズの相性は抜群だからな。





――【かき氷屋】




かき氷と言えば、色とりどりのシロップが特徴だな。

アタシはレモン、メユはイチゴミルクなんだが……おいマユ、見るからに怪しい其のシロップは一体何だ?




「ドリアンですが?」


「何頼んでんだテメーは!?」


そもそも何を置いてやがんだこの店は!!

それ以前にドリアン味のかき氷シロップが存在してる事に驚きだってーの!!ぜってー、売れてねぇよな其れ……まぁ、マユの変人っぷりは今に始まった事じゃねぇから突っ込むだけ無駄か。




「変人ですか……褒め言葉ですね?」


「だから、褒めてねぇっての!!」


「マユお姉ちゃんって、少しずれてるよね。」




メユ、コイツの場合は少しじゃねぇ、大幅にずれてるって言うんだ……まぁ、悪い奴じゃねぇから良いけどよ。





――【金魚すくい】




なぁ、メユ……金魚すくいってのは大抵救えなくて、おっちゃんが1匹サービスしてくれるもんだよな?




「大抵の場合はそうだと思うよ雪女のお姉ちゃん。」


「だよな。」


だが、マユの奴に限っては其れに当て嵌まらねぇみたいだな。

次から次へと金魚をお椀に掬ってるからなぁ……ユーフォ―キャッチャーだけじゃなく、『何かを取る』事に関しては、マユは天才的な才能があるのかも知れねぇな。

まぁ、結局は買いきれないって事で、アタシとマユとメユで1匹ずつ持ち帰るにとどまったけどな。

しかし、アタシが持ってくことになった金魚……ピンクの金魚ってのは初めて見たが、突然変異主なのかもな。





――【Etc……祭りの馬鹿共】




女だけで歩いてりゃ、ナンパもされる訳なんだが、今し方ナンパしてきた野郎共は、誰がどう見ても神社の裏手に連れ込んでヤッちまう気満々だったから、取り敢えずボコってやったぜ。

てかよ、声かける相手間違えたな?この雪女さんに手を出そうとした事を後悔すんだな。

つーか、それ以前にメユに手を出したら確実にテメー等死んでたからな?




「そのロリッ娘が、何故に?」


「メユはなぁ、モノホンのヤクザの組長の一人娘だぜ?

 其れに手を出したとなったら、ドラム缶に詰め込まれて東京湾直行は避けられねぇだろ?……アタシにボコられた位で済んでよかったな。」


「や、ヤクザの親分の娘!!……マジスンマセンでしたぁ!!」




分かれば宜しい。

まぁ、兆に一つでもアタシがやられたその時は、陰ながらメユを護衛してる銀ちゃんを始めとした磯野崎組の幹部達が何とかしたと思うけどな。




「時にマユお姉ちゃん、雪女のお姉ちゃんは何処から金属バットを取り出したんだろう?」


「愛雪さん、其れは聞いちゃいけない事です。」




まぁ、浴衣だろうとなんだろうとアタシの背中からは某青色猫型ロボットのポケットにも負けない位の凶器が出てくっからな。

取り敢えずテメェ等、今回はフルボッコで済ませてやるが、次に同じ事してる所に出くわしたらその時は……容赦なくゴッドハンド・ゴールド・クラッシャーするからな?




「「「「「「「「「はいぃぃぃぃ!!」」」」」」」」」」




こんだけ脅しときゃ、二度と馬鹿な事はしねぇだろうな……やったらやったで潰すだけだけどよ。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・


・・・・・・


・・・




んで、其の後も屋台を回りまくって楽しんだぜ。

お面屋では、アタシが某マスクドライダー、マユが何代目かも分からない光の国の銀色の宇宙人、メユが全国的に有名な黄色い電気ネズミのお面を買って頭に引っ掛けて、射的ではメユが持ち弾分の景品をゲットして、ハンマーゴングでアタシが最高点叩き出して……マジで楽しませて貰ったぜ。


そして、祭りはいよいよ大目玉の花火大会に!

地方の祭りとしては、可成り多い1万発を上げるのは相当なモンだ――ってな訳で、アタシの秘密の場所へご案内だ。

マユとメユだけじゃなくて、屋台巡りの最中にバッタリ会った委員長もな。




「此処は神社の裏山ですよね?……此処が、花火の絶好のポイントなのですか雪女さん?」


「まぁな。」


此処なら遮るモノは何にもねぇし、余計な明かりも無いから花火が一番綺麗に見えんだよ委員長。

ガキの頃に偶然見つけたんだけど、依頼此処はアタシの花火の特等席になってんだ――マユ以外の奴を招待するのはメユと委員長が初めて何だ、有難く思えよ……って、アタシが偉そうに言う事でもないけどな。




――ひゅ~~~……ドン!!




っと、始まったみてぇだな?

此処から見る花火は如何よ、メユ、委員長?




「凄い……とっても綺麗に見える!!」


「此れは確かに絶景ですね……折角なので、写真に収めてSNSにアップしておきましょう。」




如何やら気に入ってくれたみたいで良かったぜ。

此処はアタシのお気に入りの場所だが、アタシだけが知ってるってのは少し勿体なかったからな……此処の良さが分かったってんなら、連れて来た甲斐があったってモンだぜ。


また来年もとか思った辺り、マユとメユだけじゃなく、委員長の事も案外気に入ってるのかも知れねぇなアタシは。

取り敢えず、今年の夏祭りは今までで一番楽しかったってのは間違いねぇな。――まぁ、祭りが終わって浴衣を返そうかと思ったら、汐さんにこの浴衣はあげるって言われたのには驚いたけどな。


流石は大ヤクザの姐さん、スケールがデカいと実感させられたぜ……あの人にだけは勝てる気がしないぜ。――まぁ、取り敢えず、今年の夏祭りは最高だったぜ!












 To Be Continued… 





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