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Episode11『ヤンキーと夏休み、其の壱』

シングルがダブルになるの良いとして、ダブルがトリプルってのは…By雪奈      下手したら、お腹壊しますねBy真雪

Side:雪奈



あっちぃ……まぁ、夏だから当然の事なのかも知れないけど、此の暑さは有り得ねぇだろ流石に――って言うか熊谷で最高気温40度って幾ら何でもキチガイ過ぎんぜ……人間を蒸し焼きにする心算かオイ。


猛暑厳しい季節だが、アタシは現在夏休みの真っただ中だ――期末考査は、アタシと委員長の指導もあってか、マユが赤点を回避した事で補習を回避する事が出来たからな。


其れは其れとして、暑いからって一日中冷房の効いた部屋でゴロゴロしてるのもどうかと思うから、少し出掛けてみっか。

そう言えば、今日は地区の夏祭りもあった筈だから、夕方にはそっちにも顔を出して見るのもいいかもな。


取り敢えず街に繰り出してみるか――思わぬ出会いがあるかも知れないからな。













ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode11

『ヤンキーと夏休み、其の壱』











で、街に繰り出した訳なんだが、行き成り見知った顔とエンカウントしちまったな?まぁ、夏休みって事を考えればある事だったかもだが。

よう、メユ?こんな所で会うとは奇遇だな――見た所、ダチ公と一緒みたいだが、午前中は思いっきり遊んできた感じか?真面目に遊ばないとそんないい感じの日焼けはしないだろうからな。




「あは、流石だね雪女のお姉ちゃん……お姉ちゃんの言う通り、午前中はプールで思い切り遊んで来たよ。」


「やっぱりそうだったか。」


だが、家に閉じこもりがちなガキ共が多いこのご時世に、外で思い切り遊ぶ事が出来るってのは大事な事だぜ――うん、実に大したモンだ。

メユのダチ公達も良い感じの小麦色の肌だからな。




「えっと、メユちゃん、この銀髪のお姉さん誰?」


「キヌちゃん、この人が前に話した雪女のお姉ちゃんだよ。」


「えぇ、この人が!?」


「ウィーッス、ガキンチョ共。アタシが雪女こと早乙女雪奈だ。初めましてだな。」


「は、初めまして。中西絹江です!」


御園一華いちかです。」


「篝美咲でーす♪」


「二片・トリッシュ・伊織。宜しくお願いします。」




キヌにイッカにミサにイオリンだな。




「イオリンですか、そう呼ばれたのは初めてです……が、ちょっと気に入りました。」


「気に入って貰えたんなら付けた甲斐があったってもんだぜ。」


しっかしまぁ、改めてみるとホント気持ちの良い位に健康的に焼けてるなぁお前等?

正直ちょっと羨ましいぜ?アタシは其処まで綺麗に焼けないからなぁ?精々表面がちょびっと茶色くなる程度だからな……まぁ、時代錯誤のガングロになろうとは思わねぇけどよ。


其れは其れとしてだ、子供らしく外で元気に遊んで健康的に日焼けしてるお前等には感心した。

夏休みの宿題ってのは当然あるんだろうが、そんなモンよりも夏休みは先ず遊ばねぇとな?――家に閉じこもってゲームばっかりってのは駄目だが、外で遊んで日焼けするってのは夏休みの正しい過ごし方だ。

そんな正しい夏休みを過ごしてるお前達に、御褒美として雪女さんがアイスを奢ってやろう。




「え、良いの雪女のお姉ちゃん?」


「おうよ。つーか、アタシも暑いからアイスでも食おうかと思ってたしな。

 其れにだ、お前等もプールで思い切り遊んで来たって事は、お前等が思ってる以上に体力が使われてる筈だから、甘い物を摂った方が良いんだよ、遠慮なんかすんな。」


「其れじゃあ、ゴチになります雪女さん!」


「ちょうどあそこにコンビに有るから、其処で?」




オイオイオイ、コンビニのアイスだなんてケチな事言うなよ?

駅前の『41アイスクリーム』を奢ってやるよ。ちょうど今は、夏のキャンペーン中で、キングサイズを頼むとレギュラーサイズがついてダブルになるからな。確か『真夏の甘い雪だるま』つったけかな。

取り敢えず、店に向かってレッツゴーだぜ!









――――――









んで、41アイスクリームに到着……いやぁ、此の暑さのせいか大繁盛だな。

取り敢えず、遠慮しないで好きなモン頼めよ?雪だるまでな。




「えっと、下がストロベリーで上をレモンシャーベットで。」


「キングがベルギーチョコ、レギュラーがキャラメルリボン!」


「胴体をフローズンヨーグルト、頭をブルーベリーシャーベットでお願いします。」




キヌとイッカとイオリンは割かし子供らしいチョイスだな?

特にイオリン、ヨーグルトとブルーベリーは相性抜群だからな、ガキンチョながらに分かってるぜお前――んで、メユは如何する?




「えっとね……下が宇治抹茶、上が大納言小豆で。」


「渋いなオイ!!」


いやまぁ、確かにその組み合わせは美味いし、アタシも好きだけど小学生の頼む組み合わせじゃねぇと思うんだが、其れについては如何よ?




「ママが趣味で茶道やってて、お茶会に時々出る事があるから、抹茶と餡子の相性の良さは知ってるの。」


「汐さん、そんな趣味もあったのか……まぁ似合うけどよ。」


そんなじゃあアタシは頭をチョコミント、胴体をキャラメルリボンストロベリーで。




「ありがとうございます、お会計は2000円になります。」


「ダブルサイズを6個頼んで2000円、安いよな。」


「真夏の甘い雪だるまキャンペーン中ですから♪」




だよな。

んで、夫々オーダーしたモノを貰って席に……しっかしまぁ、なんつーか夏だからと言われればそれまでなんだが、クッソ暑いよなぁ?地球温暖化とかのレベルじゃないだろ此れ?




「日本は未だ良い方だよ雪女のお姉ちゃん。

 アメリカでは日中の体感温度が53度に達したみたいだからね……普通に熱中症確実だよ。」


「はぁ!?体感53度って、普通に死ねるわ其れ!!」


「因みに、車内に牛の塊肉を置いたらどうなるか実験したら、5時間後にはこんがりとステーキになってたって。」


「ドンだけだオイ!!」


でも、確かにこの暑さだと炎天下に放置した車のボンネットで目玉焼きが出来るかもだからな……まさかとは思うが、マユの奴ぶっ倒れたりしてねぇだろうな?

アイツの事だから、熱中症対策全然しないで外出てぶっ倒れる可能性が否定できねぇんだよな……うん、心配になって来たからアイス食い終わったらマユの家に行ってみるか。









――――――









41アイスクリームでガキンチョ共と別れたアタシは、マユの家に来た訳なんだが……


「熱中症でぶっ倒れてるんじゃないかと思ったが、心配するだけ無駄だったみてぇだな……このクソ暑いのに、何してんだオメェは?」


「はぁ、見ての通り発掘ですが?」


「発掘って、オメェの家の庭は遺跡か何かかっての……」


「まぁ、あながち間違って居ないかも知れません。

 実は、祖父の遺品を整理していたら、この家の見取り図が出て来まして、丁度今掘っている所にバツ印が付いていたので此れは何かあると思って掘ってみる事にしたのですよ。」




さよか。

だけどよマユ、お前の爺さんがどんな人だったかは知らないが、そのバツ印の場所に何かを埋めたとは限らねぇだろ?若しかしたら、爺さんが既に何かを発掘して、その場所を忘れない為にバツ印を付けたかもしれねぇ訳だしな。




「いえ、祖父はそんな事をするような人ではありませんでした――兎に角、自分の成果を記録に残さない人でしたので、此のバツ印が祖父の発掘の跡では無いのですよ。

 逆に、人を驚かせたりするのは大好きだったので、此のバツ印には絶対なにか埋まってる筈なのです。」


「成程、変人は遺伝だったんだなオメェは。」


「褒め言葉と……」


「褒めてねぇよ?」


「そうですか、残念です。」




相変わらず微妙にずれてるなマユは……まぁ、其れと付き合ってるアタシも大概だとは思うけどよ。


んで、発掘する事20分!出て来たのは……何だこれ?




「如何やら祖父のコレクションの様ですね?

 先ずはエントリーナンバー1、『明日の天気は』を延々と繰り返して予報に行かない天気予報人形。」


「ただ単純に壊れてるんじゃねぇのか其れ?」


「エントリーナンバー2、明らかに一度剥がされた跡のある『大魔王封印』のお札が張られた信楽焼の壺。」


「オメェの家、呪われたりしねぇよな?」


「エントリーナンバー3、何処をどう見ても融合事故を起こしたとか思えない、羽の生えた人面犬のような何かの木像。」


「最早、訳分からねぇな。」


ったくほとんどガラクタじゃねぇか……お前の爺さんは、一体何を思ってこんなモンを地中に、しかも御丁寧に土に浸食されないようにステンレスの箱に入れて保存してたんだ?

お宝鑑定番組に出しても、1000円行けばいい所だろ此れ等は!!




「因みに、生前に出場した事があったのですが、その時は番組史上最低額の10円を叩き出しました。」


「其れはある意味スゲェわ。」


「ですが、祖父にとっては此れ等は紛れもなく宝物だった筈なのですから、其処に価値を付ける事自体がナンセンスなのかも知れません。

 第3者が何を言おうと、祖父にとっては価値のあるモノだったのですから。」


「其れは、確かにそうかもな。」


ったく、普段はぼ~っとして、何を考えてるのか分からねぇが、時々核心を突いた事を言うんだよなマユは。

時にマユ、お前今日の夕方何か予定有るか?




「いえ、特に予定はありませんが?」


「なら良、夕方からはメユも誘って夏祭りに行かねぇか?――ってか、夏休みに夏祭りは外せない、だろ?」


「良いですね、その提案乗らせて頂きます。」


「なら、決まりだな♪」


夏のイベントとして夏祭りは外せないからな。

夏祭りと言えば浴衣が正装なんだろうが、生憎とアタシは持ってねぇから、不良ファッション夏バージョンで出る事になるだろうけどよ。

だが、一代ヤクザ組織のメユは、きっといい浴衣を来てくるんだろうな……楽しみだ。――夏祭りの始まりが待ち遠しくなって来たな此れは!











 To Be Continued… 


キャラクター設定




・中西絹江

真雪のクラスメイトで友人。愛称は『キヌ』。

真面目な性格で、真雪のクラスの級長を務めている。



・御園一華

真雪の友人の一人、雪奈が呼んだ愛称は『イッカ』。

歳の割に落ち着いた話し方が特徴と言えば特徴。



・篝美咲

真雪の友人の一人。愛称は『ミサ』。

底抜けに明るく、ムードメイカー的な存在になっている。



・二片・トリッシュ・伊織

真雪のクラスメイトで友人。雪奈からは『イオリン』と呼ばれている。


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