表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

第1章 変わりゆくもの 3話

去年から投稿を止めてましたこと申し訳ございませんでした。今後は出来る限り早く投稿を考えています。

それでは、よろしくお願いします!

 「さぁ、ご飯を食べようか」

盛り上がっている中レオンスが言い、全員が席に着く。音頭は彼が取り、咳払いを1度挟む。

「駆、実優お誕生日おめでとう。 それから、セシルこれからもよろしく」

名前を呼ばれた一同が声を合わせて、それぞれの返事をした。


今晩の食卓には、駆と実優が好む料理ばかりでかなり食が進んでいるようだ。駆は鶏の揚げ物(唐揚げ)ばかりを次々と頬張っていく。ポーラが多く作ってくれたおかげで、今日だけじゃ食べきれず明日の分まである気がする。しかし、駆の今のペースだと食べ切れるのでは、と思わす。それと対比し、実優はいつもの様に進めている。彼女は寿司?が大好物のようで何種類ものそれがある。俺は実優を真似て、赤身の生魚の切り身(鮪)が乗っている寿司を手に取る。赤黒い液体(醤油)、薄緑色の塊(山葵)をつけて、一口で頬張った。それと同時に、鼻の奥からツーンとした何かを感じ、自然と涙が出た。俺は咀嚼しながらもずっと噎せていた。

「(これは、辛いのか………?、味とかの問題じゃい……)」

そう、心の中で思っていた。すると右斜め前に座っていた実優が背中を叩いてくれた。力がないのかとても優しかった。また、それと対比し駆は面白いものを見ているかの様に大きく笑っている。左側にいるポーラとレオンスもクスクスと小さく笑う。まぁ、駆の事は放っておいて

「実優ありがとう、助かったよ」

頬が少し赤くなり静かに席に戻る。

「よく、あんなに山葵を付けて食べたね!」

涙目した駆が言う。

「知らなかったんだよ、寿司も初めてだったから」

「というか、実優はよく付けて食べれるよな」

「本当だよ!なんでだ実優!?」

「あんまり辛いのが分からないから……」

小さく答えた。

「いーな!いーな!」

駆が羨ましそうに実優の方を見る。

「(その気持ち、少しわかるぞ!)」

内心ではそんな事を思いながら、感心した。

「そうだ、レオンスさんとポーラさんはどうなんですか?」

「そうだな、少しくらいなら大丈夫かな」

レオンスが答える。

「私もよ、あと魚の臭みが消えて美味しく感じるのよ」

さすが大人だ、前の俺なら良さがわかるのかな?と思う。


全員食事が終えると、ポーラが冷蔵庫からホールのショートケーキを運んできた。

「えっ、今から………」

いつもなら喜びそうな駆から絶望したような言葉と顔が表れた。ケーキがある事に少し期待していた俺は、腹八分目に抑え、他もそうしている様に皆楽しみにしている。

「おばさん、先に言ってよ〜!」

悔しそうにしている。

「これもサプライズだよ」

ポーラは笑顔でそれを机の中央に置いた。

「よし、じゃあ最後にプレゼントをあげよう」

「えっ!」

レオンスが言った途端、人が変わったかの様に駆が反応し、何かなと期待して体を動かしている。

「それじゃあ、駆おめでとう」

レオンスが玄関の前に置いていた自転車を見せた。

「すげー!ありがとう、おじさん!」

「どういたしまして、でも私だけじゃなくてセシルも手伝ってくれたんだ」

「そっか!セシルさんもありがとう!」

俺はレオンスと顔を合わし

「どういたしまして」

それからポーラは実優にハート型の様な花柄のネックレスをかけた。赤、白色と2つ付いている。

「実優もおめでとう」

「ありがとう」

2人は抱きしめ合っていた。昔のことを思い出させるような光景で目が霞む。この幸せな家庭に拾ってもらって良かった。

「なんか、プレゼントもらったらお腹空いてきた!」

「じゃあケーキを食べようか」

そう言って、レオンスはろうそくを5本立て火をつけた。電気を消し、おめでとうの言葉を贈り駆と実優が同時に息を吹く。一瞬部屋は暗くなりレオンスが電気をつける。ポーラがケーキを5等分にしてる最中、駆はフォークを握りしめて今か今かと待っている。全員で再び頂きますと言い祝福の食卓を囲んだ。


駆と実優がお風呂から出た後

「そうだった、セシルさんにもプレゼントあったんだっけ!」

そういうと、実優から実花のブレスレットが渡された。カラフルな花の中でも、四つ葉のクローバーが2つ、他の花に負けないくらいに輝いて見えた。

「それはね、駆と私が1つずつ見つけたの」

そう言って笑顔でこちらを見ている。

「2人とも、ありがとう」

2人を見て感謝した。

「それじゃあ、おやすみなさい……」

駆は眠たそうに階段を上がる。実優も後ろをついて行った。


俺は早くお風呂から上がり、リビングに向かう。レオンスとポーラは今日の出来事を微笑みながら話しているようで幸せだ。

「では、おやすみなさい」

2人とも会話をやめて返答してくれた。

「そうだセシル、あの子達は貴方といて楽しそうにしているわ、だからこれからもよろしくね」

「はい、こちらこそ」

頭を下げ寝室へ向かった。すぐにベッドで横になり幸せな1日だったなと浸りつつ、眠りについた。


ご愛読ありがとうございます。

『変わりゆくもの』は今回で最後でした。

次回から大きな進展があるかも?ですので楽しみにしていてください!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ