1-11 それでは皆さん、おやすみなさい
1章ラストです。
2章から日にちが飛びまくり、サザエさんワールドに突入します。
お風呂から上がると、脱いだ服が無くなって居てかなり焦ったが、着替えて部屋に戻ると綺麗に畳んで置いてあった。しかも、しっかり洗濯済みで!不思議っ!
さらには、お部屋の隅に畳んであったお布団も綺麗に敷いてあった、寝る準備万端ね!不思議っ!
うん・・・。不思議も何も、ご飯と言い誰かが何かしてんだよね・・・。何か、姿の見えない母ちゃんが居るみたいだ・・・。
布団に寝転がって、ぼうっと天井を見つめるとつい色々考えてしまう。
母ちゃんと言えば・・・、俺、前世でアホな死に方で家族に何も言えずに死に別れてるんだよなぁ・・・。親不孝と言うか・・・突然死んじゃって、悲しませちゃったよな・・・たぶん。
今、こんな姿になってるけど、俺は元気だよって・・・いや、もう他人なんだよな・・・。
あ・・・やばい・・・色々思い出すと泣きそう・・・。
「母さん・・・。」
駄目だ・・・一度、思い出したら止まらない・・・。割り切って、受け入れたつもりだったんだけどな・・・。
「うぅ・・・ぐすっ・・・やっぱり・・・寂しいよぉ・・・。」
なんで言葉にしちゃうかな・・・なんでこんなに泣いてるんだろ・・・。俺、こんなに感情的だったかな・・・。
今の・・・姿の所為かな・・・。あぁ・・・くそ・・・情けないなぁ・・・。
「うぅぅぅっ・・・ぐず・・・あうぅぅぅぅっ・・・・。」
うつぶせになって、枕に顔をうずめて、ひたすら泣いて嗚咽を漏らして・・・。
-じっと見守る視線の先で、少女は何時しか泣き疲れたのか、その嗚咽は静かな寝息に変わって居た。
-無理も無いだろう。彼女はその身に対して経験の少なすぎる幼子で有り、前世どんな人間だったかは分からないけど、割り切れるほど前世に未練が無い筈もないだろう。
-私の様に、前世の記憶が擦り切れてしまわないように・・・。
-せめて、貴女を優しく見守り続けよう。何時か、隣人たちを家族と呼べる日まで。
-そっと、小さな体を抱き上げ仰向けに寝かせなおし、掛け布団をかけ、
『・・・おやすみなさい。紅葉。』
-泣き腫らした寝顔に、小さく微笑んで。
-音を立てず部屋を出て、私はそっとトビラを閉じた。




