1-3 あけたらしめなさい
朝餉大変おいしゅうございました。お手々を合わせてごちそうさまでした。
食器を重ねて持ち運びやすくして、お部屋に何故か置いてある急須に壺から茶葉をぶち込んで、ポット?見たいな何かからお湯を注ぐ。
このポット(仮名)、水を入れて置くと勝手にお湯になると言う便利品。勿論コンセントなどついて居ない。魔法的なサムシングかしら。
さて、そんな事を考えながら湯呑でお茶をゆっくり味わっていると、コンコンコンコンッと軽快に木戸を叩く音が響く。これはノックです。
ノックされてるのは勿論この部屋の、廊下に通じるトビラであり、すなわちこのお部屋に誰か訪ねて来たと言う事。
えまーじぇんしー!えまーじぇんしー!住人の襲撃が予想されます!
落ち着け、まだ慌てるような時間じゃない・・・あわわわ・・・。
「・・・はい、どなたでしょうか?」
隙を見せたらヤられる・・・。俺は平静を装ってトビラの外に呼びかける。
「おはようございます。朝早くから申し訳ありません。これからお世話になる家神様にご挨拶をと思い、失礼を承知でお目通りを願いに参りました。どうか、御慈悲を頂けませんでしょうか。」
えぇぇ・・・?何か凄いへりくだって来た・・・。いや、俺そんな偉いモンじゃないし、そんなんされても正直困るんだけど・・・。
ってか、話の内容的には住人の誰かって事なんだろうけど・・・誰だこれ?こんなマトモそうな人居たかな・・・。
「あ、はい。態々ご丁寧に。今、トビラ開けますね。」
まぁ、取り合えず会って見よう。顔見れば判るかも。
と、言う訳で、ちょいと警戒しつつゆっくりとトビラを開けると・・・
「ありがとうございます。改めまして、私、この度は家神様の聖域の一角、2号室をお借りさせて頂くことになりました、ヴィクトリア・ヴィルクルムと申します。以後、お見知りおき頂ければ、光栄に思います。」
と、言って、物凄い美人が俺の前で実にキビキビとした動きで深々と頭を下げた。90度のお辞儀や・・・。
え?てか2号室ってあのぼんれすはむ?!慌てて目の前の人物を確認すると・・・。
短く切りそろえられた水色の髪、キリッと引き締まり少し険を感じる藍色のツリ目、銀フレームの眼鏡を光らせ、上下を紺色のスカートスーツでバッチリ決めた、まさに出来る女って感じの美人がそこに。
・・・あれぇ?ぼんれすには見えないな全然。どっちかと言うと、縛られる側じゃなくて縛る側っぽい。
昨日のアレは、見間違いだったんだろうか・・・。
「・・・あの、家神様?何か、私は御無礼を?」
おっと、いかんいかん、俺が難しい顔して黙ってたからいらん心配させてしまった。
うん、とても真面目な人の様だし、是非仲良くして行きたい。
「いえ、ごめんなさい。年上の方に、そう言う丁寧な対応をされるのは慣れて居ないと言いますか・・・。少し、戸惑ってしまいまして。」
「そうでしたか。どうやら、慇懃無礼になって居た様ですね。申し訳ありません。」
「いえいえ、こちらが勝手に申し訳無く思っただけですから、気にしないでください。それで、どうもご丁寧な挨拶、ありがとうございます。私は家神の照山紅葉と申します。どうぞ、これから仲良くして頂ければ嬉しいです。よろしくお願いします、ヴィクトリア様。」
「ああ、どうか私の様な者にその様に畏まった態度はしないで下さい。それに、様付けも御止め下さい、照山紅葉様。」
「すみません、少し緊張して言葉を選びがちな様です。落ち着くまでご容赦を。それと、私の事も、紅葉で構いません。ヴィクトリアさんも、よろしければもう少し砕けた口調で接して頂けると嬉しいです。」
こう見えて疲れまんねん。いや、猫被ってる訳じゃなくてね?初対面の人にはなるべく敬語が俺のデフォでしてね?
ん~、しかし、こう言う真面目そうな人は緊張する・・・。如何にも壁が有りますって感じがね。
出来れば心を開いて気楽に会話出来る様になりたい・・・
「私も、この口調は癖の様なものでして。どうかご容赦を、紅葉様。」
「あははは、様付けは止めて頂けませんか・・・。まぁ、その内、打ち解けて頂ける事を期待しまして。」
「ふふ・・・善処致します。」
そう言って、真面目な顔にほんのり笑みが。
うぉぉぉ・・・すげぇ、美人の笑顔すげぇ・・・・。
「ところで、紅葉様。」
「・・・んぇ?」
笑顔に見惚れてたら、何か急にさっきよりもさらにキュッと引き締まった表情になり・・・。
「・・・見て?」
「ぶふぉっ?!」
いきなり、スーツの前をガバッと開いて、その下のワイシャツの上からギュっと荒縄で締め上げられて色々と変形したお肉が・・・。
健全な元男子高校生としては美人なお姉さんのエロイ体は色々目が離せないモノですが、むしろ凝視してる自分を見られてる方が大変恥ずかしいので・・・
サッと俯いて視線を逸らすと、俺はそっとトビラを閉じた。




