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俺とみゆとポケモンの物語

その子を初めて見たときの印象は大人のような小学生だった


ポケモンgoというアプリが配信されて12年間引きこもっていた俺がついに外に出た

陽の光が眩しく、少し歩いただけで心臓の動悸が激しくなる。

近所の人に会うのが嫌で車を使い、他県の公園までポケモンを捕まえに行く。他人から見れば馬鹿だと思われるだろうが、引きこもっていた俺には本当の冒険のような日々だった。


そしてある日、運命の女の子と出会うことになる。


平日の昼間だというのに夏休み前の短縮授業らしく、公園は子供で溢れていた。

子供に話しかけられるのも鬱陶しいので端のベンチに腰掛けてアプリを楽しんでいた。

すると1人の女の子が隣のベンチに座り込んだ。

とても綺麗で美しく大人な印象を受けた。ランドセルが無ければ小学生だと思わないだろう。


心臓がドクドクする。もっと見たい。話しかけたい。

小学生相手に何考えてんだと、頭の中で自問自答するが、俺はついに声をかけてしまった

「きみもポケモンやってるの?」


「うん...」女の子は少しおどろいた様子だったが小さな声でそう答えた。


そこからは何も話しかけることが出来ずそのまま帰宅した。

寝る前に今日のことを思い返す。

あのまま話し続ければもっと仲良くなれたんじゃないか。もう一度あの子に会いたい。

名前も知らない女の子に対する欲求が高まってくる。


次の日、同じ時間帯にあの公園に行ってみた。

すると同じベンチにあの子が1人で座っていた。

「また会ったね。ひとりなの?」

興奮した俺はすぐに反対の席に座り話しかけた。

「うん...」昨日と同じく小さな声で答えた。


そこからは不思議と会話が続き気付けば30分ほど話し込んでいた。

「用事あるから帰りますね...」

そう言い残し、彼女は公園から去って行く。


帰宅してパソコンを立ち上げて彼女と話した内容を書き込んでいく。

佐藤 みゆ 6年生 友達はあまりいない ポケモン好き 父親と二人暮らし

そう言った情報を箇条書きしていく、何だかみゆと近づけた気がする。


次の日も俺は車を走らせあの公園へと向かった。

だが夜になっても、みゆは現れなかった。


不安が俺の胸を覆っていく。

そしてまた次の日も出会うことが出来なかった。

みゆに何かあったんじゃないだろうか、俺は不安になりTwitterで彼女の学校を検索し、みゆの情報を探して行く。

するとすぐに佐藤みゆというアカウントが見つかった


どうやら別の公園でゲームをしてるらしい。翌日俺はその公園に向かった。

探していると、遊具にもたれかかって携帯を触っているみゆを見つけた。


「久しぶり!また会えたね!」

数年ぶりに会えた恋人のような気分だった。

みゆはとても驚いていたが、多分同じ気持ちなのだろう。

その日は親に呼び出されたらしく5分もしないうちに去って行った。


どこかで親が監視しているのだろうか。

小学生の娘に彼氏が出来る事が心配なのは分かるが、みゆの意思を尊重してほしいものだ。


次の日もTwitterで行き先を把握して、みゆに声をかけた。

驚いた様子だったが、みゆは運命を感じているのだろう。だがまたしても親に呼び出され、ちゃんと話をすることが出来なかった。


彼女の寂しそうな顔がいつまでも頭に残った。

冷静に考えれば、親の気持ちも分かる。

でも日本は自由恋愛なのだから束縛はいけないだろう

気持ちは通じ合っているのに、親のせいで上手くいかない。

いつの時代の話なのだろう。モヤモヤした気持ちを抱えたまま俺は眠った。


いつものようにみゆのTwitterを見てみる。

そこにはストーカー?怖い大人に粘着されているので当分外には出ません…>_<…とツイートされていた。


これはみゆの本心じゃないだろう。

実際に会った俺には分かる。多分親が無理矢理書かせている。

何て遠回しで卑劣な作戦なのだろうか。

怒りで血管がはち切れそうだ。


こんな親に育てられたみゆが可哀想だ。

何としても早く救ってあげなければ...


俺は救出の準備をする。

RPGでは剣と盾を購入するだろうが、俺は結束バンドとガムテープ、アイマスク等を購入し来たる日に向けて計画を進めていった。


そして当日、車の中で学校から帰宅するみゆを待つ。

4時間ほど待っていると携帯を触りながら歩いてる彼女が見えた。

いつどこで親が監視しているか分からない。

人のいないとこでみゆを拉致し家に連れ帰って救出ふるのが考えた中で1番いい方法であった。


帰宅路の中で人の通らない道にみゆが入る。

俺はみゆの後ろから首を締めると声も出せず、数秒で気を失った。

俺は心の中でみゆに謝罪をして、拘束して家に連れ帰った。


車の中でもすぐ目が覚めたようだが目隠し、口枷、結束バンドでカバンに突っ込んだので、何も問題なく救出することが出来た。


目隠しを取ってあげると、彼女は驚いた様子で震えている。

「怖かったよね?ごめんね。でもお兄ちゃんが助けてあげたからね。もう大丈夫だよ?」

優しく抱きしめてあげたが彼女は必死に離れようとしていた。


口枷を取ると、酷い言葉で俺を罵倒してくる。

どうやら両親に洗脳されているようだ。


俺はもう一度彼女の首を絞めて口枷をつけた。

「本当に酷い親だね。許せないよ。これからちゃんとあの頃のみゆに戻してあげるから...」

俺は一生をかけてみゆを助けてあげることを心に誓った。





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