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スキルハント  作者: 如月上下
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カースヲ使ウ者ココニアリ

「君の名前を聞いてもいいかい?」


薊野と言う男は深江を興味深そうに見ながら名前を聞く


深江「深江です、今は高校二年生で、一応ワーストです、よろしくお願いします。」


深江は自分に関して出来るだけ最小限の情報も付け加えた


薊野「深江君だね、うん、君とは良い友達になれそうだ」


薊野はニッコリしながら応える


薊野「ワーストと言ったね、僕らも今日スキルスキャンって言うの?して貰ったんだけどちょっと聞いてもいいかな?」


薊野は少し困った顔をしていた


深江「答えられる範囲でなら答えますよ」


深江も最初はワーストなど聞かされても分からなかった程だ、できる限り答えようと思った


薊野「ありがとう‼︎じゃあ遠慮なく・・・」


薊野は少し溜めてから一言


薊野「ランク:カースって何?」


深江は薊野の一言に唖然とした

まさか、高校生がカースだって?

逮捕歴もない様なこの男が『国滅ぼし(カース)』だなんて誰が想像するだろうか


深江「カース・・・ですか? ワーストじゃなくて?」


まさか、自分の聞き間違いだろうきっとそうだ、深江は自分に言い聞かせながらもう一度問う


薊野「そうだよ〜、僕ら三人ともカース認定されちゃったんだけど、そんなに悪いの?」


薊野は事の重大さを知らないのか、呑気に聞く


深江「カースって言うのは国を一つ滅ぼせるレベルの人に与えられる称号ですよ」


深江はあえて平静を装って質問に答える

それを聞いて薊野は


薊野「ふーん、そうなんだ、通りで判定士の人も驚いてたんだね、納得」


薊野は笑顔を崩さないまま答える、予想通りと言う事なのだろうか


薊野「まぁ、いいや、国を滅ぼす予定は今の所ないし」


深江「滅ぼす予定がある方が珍しいですよ・・・」


薊野「ん?いや、たまぁ〜にあるよ?理不尽、不条理、無理強い、僕の嫌いなこの三つが揃った時は滅ぼしたいね」


それは誰でもあることだろう、むしろこの三つが揃った時には常人は怒りや悲しみでまともな思考なんて出来ないであろう


薊野「おっと、今度こそ本当に帰らないと、見たい番組が終わっちゃうからね」


薊野は少し慌てた様子だった


深江「そうですね、僕もゆっくり休みたいんで」


では、と深江と三人は別れた


深江「あ〜、やっぱり夜でも暑いな〜、お、カブトムシ」


深江は帰り道、暑さに愚痴をこぼしつつ森へと飛んでいくカブトムシを見る


深江「昔はよく捕まえたっけな〜、懐かしいな〜」


トボトボ歩きながらそんな事を考える


深江「お、着いた着いた」


近代化が進められている建物の密集地には珍しく、木製のボロい学生寮が目の前にあった

文字が掠れた看板には

(安いよ‼︎学生寮『ヤンバルクイナ』)


深江「相変わらず寮名に違和感しか感じないな」


??「違和感しかなくて悪かったな」


後ろから男の声が聞こえた


深江「うぉぉぉぉ⁉︎大家さん⁉︎す、すいません‼︎」


深江は驚きと焦りが入り混じりながら頭を下げる


後ろに立っていたのはこの学生寮の大家さんで、20歳代と結構若く、普段からワイシャツを着ているのが印象的だ


大家さん「まぁ、いいさ、ボロには変わりないし、ちなみに大家さんと呼ばずに住吉と読んで欲しいね」


大家さんは深江の焦り様に笑いながら自身の呼び方の改名を促す、ちなみに寮生全員に改名を促しているようだ


深江「でも住吉さんを苗字で読んでいる人なんて見ないですよ」


住吉「な、なんだって⁉︎」


衝撃の事実に固まる住吉

それに対し深江は


深江「・・・・じゃあおやすみなさい‼︎」


凄くいい笑顔で立ち去って行った


住吉「おう、おやすみ・・・・なんでだろうな〜、もうちょっとフレンドリーなオーラを・・・・」


深江が立ち去った後も住吉はぶつぶつと何か考えているようだ



ガチャ

キィー ーバタン


カチッ


カードキーなどは無く、レトロな真鍮製の鍵を使うこの扉、なかなか味があって深江は好きだった


そして部屋に入るとそこには


深江「よう、ただいま」


無数の虫や熱帯魚、爬虫類、哺乳類が綺麗にプラスチックケースや水槽やケージに収まっているのであった



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