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スキルハント  作者: 如月上下
17/37

散ルモノ散ルモノソシテ安寧


血を流して屋根に佇む二人


残された時間はもうない


どうする どうする どうする


深江は思考を巡らせた、今ここでこの男を倒したとしても、結局自分は間に合わずに死んでしまう


しかし、今撤退すれば伊丹の能力でみんなが痛めつけられかねない


伊丹「さて、君も僕も死んでしまう訳だが、残念ながら僕は死ねないのでね」


刹那、伊丹は自身の首に手をかけ、吐血すると同時に首を切り落とす


自害?否、生き残る能力だ


伊丹「残念だが、君はここで終わりだよ」


伊丹の冷たい声が耳に響く、伊丹の首から下はみるみるうちに再生される


先程の切り離した胴体から服を剥ぎ取り、また着用する


深江「まさか、プラナリアの能力を持っているなんて・・・」



伊丹「この能力は便利そうだが燃費が悪くてね、使う代わりに持ち主の記憶の一部を持っていっちゃうんだよ」


伊丹は愉快そうに自身の元・胴体を撫で回しながら話す


深江は話を聞きつつも打開策を考えていた


深江(どうする、俺にはプラナリアの能力なんて持ってないし、毒は内臓にまで達している・・・)


伊丹「もう意識は朦朧としてきたかい?諦めて楽になったらどうだい?」


それもそうだな、ここで死ぬしかないもんな


深江は走馬灯を見ながらそんな事を考える


過去の出来事がフラッシュバックする



生まれて初めてスキルを持っている事を知った時


テレビのチャンネルを変える事を覚えた時


生き物の番組を見て楽しんでいた時・・・・



深江「待てよ?」


伊丹「何かね?打開策があるなら5分程待ってあげるよ」


伊丹は顔を歪めてあざ笑う


深江「確かに、俺には完全な再生能力はない、だが」


深江の顔に皺が入る、深江の口から内臓が出てくる



深江「脱皮なら出来る‼︎」


エビやザリガニは脱皮時に内臓も取り替える、小学生の時に感動を受けた事をうっすらと覚えていた



深江の背中が服越しから分かるほど盛り上がる、脱皮に邪魔な衣類を脱ぎ捨て、深江は生まれ変わった


深江「走馬灯って言うのは、体験してみるものだな」


深江はボロボロの服を身に纏いながら腹部に触れる


まだ傷はあるが、出血は殆ど止まっている様だ


伊丹「脱皮かぁ、素晴らしい発想をするね君は・・・神秘的かつ美しい」


伊丹は恍惚の表情で深江ぎ脱ぎ捨てた元・体をまじまじと見る


深江「御託はいい、あんたはやはり危険だ」


刹那、深江は指先から液体を伊丹に飛ばす


伊丹「次は何かね?毒かな?強酸かな?」


伊丹は両腕で顔を守る様に液体を止める

着弾すると共に伊丹は黒く染め上げられる



伊丹「イカ墨だと?馬鹿にしているのか君は⁉︎」


伊丹は顔を上げ叫ぶが、そこには応える様に拳があった



ドゴッ


深江の拳が伊丹の頭蓋を打ち鳴らす


伊丹「この威力、ピラルクの能力者か・・・一度経験したよ」


伊丹は屋根から吹き飛ばされ、地面に着地する


深江「あんたは終わりだ」


深江は確信する


伊丹「そうだね、随分とマズイ状況だよ」


伊丹が着地したのは戦闘中に薊野が作り出した血だまりだった



薊野「根絶の儀式(デッドエンド)


血だまりが伊丹を覆い、破裂する


元町「倒した・・・のか?」


霧無「いえ、倒せてはいませんが撤退は出来た様ですね」



元町以外の三人は血だまりに包まれる瞬間に首をギリギリまで切り、後頭部を両手で殴って退避する伊丹の姿を見ていた


薊野「そう簡単には倒されてくれないようだね・・・・」


薊野は意識を失う


深江「結局、雪鳴の居場所が聞けなかった・・」


深江は悔しさと怒りを滲ませながら項垂れると、伊丹が立っていた場所に紙切れがあった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

はぁ〜い、これを読んでるって事は僕を倒した様だね、次はこうはいかないよ

あの子はもう君達の友達が見つけているだろうから安心していいよん


【追記】

次は全員まとめてかかってこい

己の力を過信するなよ?



かっちょいい伊丹さんより

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ふざけた手紙だが、戦闘中に書いたのであろう乱れた文字で追記を書いていた


深江「そんな事させるかよ、全員俺が守ってやる」


深江は呟くと屋根から降りる



深江「薊野さん、ありがとうございます」


薊野を抱えながら感謝の言葉を伝える


元町と霧無は電話をしながら駆け寄る


元町「深江‼︎芦屋さんが見つかったそうだ‼︎」


良かった、本当に良かった

















この時はまだ、安心していたんだ・・・


霧無「でも、力が暴走しているみたいなんです」

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