溢れる
「実はぁ、私は仮にも運命を司る女神なわけじゃないですか?でも、詳しく言えばあのぉ………なんです。」
「え?何??」
「うぅーっ!まだ候補生なんです!いけませんか?候補生じゃいけないんですか?!何人もいる候補生の1人でその中では才能も無いし、ネジが何本も抜けてるとか、乳の方に栄養が行き過ぎて頭には栄養が回らなかったのねとか嫌みったらしく言ってくるし、それにやっぱり女神になるには心から崇めてくれる人も探さないといけないのに結局みんな私のおっぱいばっかりで、出逢って先ずおっぱいに視線を感じるし何なんですか??おっぱいが悪いんですか?私のおっぱいが大きいから悪いんですか!ねぇ結城様!おっぱいが無かったら普通に接してくれますか?ねぇ、ねぇ。ねぇ!」
「え?え?!ちょっと何?何、ちょっと怖い!!来ないでおっぱいっ!あ、いやそういうんじゃ。ねぇ?何で寄って来んの?ちちょっと止まろ!お願いだから!ね?って、早いじゃん!え?何で無言??歩くの早くなってんじゃん!!よし!止まろ!…、いやなんか怖い!何で止まんないのぉおっ!まぁじぃいでぇえ~!!追っ掛けて来ないでぇええっ!!!
!」
「いや~、何かごめんね?俺もちょっとやり過ぎたかなって思うんだよ。別に悪気は無かったんだよ!ただ走るとさ、こう揺れるし?どうしても目がいくっていうか。」
「うわぁーーん!ヒック、結城様のばぁ~かぁ~っ!!」
少し話は戻り、何故か追いかけられた結城は最初こそ本気で逃げたものの、アイリスはその胸のせいか走るのが苦手なようでかなり余裕ができ、ジョギングのペースぐらいの速度で走りながら辺りを見渡した。
辺りは真っ暗なのに、人ははっきり見えるという不思議な感じだが、怖くはない。ビタンッ!むしろ、落ち着くような感覚だ。それもそうか。大体このドテンッ!空間は俺の夢の中だもんな。しかし、何故彼女は俺の夢に来たんだ?異世界になるんだろう。ベチャッ!わざわざ異世界に来る必要はあったのか?女神の候補生?分からん。彼女の目的は一体何なんだ?ズザーッ!
「って、さっきから転けすぎだろぉっ!!!」
後ろを振り返ると、息を切らしながら立ち上がろうとしているアイリスがいた。青く美しかった髪も乱れ、純白のゆったりとしたワンピースが肩までズレて、白い胸元があらわになりドキッとしたが、ギンッと此方を睨み付けまた走り出した。結城はめんどくさそうに走り出そうとした瞬間、アイリスから目が離せなくなり、まるで金縛りのように動けなくなってしまった。
アイリスと結城との距離約20m。アイリスは走る。全力で走る!巨乳の人が肩の無いチューブトップのような服で走るとどうなるか知ってるか?
………溢れるのさ。
約20mの間、結城は全く動けなかった。服から溢れ縦横無尽に動き回るおっぱいを前に結城に為す術は無かった。
「はぁ、はぁ、捕まえっ、た!はぁ、はぁ、ふぅーっ!はぁ、捕まえましたよっ!!」
「あのぉ~アイリスさん?そのぉ~ですね?胸がですね?」
「はぁ、はぁ、胸がなんですか!こんなの飾りみたいなものですよ!」
「えぇー。こんな魅力的な飾りなんて知らないよー。」
「もおっ!言いたい事があるなら、はっきり言って下さい!」
「怒らない?」
「怒りません!」
「んー、よし。アイリスさん、おっぱい丸見えだよ。」