血筋
「…と、いう事で私は一応女神であり、結城様の夢に干渉させて頂いた訳なんです。分かりましたか!」
大きな胸を両手で隠しながら恥ずかしさと怒りで更に顔を赤くしながら、アイリスは頬を膨らませながら結城に説明していたのだが、
「ふぁい。ろーも、ふみまへんれひた。」
「ちょっ、ちょっとやり過ぎました?よね??あわわっ、すみません!治療をしなきゃ!」
土下座をしている結城が頭を上げると頬が漫画に出てくる虫歯になった人のように腫れ上がり、その表面には小振りな紅葉の後がくっきりと浮き出ていた。
「いや、いーんれふよ。あいりふはんはへーほーぼーへーれふよ。ほんはふへべやほうほほほはんは、ほっほいへふはらい。」
「さっきより酷くなってるじゃないですか?!何て言ってるかも分かりませんよぉ!!待ってて下さい!コホン。『傷を癒したまえ、ヒール』」
アイリスが何かを唱えると、結城の頬がみるみる腫れが引いていきあっという間に元の輪郭に戻った。
「どうですか?これで治ったと思うんですけど、どこか痛みますか??」
「あぁ、少しここが痛いんだ。胸の辺りが。」
結城は思った。俺はいきなり彼女の乳を揉んだ。ビンタをされた。当たり前だ、誰だって赤の他人に乳を揉まれたら激怒するに決まってる。なのに、彼女はやり過ぎてしまったと俺に謝った。しかも、どうやったのか頬の腫れまで治してくれて。正座している俺の目線に合わせてしゃがみ、心配そうにこちらを見ている。俺は、俺は何て奴なんだ!とんでもないスケベ野郎だっ!彼女の優しさが痛い。邪な事を考えていた心が痛い!
やめよう、彼女をやらしい目で見るのはやめよう。謝ろう。誠心誠意、彼女に謝ろう。もしかしたら、許してくれるかもしれない。いや!許してくれなくても謝ろう!謝り続けよう。端から見れば自己満足と言われるかもしれない。それでも謝らないと俺の気持ちが収まらないんだ!!彼女に、アイリスさんに謝罪したいと思う気持ちよ!どうか!どうか届いてくれっ!!!!
「アイリスさん、本当に悪かった!初対面のこんな男にいきなり乳を、あっ、胸を揉まれて凄く怒ってるのは分かってる!許してくれとは言わない!でも、これだけは分かって欲しい!俺は、俺はアイリスさんの………………」
「いえそんなに謝らないで下さい!私もやり過ぎてしまったんです!それに、(ビックリしたけどあんまり嫌じゃなかったかもゴニョゴニョ)と、とにかくもう謝るのは止めて下さい!終わった事ですよ。ね?結城様!……結城様?………っ!ちょっとどこ見てるんですかぁっ!!」
「え?別にどこも見てないよ?たわわに実ったデカメロンなんて見てないよ?」
「鼻血いっぱい出てるもんっ!!もぉ!結城様のエッチー!!!!」
拝啓、父上様。貴方の息子は、貴方によく似てしまったようです。貴方と同じように、ドスケベの血のようです。