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思い込みの凄さを披露しよう  作者: 砂殿
第一章
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プロローグ

 今宵は満月。


月の光が全てを照らす。


大地を、


山を、


海を。


 月に向かい祈りを捧げる少女を優しくも怪しげに照らす。



 少女は祈る。


この世界に希望を、


未来を与えたまえと。






 『ミーンミーン、ミーンミーン』



 「関東では、最高気温がまた35度を上回り猛暑日となるでしょう。そのため、熱中症になりやすいのでこまめに水分補給をするようにしましょう。それでは、続いてのニュースです。えー、昨夜海水浴場で」


ブツッ


「あぁ~っ!暑い暑い暑い!!どうにかならんもんかねぇっ!」


 ポイッとテレビのリモコンを放り投げ、扇風機の前で汗をかきながらアイスを食べている男。

彼の名前は、結城 ゆうきのぞむ

貧乏学生の彼の住むアパートにはエアコンが無い。

家賃の安さに思わず入居してしまった彼は、バイトで貯めた金を全て使い敷金礼金を払い終えた後で、この部屋にエアコンが無いことに気がついたのだ。


 春先に入居して最初の3ヶ月は、結城も文句なく住んでいたのだが、梅雨が空けると状況は一変した。


 「あれだな!この暑さは逝けるなっ!西日が直に来るもんな!あれか?試練か?神が与えたもうた試練なのでござろうか!!よぉ~しっ!耐えてみせよう、耐えてみせようではないかぁっ!!…はい無理ぃぃっ!!絶対無理ーっ!間違いなく溶けるね!溶けて、こう、何かドロォってなって何か、グワァーッてなるね!!よしっ!かかって来いやぁ!!神か?神が試練を与えたのか?ヤってやるよ?どっからでもかかってこんかいぃっ!!!!」



 暑さのせいか、元々の頭のせいか、パンツ一丁で部屋の四方に向かって喧嘩を売り出した結城は大量に汗をかきながら一心不乱にシャドーボクシングをした後、暑さと疲れで半ば意識を失うように布団に倒れ込んだ。


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