↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SAKUYA  作者: まひる
PR
33/52

その33.噂

「本当に大丈夫なの?」


 心配そうに朔也(サクヤ)の顔を覗き込みながら光樹(コウキ)は声をかける。


「あぁ、もう大丈夫だって。次は何処に行くんだ?」


 草原を歩く二人は、三日前にスラーの町を出発していた。


「うん、ジルエの湖近くで魔力所持者目撃の噂があったんだよ。中々魔力所持者の噂は真偽の程が怪しいんだけど、一度行ってみようかなって。どう思う?」


 光樹の情報網には頭が下がる。


 この情報も、先程立ち寄ったスラーの町でいつの間にか聞いてきていた。


「分かった。けど純人類に消されない魔力所持者って、実際どれだけいるんだろうな。」


 朔也もまた、生死の縁(フチ)をさ迷う程の傷を負わされた過去を持つ。


「うん、厳しいね。でも僕は朔也に会えた。しかも、魔力所持者は人間から生まれる。血族間の遺伝を必要としないから絶滅はしない。」


 光樹の言葉に迷いはなかった。


 今までの経験と知識から出た揺るぎない結論。


「…だな。俺の両親も普通の人間だった。だとすると、生まれる原因があるのか?」


 後ろ向きではない考え方である。


「そうだよ、生物は常に進化してきたんだ。初めは異端な存在も、数が増せば正当化される。」


 振り向きながら熱く語る光樹に、朔也もふと思った。


「それを恐れた純人類が、抹殺行為をしているとしたらどうだ?自然絶滅ではない、明らかに人工的な…背徳行為以外の何物でもないな。」


 朔也は自身の言葉に自嘲する。この世界に道徳が存在しているのだろうか。


「道徳、良いじゃん。僕らに対しては厳しく当たる人間も、彼ら同士では社会を築いているんだもん。それなりに秩序が存在していてもおかしくないよ。」


 しかしながら、他種族への排他的精神は容認しがたいものだ。


「俺は人間を滅ぼす気はないぜ。けど勿論、滅ぼされる気もない。その魔力所持者の噂、行ってみる価値はあるんだろ?」


 朔也は他の魔力所持者に出会った事がない。興味があるというのか実際の気持ちだ。


「うん、ジルエの湖はここから遠くないし。行こう!」


 そして二人は、新たな目的地に向かう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。