*第7話*
「これ・・・なに?」
圭吾は根っからのバカだ。
でも、あたしはそんな圭吾が好きだ。
今・・・友達としてだけどな。
「さっきいったじゃん。これは1問目と一緒の公式」
「ほぉ・・・!・・・・。Xの数字どれ?」
「25だよ。ほら、1問目と言ってること一緒だろ」
「うわ、本当だ。」
「いやそんな面倒くさい事で嘘いわないからな」
「だよなーてことは、答えは~____」
圭吾は幼馴染で0歳の頃からずっと一緒。
おまけにクラスも全部一緒で
なにからなにまで一緒だった。
けど、あたし達は唯一違うところがあった。
「音々!とけ・・・た、ぞ?」
その時あたしはきっと、
壁に貼ってある写真を見て
ボーっとしてたのだろう。
「・・・音々、あの事、まだ気にしてんのか?」
「・・・あたりまえだろ・・・。あたしのせいなんだから」
「俺もうなんともないし、音々に悲しんでほしいつもりもないんだけどさ・・・」
大怪我をしたかしてないか、だ。
圭吾はかなりの大怪我をした。
それも、あたしのせいで。
中学に入りたてのあたしと圭吾は調子にのってて
いつもチャカチャカしていた。
そんな時外に出たのが運の尽き。
あたしも圭吾も事故にあった。
「ん・・・。ごめんな。あたしあったかいお茶でも持ってくる」
スッと立ち、部屋から出て行く。
少しいたたまれなかった。
あの記憶が脳内を巡っていた。
「お母さん、あったかいお茶、ある?」
「あら、どうしたの?」
「あぁ圭吾がきてんだ。宿題教えてくれって」
「そうなの?じゃぁおまんじゅうももって行きなさい?
そういえばもうすぐ期末テストじゃない。勉強、がんばりなさいよ?」
「姉ちゃん、ファイト!」
そうか・・・もうすぐ期末かー・・・
「ん・・・ありがと」
階段を上がって突き当たりがあたしの部屋。
部屋はかなりシンプルだと自分で思う。
「はい、あったかいお茶。」
「あざーっす」
「はぁ。もうすぐ期末だな」
「ズルズル___(お茶すすってます)ん・・・だな」
あれ。圭吾、いつもならあわてるのに。
「あわてないのか?」
「ん?んー・・・キマツ?きまつ?期末・・・期末テスト?!」
「あ、あぁ・・・?それ以外にはないと思うだが・・・」
「なぁぁぁにぃぃぃ!?や、やばいよ!俺!古典とかもう全然だよ!?
英語も数学も無理無理無理ーッッッ」
「・・・はぁ。部屋もどって全部の教科もってこい。教えてやるから。」
「まじで?!やった!」
「ただし。英語はるかに教えてもらって」
「・・・るかぁ!?」
「うん。」
「スパルタキョウシ・・・」
「いいから、とってこい」
「へいへーい・・・」
圭吾は渋々あたしの部屋のベランダから自分の部屋のベランダにわたって
部屋に入っていった。
あたしはるかを呼びに行く。
「るかー。圭吾が英語教えてほしいんだって」
「わかったー今行くー!」
るかはかなり賢い。
英語なんてあたしより断然できる。
戻ってきた圭吾を部屋に促し
座らせる。
あ、言い忘れてたけどるかはかなりのスパルタ。
「それじゃ圭吾君、いいですか?この英語はですね」
「音々ーるかこわいー・・・」
「我慢しろ。あたしも聞いてるから」
「うー・・・」
「圭吾君、聞いてるんですか?」
「へ?!あ、はい!」
圭吾はるかの前ではずっと敬語。
るかは圭吾に敬語を使う。
あれ・・・けいごばっかだな・・・
「姉ちゃん聞いてる?」
「あぁ、うん。聞いてるよ。続きよろしく」
「ん。で、ここは___」