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*第5話*

「ん・・・・」

目を開けると、そこは何処かの倉庫らしきところだった。

そういえばあたし眠らされたんだっけか。

はぁ・・・めんどくせー・・・

今の状態は最悪だ。

口もテープで閉じられてるし

手も手錠をかけられていて

足もロープで縛られている。

とりあえずあたしは、周りを見て

この手錠を解けそうなものをさがした。


ねじでも針金でもなにかあれば解けんだけど・・・

端っこのほうにねじがコロンと落ちていた。

ちっこいけど・・・まぁ、だいじょうぶか。

カチカチカチと手錠の鍵の差込のところを探る。


____カチッ


「んー・・・ん・・・(よー・・・し)」

手錠が解けてあたしは、テープとロープをそそくさと外した。

と、同時に倉庫のドアが開く。

「あれ・・・といちゃったんですか?」

「あぁ。あれ、息苦しくてな。SMプレイにはちときつすぎんじゃね?」

「そうですか、すみません。でも、もう一度あの状態になってもらいます」

「は?いやにきまってんじゃん」

「無理です。・・・圭吾が来るまで、無理ですよ」

ニヤリと笑うこいつになにか違和感を感じた。

あ・・・・

「お前、もしかしてあの、えっとー・・・圭吾に告白した女子のー・・・」

「そう、元彼だよ。圭吾は俺の憎き相手。音々さんと付き合ってるなら

愛する彼女を助けにこないわけないでしょう?だから、そこを

ビリビリッとやるわけです」

・・・バカだ、こいつ。

圭吾がそんな単純にやられるわけもないし

第一、あたしたちは偽りのカレカノ。

助けにくるはずもない。所詮、幼馴染だ。大好きな、友人、親友だ。

「てか・・・圭吾なんていらなくてもあんたぐらいなら

あたし一人で十分だけど?」

あたしは手をポキッとならせる。

「さすがに、先輩だからと言って負けませんよ。女なんかに」

「あたしを女だと思ってる時点でお前の負けだ。」

その言葉の終わりと同時にあたしはそいつの溝に思いっきり蹴りをいれる。

その足をつかまれるものの、思いっきり振り払い、一回宙返り地面に着地した。

「っ・・・」

あたしはすぐにしゃがみこむそいつの上に行き、足を上げる。

「いい?頭に、一発入れても?」

「・・・入れてみろ。入れればいいじゃねぇか!」

「と・・・・。ごめんだけど、あたし後輩をいじめる趣味はねーの」

足を下ろして、あたしもしゃがみこむ。

「あたしのケータイ、どこ?」

「・・・はい。」

そいつは自分のポケットからあたしの黒のケータイを取り出す。

それを受け取ってあたしはただちに圭吾に電話をかけた。

『もしもーし?音々、どうした?』

「ちょっとあんたに用があるかわいい後輩がいんだけど

今これる?えっとーここは、OO工場近くの第2倉庫だと思うんだけど」

『ん、わかった。んじゃ』

「じゃね」

プチッ

「音々さん・・・何してるんですか・・・?」

「圭吾よんだだけだけど?」

「は!?な、なんでんなこと!」

「あんた、圭吾の話たかったんだろ」

「・・・・そうですけど。それ、俺にしか利益なくないですか?

もしかしたら殴り合いの喧嘩になりますよ?」

「大丈夫。殴り合いの喧嘩はぜってぇあんたが負けるから。」

「・・・・・」


5分ぐらいして、圭吾が倉庫に「しっつれーい」と言って入ってきた。

どこまでもお気楽なやつだ。ほんとに。

「んで?俺と話したいやつって?」

「そこにいるやつ」

「あれ、津田じゃん」

「どーも・・・圭吾先輩・・・」

「え、なに?俺に用って?」

「・・・なんで、真知子振ったんだよ・・・」

「へ?」

なんつーすっとんきょうな声だ。

「なんでってきいてんだよっ!」

津田ってやつが放ったこぶしを圭吾は普通に片手で止めた。

そして、そのこぶしをつかんで思いっきり投げとばす。

「いってっ・・・」

「真知子ってやつ、お前のかのじゃねえの?」

「・・・もとかのです・・・」

「おれ、あいつがよく図書室にいんのしってたけど

ずっと窓からサッカー部の試合のぞいてほほえましそうにしてたっての」

「・・・そう・・・なの・・・か?い、いや、でも、それは俺を見てるんじゃなくて・・・」

「あんたをみてたんだよ、多分。だって、圭吾は今足壊してて試合には出てない」

「・・・・。わけ・・・わかんね・・・!」

「まぁ、もういちど真知ーこ?だっけ?って人に気持ちつたえるんだな」

「俺にほれたのは多分なにか八つ当たり的な感じだったんじゃね?」

「そんじゃ。いちいち拉致していただきありがとうございました」

あたしはたったかとたからかに倉庫を出て行った。

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