*第4話*
「やべ・・・売店いきそびれた・・・」
変なブリブリ女子に引き止められたせいで
売店はいきそびれてしまった。
外のコンビニでもいくかぁ・・・?
「ん、これ。」
そんな短い言葉とともに
圭吾が隣からマヨパンを差し出してきた。
「え?いいのか?」
「音々のために買ってきたんだし」
「ラッキーッ!圭吾まじ好きだぁ~」
そんな恋愛感情なんてものは1滴も混ざってないけど
周囲からはひやかしの声がした。
「ラブラブだね~」
「さすが幼馴染~!」
「くぅ・・・!圭吾にぬかされるとはなぁ」
・・・・。
なにがラブラブだ。
さすが幼馴染って・・・
なぜさすがなのか?
そんなことを思っていると、ポケットで
ケータイが震えた。メールだ。
件名:津田です。
本文:放課後体育館裏に来てください。
大事な用があります。
はぁ・・・また告白かなにか?
ま、断る口実はあるわけだし・・・
てか、こんだけ噂広がって、よく告白なんてできるな?
「どうした?」
「また告白の場所掲示メール」
「え?まじで?」
「うん、まじで」
「・・・行くな」
「は?なんで」
「・・・っつ!トイレェェェ!」
圭吾はあたしの質問には答えず
トイレに疾走していった。
「??」
放課後、体育館裏にあたしは行った。
行くとそこには誰もいなくて
シーン・・・と静まり返っていた。
「呼び出しといていないとか・・・」
ありえねぇにもほどがあるんだけど。
そんなことを思ってると、不意に後ろか人の気配をかんじた。
ぱっと後ろを振り向くと、そこには誰もいなかったが
さっきまで前を向いていた方向から人の声がした。
「音々さん、来てくれたんですね」
そっちを向くとそこには、かなり長身の男子が立っていた。
んー・・・余裕で185超えか・・・
「呼び出されたしな」
約束は守るのがあたしのルール。
「おれ、べつに音々さんをだましたいわけじゃないです」
「は?」
いきなりわけのわからないことを言われて
おもわず思ってることを口に出してしまった。
と、いっても「は」だけだけど。
「けど・・・圭吾さんと付き合ってしまっていた以上
俺にはもうこんな方法しかないんです」
「いや・・・だから、なに・・・?!」
最後までは言わせてもらえず
後ろから誰かに口を押さえられ
あたしのまぶたは重くなり
閉じたくもないまぶたを、閉じてしまった。