*第3話*
時間は淡々とすぎて、もう4時限目。
4時限目はあたしの大嫌いな英語。
基礎の英語は覚えてるものの
ほかの英語なんてなにがなんだかさっぱりなんだよ。
「ふァ・・・眠い・・・」
ちらっと圭吾を見ると、すでに爆睡・・・。
いや、はやすぎんだろ、あいつ。
あぁ・・・でもあいつ3時限目の数学から寝てたっけ?
まぁどーでもいいんだけど。
英語の先生はかなりお人よしで
寝てるやつがいようと、落書きしてるやつがいようと
起こさない。お人よし・・・っつーか弱い?
「えーっと、じゃぁ、これを訳してもらうのは・・・
音々ちゃん!お願いします」
「えーっと・・・わかりません、すみません。」
「あらあら、いいのよ。これはね__」
この人はどこまでお人よしなのだろうか。
少しぐらい怒ればいいのに。
そんなことを考えてる間に
チャイムはなり、昼休み。
「圭吾、学食の特製たっぷりイチゴパン売り切れんぞ?」
「ん・・・は!やべぇぇっ!!!」
全速力で教室を駆け抜け、圭吾は売店に向かう。
はぁ・・・あたしも今日は弁当ないんだよな・・・
「だり・・・つかさみ・・・」
トコトコと売店に向かおうと廊下を歩き出した時だった。
「ねぇ?あなたがぁ井上音々ぇ?」
目の前にあられたのは、これほどブリブリしたやつはいないであろう
変質者・・・じゃなくて、ブリブリした女子がだっていた。
「はぁ・・・。あたしが井上音々ですが、なにか?」
「あなたぁ、圭吾くぅんとぉつきあってるんですってぇ?」
・・・んだよ、またこうゆうやつらかよ。
だりぃ。うっとうしい。
「そうだけど。」
「ふぅ~んぅ・・・。どぉせぇ、あなたがぁむりやりぃやったんでしょぉ?」
「は・・・?」
「そぉんなんだったらぁわたくしにぃけいごくぅんをぉゆずってもらぇなぁぃ?」
・・・ユズル?ゆずる?譲る?謙?
「ゆずるって・・・なにが?」
「だぁかぁらぁ~圭吾くぅんをぉあたしにちょぉだぁぃってことぉ」
「いやだから・・・」
あたしが言おうとしたとき、不意に後ろから声がして
がばっと抱きつかれた。
「てめぇみたいなんに誰がいくかよ。ばっかじゃねぇ?」
「?!」
圭吾だ。後ろから抱き着いてくるのはよくあるけど
さすがにこのタイミングはびっくりした。
「圭吾くぅ~ん♪」
「きもい、ちかよんな、ブス」
「なっぁ・・・?!そ、そんなことぉ言っていいっておもってるのぉ?」
「うん、余裕で思ってるけど」
「ふぅ~ん、まぁ?あたしはわぁ、この学校にいられないことをぉおもっておくのねぇ」
「へ?なんで?え、もしかしてお前のおかんが権力持ってるからと言う
どうでもいい?口実?え?だったらかなり無駄だよな。」
「な、なぁんですぅってぇ?」
「だって、俺、理事長の息子だし。」
「はっ・・・・!」
今気づいたのか、この女子。
そう、圭吾はこの森羅学園の理事長、森羅初世の息子。
まぁ、=だな。圭吾はかなりの権力者ってわけだ。
時期理事長ってわけじゃないらしいけど。(圭吾の頭じゃ理事長なんてつとまんねぇしな)
「じゃ、じゃぁわたくしはこれで・・・」
「ブス、これで終わると思うな。」
「ひっ・・・!」
そのブリブリ女子はものすごいスピードで去っていった。
「モテる男はつらいな」
「・・・お前も気をつけろよ」
「は?なにを?」
「なんでも。とにかく気をつけろ」
はぁ・・・?
なにを気をつけろと?
まぁ・・・圭吾が言うんだし・・・
「ん・・・了解」