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*第27話*

「音々ー起きろー」

すぐ近くで起こされて

あたしは驚いて飛び起きた。

「いや、そんなに勢いづかなくても」

案の定、あたしを起こしたのはりょー。

「耳元で叫ぶな。」

「20回声かけて起きなかった音々が悪い。」

「・・・サーセン・・・。今、何時?」

「7時。ちなみに一番最初に起こした時間は6時30分だよ」

「わざとらしく言うな。つかそのドヤ顔やめやがれ」

「仕返しだ。まぁ圭吾も英斗も裕真もまだ起きてないけどな?

あ、ちなみにあいつらは25回ぐらい起こした。」

「お疲れ。ロビー集合、何時だっけ?」

「7時30分。俺シャワー浴びてくるからそこの3人起こしといて」

「はいはい・・・」

とりあえず着替えちゃおう・・・

かばんを開けて私服を取り出して

あたしは安堵した。

・・・これはるかが入れてくれたんだな・・・

ま、今日は私服もなにもスキーだし

スキーウェアーは別バックに入れてたから無事ってわけ。

ちなみに今日の服は、制服のカッターシャツと制服とは違うネクタイと

ジーンズのスキニー。いつも来ている私服。

髪の毛は・・・まぁおろしとけばいいか。


着替え終わって、圭吾達に声を掛ける。

「圭吾ーえいこーたーちゃんーもう7時過ぎたぞー」

「ん・・・」

「んふっ・・・」

「ん・・・」


・・・起きる気配なし。


よし、もうこれは強行手段だな。

「おらぁっ起きろ~ッッ」

「「「!?」」」

「7時半集合だぁっ早く起きろやバァカッ!」

全員の布団をはがしとる手段ッ☆

「何事!?」

「え?!俺らが悪い!?」

「朝から心臓に悪い!いろんな意味で!」

口々に驚きながら起きる3人。

「りょーが25回起こしても起きなかったらしいな。

まぁあたしも人の事言えないんだけど。」

「だぁって、眠かったんだよー」

「・・・うん」

「そだそだー」

「はぁ・・・んも、ごちゃごちゃ言わずにさっさと着替えろッ」

「わぁったよー・・・ってあれ?りょーは?」

「シャワーはいってる」

「けっ。生意気な。」

まぁ確かにな。

「誰が生意気だよ」

「あ、りょー」

もうあがってたのか。

「命だけはお許しよッ」

なにがだよ。

「俺はどこぞのお偉いさんだボケ。ほら、早く着替えてロビー行くぞ?」

お前は下半身にバスタオルだけだろーが。

「「「へぇぃへぇぃ」」」


りょーって実は中学のとき

先輩にめぇつけられてて

何回もぼこられてるらしくてさ

そのせいでいつのまにか喧嘩までも強くなったらしいんだよな。

まぁ結果、りょーを怒らすと酷い事になる。

表情がどぎつい。=怖い。

あたしは見たことないけどな、残念ながら?


「音々・・・お前・・・」

「?なに?」

「・・・俺ら着替えるんだけど・・・」

「早く着替えろよ?7時半まで後10分だぞ」

「・・・音々、10秒だけ目瞑ってて」

「はぁ?まぁいいけど・・・1-・・・2-・・・3-・・・___」

どうしてあたしが目瞑らないといけないのか

さっぱり意味がわからん。

「10~いったいなんだったんだ?」

「いやぁなにもございませんよー」

「うんうん!ほら、着替え終わったしロビーいこうぜー」

「あ、あぁ・・・?」

いきなりなんだったんだ・・・?


後で圭吾に聞いたところ

女のあたしが自分達の着替えシーンを見るのは

どうかと思ったから目を瞑ってといったらしい。

あたしからしては、言ってる意味がわからないわけでないが

そこまで恥ずかしがる事なのかさっぱりだ。

圭吾も首を傾げてたらしい。

とにかくえいこーとたーちゃんが急げって言うものだから

急いだらしいけどな。

りょーはというと、ニコニコしながら

「デリカシーないな」

なんて言われたがまずあたしにでりかしー?デリカシー?の意味がさっぱりだ。

「ま・・・どうでもいいや・・・。んじゃロビーいくか」

「うーっし」

「あ、なぁ音々?」

不意にりょーが声を掛けてきた。

「なにさ?」

「朝ぐらい手つないでロビー行けば?」

「・・・は?!」

「だって二人は偽りでも仮でもカレカノでしょうよ?

誘ってみれば?それなりの理由で。」

「・・・うん」

よーっし・・・

これも一歩だよな、うん。

「け、けいご?」

「ん?なに?」

「あぁあさ、ぐらいさ、カレカノっぽくー・・・しないか・・・?」

「あぁ、そうだな。最近それらしい事しなかったもんな。ほら」

圭吾が差し出した手が嬉しくて

ギュっとつかむと、りょーが横に来てこごえで

「勢いも大事だろ?」

と言いながら廊下に出て行った。

あたしは心の中で

「そうだな」

とつぶやいていたのだった。

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