*第2話*
次の日。
あたしたちはいつもどうり二人で登校。
まぁ・・・家が隣だから仕方が無い事だと思う。
だって、家から出るタイミングまでも一緒なんだよ・・・?
「うぃーっす、おはー」
「おはよー。ふぁ・・・眠い・・・んでもって寒い。」
「お前昨日から寒いばっかいってんじゃん。大丈夫かよ」
「まぁ・・・大丈夫なんじゃね?多分ー」
「ま、ならいいけど。てか、その男口調いい加減直せば?」
「はぁ?んなだること、なんでしなきゃなんないの」
「いや、なんとなく。あー、なんでんなの好きになるのがいるんだか」
「うっさーい。圭吾だってわっかんねーよ」
「まぁな。おっ・・・と。俺らそういえば恋人同士なんだっけ?」
「あぁ・・・そういえばそうだったな。普通にしてればいいよな?」
「んー・・・それじゃだめなんじゃね?」
「えー。じゃぁどうすんの」
昨日まで幼馴染だったやつとカレカノの振りでもしろって言われて
誰ができるんだ。そいつ今すぐ俳優に売れ、って話だよ。
「こういう感じじゃね?俺前付き合ってたときこんな感じだった」
そういうと、圭吾はあたしの手を取って指を絡めた。
ゆわる、手をつなぐと言う恋人らしい行為。
「へぇ・・・。あたし付き合ったことないからわっかんねー」
「だよなー。所詮音々だもんな。所詮。」
「うっせー、ほら、学校近づいてきたぞ」
「恋人らしく・・・って言ってもさらっとな、さらっと」
「別にいつもと普通にしとけばいいんだろ?あたしは。」
「まぁな。俺が誘導するから心配すんな」
「・・・信用はできねーけどまぁ、信用してやるよ」
「うわ。かわいくねーの」
「前からだっつのー」
門をくぐり、教室に向かう。
さすがに周りの視線がかなり刺さる。
まぁ、そりゃそうだろう。
この学園のNo1にモテてる男女が手つないで歩いてんだよ?
そりゃみんなこっち見るだろ。
ちょいちょい聞こえる周りの声にあたしはイラッとした。
「なによ、あいつ。圭吾君と手つないじゃって!」
「圭吾くんも圭吾君よ!昨日あたしを振っといて・・・!」
あぁ・・・昨日ふられた女子か。
ご愁傷様でした。
こっちは男子の声。
「圭吾のくせにして・・・!なんで音々と!」
「2Dの大事な女子なのになぁ?!」
なにか大事な女子だよ。
いつも手荒に扱うくせに。
「なぁ、走っていい?」
「は?」
「あたし今すぐにでもこの状況から逃れたいんだけど。」
「あぁ、まぁ俺もそれは一緒だ。んじゃ、走るか」
ダダダダッと走っていくあたしたちを回りは呆然とみていた。
どんだけものめずらしいんだよ。
教室に入ると、いきなり男子たちに囲まれる。
「お前ら付き合ってんだって!?」
「告白したのは音々とか!」
「初キスはもうすんだとか!」
「なんだよーっ!じゃぁHもおわったのかぁ?!」
「てかいつからつきあってんだよーっ」
・・・・・。
どっからんな噂が回った。
誰だ。回したやつ。
いますぐぶっ飛ばす・・・
かなりプッチンきてると圭吾が耳元で
「切れるな。俺もかなり我慢してるから。」
と言い、男子たちの話にあわせた。
「そうだよ、付き合ってんの。まぁ幼馴染だしなぁ?」
「告白はどっち?」
「残念ながら音々じゃなくて俺だよ」
「初キスは?!したのか?!」
「まだだよ、あほか。昨日付き合い出したのに」
「じゃぁHもまだ?」
「・・・てめぇぶっ飛ばすぞ?」
ケラケラと笑いながら席に着く圭吾を見て
あたしはため息をつく。
どーやったらあんなけ気楽に生きられんのか。
さっぱりわかんねぇの。
頬杖ついてぼーっとしてると、不意に頭の上から声がした。
「ねぇ、ほんとに付き合ってるの?」
この声は・・・昨日の圭吾に告白してた女子か。
「ほんとだよ」
「じゃぁ証拠みして」
「はぁ・・・?」
「付き合ってる同士なら、キス、できるでしょ?」
・・・この女、なにいってるつもり?
キス?圭吾と?
は・・・んなのありえないんだが・・・
「ねぇ?圭吾君。」
うわ。わざとらしい。
「っ・・・・できるにきまってんじゃん?」
一瞬つまったものの、圭吾は普通に答えた。
いや・・・できないだろ。
つか・・・あたしその場合ファーストキスは圭吾ですか?
「じゃあ、いまやってよ。」
「わぁったよ」
圭吾はかったるそうにこっちにきて
あたしの耳元でささやいた。
「ファーストキスいただきます?」
うわ・・・腹立つ・・・
てか・・・いつわりの恋人なのに
ここまでしないといけないんだ・・・?
そんなこと思ってると、目の前に圭吾の顔がきて
唇に体温を感じた。
ファーストキス・・・ね・・・・。
圭吾はきっとファーストキスなんかじゃないんだろうけど。
ま・・・所詮あたしだしな。
いつのまにかキスは終わっていて
周りの男子は唖然としていて
もちろんいいだしっぺの女子も唖然としていた。
「ほんとに・・・したの・・・・」
「やれっつったのだれ」
「・・・圭吾君のバカ!」
その女子は教室を出て走り去っていった。
「・・・おれ二日連続でバカっていわれたんだけど。」
「まぁ、所詮圭吾だししゃぁないだろ」
「なっ・・・しっけいな。」
「あらごめんあそばせ、本音がでてしまったわ」
「きもちわりぃ」
「・・・・・・」
正直今のあたしに女口調てのはわっかんね。
でもいつか、女口調になってみたいかも・・・。
「どうした?」
「いーや、なんでもねぇよ」