*第17話*
「音々、圭吾ーこっちこっち」
声のした方を見ると
英斗ことえいこーが呼んでいた。
その後ろにはたーちゃんとりょーもいた。
「おう、皆はやいなー」
「お前らが遅いんだよ」
「あたし達はいつもと同じ時間だろ。」
「皆が張り切りすぎってだけだな」
「だなーって、それを言うならりょーもだろ」
「・・・・まぁな」
クスクスと笑うあたし達を2Aが横目で見ていた。
真面目クラスにはうらやましいのか?
少しするとおーちゃんの声がかかった。
「よーし!バスに乗り込むぞー!
バスの中ではしゃぐなよ、高校生にもなって」
「どーせおーちゃんが一番はしゃぐだろー」
「しっけぇなっほらぁ、はよ乗り込めー」
あたし達のバスは3号車。一番最後のバス。
席の隣は圭吾・・・じゃなくてりょーだった。
圭吾はたーちゃんと隣でえいこーは2cのたまたま仲いい奴らしい。
「圭吾と変わるか?」
「ううん、別にいいよ」
「そう、いいけど。ところで」
りょーは小声になって
「圭吾とのギクシャクはどうなんだ?」
と言ってきた。
「一応なんとかなってるよ。だけど・・・」
「だけど、どうした?」
「・・・次はあたしが圭吾に避けられてるっぽいんだよな」
「へー・・・やっぱりそうきた、か」
「やっぱりってなんだよ」
「別に。こっちの話。あ、音々って酔わないか?」
「は・・・?あぁ、別に酔わないけど?意外と強かったりする」
「そう。じゃぁ俺と席変わって」
「りょー、酔うのか?」
「あぁ。かなり弱いんだよな」
「わかった」
りょーは通路側、あたしは窓際の席に変わった。
席を交代したと同時におーちゃんの声がバスに渡った。
「おーっし!それじゃ、出発だっ!」
「やっぱりおーちゃんが一番はしゃいでるじゃん!」
「ほ、ほっとけ!ほらー!いきなり高速だからシートベルトしろよー」
バスの中はかなり騒がしく
寝る暇もないぐらいに皆しゃべっていた。
あたしはりょーとしりとり中。
「こ?こーこまつな?」
「なー・・・なると!」
「どっちのだよ」
「ラーメンのほう」
「と・・・とうもろこし!」
「しー・・・しね」
「うわ、音々残酷だろ」
「いや・・・だって思いつかねぇんだもん」
「まぁいいや・・・っと・・・ごめん・・・俺よってきた・・・」
「えぇ?!大丈夫かよ?!」
「ん・・・ちょっと寝るわ・・・・ちょい、肩借りる・・・」
そういうとりょーはことんっ・・・とあたしの肩にもたれ掛かって
すぐ寝息を立て始めた。さすがりょー、はやい。
(りょーの方が断然身長が高い。)
10分ぐらいして、あたしも睡魔が襲ってきた。
うう・・・眠い・・・。
朝6時起きはきついな・・・
あたしはいつのまにかりょーにもたれ掛かって
寝ていた。(身長差10cm以上)




