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*第16話*

あたしが目を覚ますともう放課後で

外からサッカー部員や野球部員の声が

ありとあらゆるところから聞こえてくる。

・・・そういえば考えてる間に

寝てたんだっけ・・・?

って、結局結論でてないじゃねぇか・・・

「音々おきたか」

「あ・・・まだ、いたのか」

「さっき来たばっか。さすがに俺そこまでサボりじゃねぇ」

「ははっ、どうせ寝てるだろ」

「ほっとけ。ほら、帰るぞ。あー・・・てか大丈夫?」

「うん、全然大丈夫。」

「んじゃいくか」

少し崩れた状態の制服をあたしは直して

保健室を出た。結局保健室に保健の先生は一度もこなかったわけだ。

ここの学園やる気なさすぎだろ・・・

「保健の先生、まったくこなかったな?」

「あぁ。最近は教頭と仲良くカフェでお茶しながら

おしゃべりだとよ。暇人にもほどがあるよなー」

「つか・・・暇人じゃなくてサボってんだろ」

「まぁそうだけど」


あ・・・・今気づいたけど・・・

圭吾と、普通にしゃべれてるー・・・よな?

ギクシャクしてないじゃんっ

やったっなんかわかんねぇけどやったっ

「どうした?急にニコニコして。き・・・気持ちが入りすぎたか?」

「・・・日本語の意味がわからないけど、ちょっと嬉しいことを思い出してな」

「なに?思い出し笑い?」

「んな気持ち悪い事するかよ」

「まぁ、音々だしな」

「どういうことだよ」

「・・・気にすんな」


あっれー・・・?

待てよ・・・?

次はあたしが・・・

ちょっと、なんか・・・

避けられてるー・・・のかー・・・?

「音々ー?」

「あ?あぁ、ごめんごめん」




日は淡々とすぎて、もう旅行日当日、12月24日クリスマス・イヴ。

「それじゃ、行って来ます」

「いってらっしゃい、楽しんでらっしゃいね」

「姉ちゃん、気をつけてな・・・?」

相変わらずるかはあたしの事を心配していた。

こうなるとるかはこう・・・ただただ可愛くみえるんだよな。

当日でも圭吾とは出る時間が一緒・・・だけど

今日は一つ違った。

「圭吾・・・おは、よ・・・?」

あたしが戸惑った理由、それは

圭吾の、私服姿。

旅行期間は私服で良い言うことで私服なんだけど

圭吾の私服はその・・・全然見慣れない。

というか実は初めてだったりする。

圭吾は大抵制服でいることが多い。

理由は簡単、着替えるのが面倒くさいからだと。

まぁといってもあたしも圭吾のまえの私服は初めてなんだけどなー・・・

「お、おはよ、圭吾」

「おはよ、音々」

「いくーかぁ・・・?」

「だなー」


正直言って今あたしの私服で

圭吾と歩いてる事がイヤだ。

理由?あぁ・・・

お母さんに無理やり買わされたいつもと全然違う服と

いつもはおろしてる髪をツインテールに結ばれて

おまけに旅行バックの中の私服モロモロをすべてお母さん好みに

詰め替えられて、それに気がついたのは出かける3分前。

新手のいじめといっても過言じゃぁない。

「なぁ音々」

「ん?なに?」

「・・・今日はツインテールなんだな」

「こ、ここここれはお母さんが勝手にやって!!

この服もお母さんが勝手に・・・!」

「あぁ、はいはい(笑)わかってるって。てかそんな動揺しなくてもいいだろ?

べ、べつに似合ってるし・・・髪も服も・・・」

「そ、そっかぁ・・・?なら、よかった・・・!」

圭吾に褒めてもらえてあたしはちょっとテンションが上がった。


学校に着くともうほとんどの生徒がいて

着てないのはサボり魔軍団。

「皆はやいなぁ」

「だなー」

というよりか・・・


あたしはそれより、この格好の羞恥から

解放されたいんだけどーっっっ!!!


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