*第15話*
・・・実に気まずい。
気まずいのはあたしだけであって
圭吾に関係はない。
それに今圭吾はあたしに旅行の事を
説明している。
結局あたし一人が勝手にギクシャクしているという。
なんて恥ずかしい、恥知らず!自分・・・。
「音々?聞いてる?」
「え?あ・・・ごめん、もっかいお願い」
「・・・・」
やべ・・・怒らしたか・・・?
いや・・・そりゃ怒るよなぁ・・・
一生懸命圭吾なんかがあたしに説明してくれてるわけだ・・・
なんて失礼な、あたし。いろんな意味で。
帰ったらりょーにギクシャクしない方法聞いてみよかな。
じゃないと生きてられないわ、まじで。
「音々・・・お前・・・」
「あ、いや・・・」
「まだ調子悪いだろ?!」
「は・・・?」
「飲み物は俺が買ってきてやるから保健室行け!」
「い、いや、だいじょ・・・」
「大丈夫じゃないだろーっ!?病人は
寝るのが常識だ!」
そう圭吾にかなり言われて無理やり
手を引っ張られて保健室につっ込まれた。
「ほら、横になって」
「あ・・・うん・・・」
「そんじゃ、飲み物買ってくるわ!」
圭吾はすぐに保健室を出て行った。
と、言ってもまた帰って来るんだが。
「はぁ・・・・ギクシャクってどう直すんだぁ・・・?」
わからなさ過ぎる。
初恋・・・ってのは甘酸っぱくて幸せと聞いた事あるけど
今、このあたしの状況は甘酸っぱいんじゃなくてすっぱいだけだろ。
とにかく、あたしがギクシャクしている理由は
①初恋だから
②何時間か前まで幼馴染だったから
③・・・?
ちょ・・・?
2個かよ!なんだよー・・・
まぁまず問題は初恋だけど・・・
コレかえるのは無理だろ。誰かタイムマシンでも持って来いよッ
って・・・あたしは何言ってんだ・・・
はぁ・・・
「飲み物、かって来たぞ!お茶でよかったか?」
「あ、うん___ああありがと」
あたし何回「あ」いったんだぁぁぁぁ!!!!
ヤバイっ本気でヤバイっ
ギクシャクしすぎだろ!
あたしマジで乙だァァ!!!
「音々・・・」
「はいっ?!」
敬語?!
「お前どんだけ「あ」言うんだよ。相変わらず面白いな」
「・・・だ、だろー・・・?」
圭吾がバカでよかった。
こいつが頭のキレルのなら・・・!
あぁ、考えただけで怖い。
ん・・・?怖い・・・?
何、が・・・?
「音々ー?お前ホンと大丈夫か?」
「え?あぁ、うん。少し寝れば大丈夫だろ。心配かけてごめん」
「いいってことよー♪んじゃ、俺は音々が寝付くまでいるとするか!」
「いや教室もどれよ」
「えー、授業だーりー」
「ま・・・せいぜいさっさと眠る事にするよ」
あれ・・・?今度は普通に話せた・・・?
なのに、怖い・・・?
どうゆう意味かさっぱりわからない。
怖いけど普通に話せて・・・?
あーあ!わっかんねー・・・
―keigo-
音々が寝息を立て始めたのはついさっき。
俺は一つため息を付く。
「はぁ・・・・」
俺、どうしてもさっきから気になってるんだけどさ
・・・音々が俺を見て動揺してるんだが・・・
「俺なんかしたっけー・・・・?」
班決め・・・・?
いやでも俺なんもしてねぇしなー
んじゃぁなに?
って、別になんでもいいか。
いやでも気になるか・・・
「あーっ!くっそーっっ!」
さすがに好きな人にこういう態度を取られてしまうと
結構か傷になる。言い忘れてたが
俺はチビの頃から音々の恋心抱いてる。
偽りのカレカノをおkしてくれたときには
俺は驚きと同時に喜びが溢れてきた。
さて、俺が音々に言った言葉を振り返ってみよう。
①旅行班(音々ー黒板かいてきてーなど)
②なんか適当な小言
③旅行部屋割り・・・
ん・・・・・?
部屋割りぃ・・・?
そういえば・・・
「音々を女として見る奴がいないんじゃね?」
・・・・
これかぁぁぁ!!!
俺さいっていだな?!
自分で言うのもなんだけど
何を言う?!俺?!
はぁ・・・・
この地上に生まれて恋、初恋は
ぐだぐだに続きそうで。
-keigo-




