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*第13話*

「音々はさ、圭吾が音々を女としてみてる奴

なんか居ないって言葉にぐさっときたんだよな?」

「あ、あぁ・・・多分、な」

「じゃ、それは何でだと思う?」

「んー・・・・それがわからん」

「・・・・お前・・・大人の国語辞典で『恋』って引いた事・・・ないよな。」

「引くわけないだろ。」

「ま・・・単刀直入に言うけど。音々は圭吾に『恋』をしてるんだ。

恋の意味は、わかるな?」

「・・・・・・あぁ」


この御時世、恋をしたことない、なんて奴いないのだろう。

だけど、あたしは恋というものを知らない。

感覚さえも知らないほどの時代遅れ。


「恋って意味、辞典で引きたいならそこにあるけど」

「・・・意味、は、知ってる。コレでも女子・・・だけど

あたしが圭吾に・・・か・・・」

「ギクシャクしそう?」

「さぁ・・・な」

「しそうなら今すぐ音々の頭を鈍器で殴って

記憶消してやる事もできるけど?」

「ははっ・・・大胆に殺人予告するなよ」

「ギクシャクしないって約束するなら未遂で終わってやる」

「・・・わぁったよ。ギクシャクしない。あたしと圭吾は友達・・・って

え・・・?待って・・?ちょっと待って?な・・・え?!」

りょ、りょーは、あたし達が付き合ってるのが嘘って

知ってたのか!??!

じゃないとこんな事いえないよな?!

「くっ・・・今気づいたのか?おっそいな」

「なっ・・・!」

「残念ながら俺は二人のやり取り聞いてたから。」

「どこで?!」

「掃除道具の中。」

「なんで?!」

「いや、圭吾がさ女つれて教室はいってきたから

急いで隠れたんだよ。そしたら、カクカクシカジカ___」

りょーはすべてを知っていた。

すべてを知っていた上で何も言わなかったらしいし

こうゆうこともしてくれたらしい。

「そういうことだったのか・・・」

「どうする?班、変えてもらうか?」

「・・・ううん、別にいいよ。ギクシャクしちゃだめだろ」

「・・・だな。そんじゃ、この1時間寝とけ。あんまり早く戻ると

怪しまれるほかないからな。俺はもう少し保健室にいる」

「授業、いいのか?」

「授業っつってもうるさいだけだろ、眠れない」

「寝るなよ」

「眠いものは眠いんだよ」

そういうとまた椅子を転がして

最初の机の前の場所に戻した。

りょーはまたそこに座って

今度は机に伏せてすぐ、スヤスヤとリズムのいい

寝息が聞こえてきた。

「・・・はえ・・・」

そんな事を思っていると知らない間にあたしも眠くなって

いつのまにか眠っていた。

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