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*第12話*

「っ・・・」

「音々?」

「あ、いや、なんでもない」

「そう?あぁほら、もう決まってる奴でてきたぞ」

「あ、おい!勝手に黒板に書くな!アホ!」

勝手に黒板に班を書く男子をあたしは止めて

一班ずつ聞いていった。

クラスは20人。班は全部で4班。


さて、次は部屋割り。

まぁ・・・部屋割りなんてどうでもいいんだけどね。

「おーちゃん、部屋割りの紙は?」

「あぁ、これこれ。あ、そうそう。この部屋割りで行くとってか

どの部屋割りで言っても音々は男子と同じ部屋になるんだが・・・」

「別にいいですけど。」

何か、問題でも?

「え?!いいのか!?」

「別に・・・?え?なにか都合悪いのか?」

「あ・・・いや・・・」

おーちゃんの戸惑いをあたしは無視して

部屋割りを見た。一クラス4部屋。

どのクラスの班は4班までだしな。

「んじゃー・・・部屋割り、自分たちで決めたいか?」

『べつにーどっちでもー』

「んじゃ・・・」

「いいやっ!お前ら!ちょっとまて!」

あたしの言葉をさえぎって一人の男子が割り込んできた。

「んだよ、変人」

「なっ!俺は変人じゃなくてルー様だ!」

「だまれ、変人変態オオカミ。滅びれ」

そういうと変人はにこっと笑って

「男は皆オオカミさ」

とかいって前に出てきた。

「ちょ。部屋割り・・・」

「それに対して意見だ!お前ら!わかってるのか!

このクラスは!女子が!一人しかいないんだぞ!

てことは!だ!わかる!だろ!?」

『ー・・・・え?』

見事にそろった。

るー意外見事にそろったな。

あ、ちなみにるーってのは

このクラスで一番の変人変態の

一之瀬瑠歌いちのせるか

これ以上の説明は無なんで略な。

「いや、え?じゃなくて。男はみんなオオカミなんだぜ?

ほら、みろ!ここに口は悪いが美少女がいるじゃないか!

この女子と一緒になりたいとは思わないのか!」

『あぁ・・・・。あぁ・・・?』

話かみ合ってないよな。てか・・・

「誰が美少女なんだよ」

『音々しかいねぇだろ。このクラスじゃ』

あまりにもそろう声たちにあたしはドン引き。

「はぁ・・・?お前らの目、大丈夫?」

「まぁお前が理解してなくても別にいいんだ。

どうだ!みんな!コレで意見は変わっただろう!」

『なにが変わるんだよ』

そりゃそうだよ。なにがかわるんだよ。

「正味さー・・・」

・・・え・・・・?

あたしは圭吾の何気ない言葉に

あたしの胸になにかが刺さる。


「正味さー、音々を女として見る奴がいないんじゃね?」

『女として見る奴がいないんじゃね?』・・・。

なんだろうか、この胸の痛みは。

あたし、なにか病気持ってたのかな。

あれ・・・・

「おい?音々?」

「あ・・・なに?」

「部屋割りのことだけど!」

「あ・・・じゃぁ・・・各班ごと・・・で、いい・・・よな・・・。」

「結局俺は無視か・・・!」

とかなんとか言いながら戻っていくるーの声にも反応できず

ただただあたしの胸は痛みを感じて

どうしてか聞きたくても

聞く相手は、いなくて・・・


「おい、音々?お前調子悪いのか?」

おーちゃんの声に反応してあたしは我に返る。

「あ、いや・・・」

「でも顔色悪いぞ?無理せず保健室いってこい。ほら、誰かつれてってやれ」

「あー、俺い・・・」

「俺行くよ。」

そう言ったのは、圭吾ではなく、りょーだった。

少し好都合だと思う自分が

なにかわらない、というか・・・わかりたくない。


廊下出て少し歩いたところでりょーはあたしに話しかけてきた。

「圭吾のあれ、気にしたんだろ」

「・・・多分・・・な」

「音々にしては珍しいな」

「だな・・・。あたしにもなんでかさっぱりだよ・・・」

「音々は意外と鈍いな」

「は・・・?あたし体育これまでずっと5A評価だけど・・・?」

「はぁ。そういうことじゃない。」

「え?じゃぁなにさ」

「保健室、着いた」

「あ・・・」

別にしんどいわけじゃない。

だけど、精神的に、というのかなんと言うのか

しんどいのかもしれない。


保健室に入ると、案の定保健の先生はいない。

保健の先生は多分教頭先生とおしゃべりでもしているのだろう。

「病人は横になるように」

そうりょーに言われてあたしはベットに横になる。

りょーは保健の先生愛用の椅子をころころと転がしてきて

あたしのベットの隣に座る。

「さっきの鈍いって意味、教えてよ」

「気になってた?」

「あたりまえだろ。」

「んー・・・まぁ、いい。でも、コレ聞いて

圭吾と音々がギクシャクするのを俺は見てられない。

だからいつも通りな。」

「・・・わかった。」

あたしはこれから何を言われる?

圭吾とギクシャクしてしまう事って・・・

何・・・・?

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