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*第11話*

「それ、ほんと?」

一人の男子がキョトンとしながら聞いた。

「あぁ、本当だ!場所は東京!3泊4日の最高の旅行だ!

もちろん、旅行費は集金から取るぞ」

「東京?!すっげぇぇぇっっっ!!!」

男子が声を挙げた。

あたしも内心かなり興奮した。

「1時間目は数学から変更して、旅行班の班決めをするぞ!」

『おっしゃぁぁぁぁぁ!!!!!』

このおっしゃぁはまぁ・・・多分

数学なくなったのおっしゃーだろうな・・・

「んじゃ、後は学代頼むぞ」

「うぃーっす・・・」

「はいはい・・・」

学代はあたし。

なぜならこのクラスで女子はあたし一人だけなわけで。

ほかの女子はお堅い頭をしてらっしゃるらしいんだけどさ

あたしはどうもバカなもんで。


「そんじゃ、東京の班決めすんぞー。えーっと?どう決めればいい?」

「とりあえず好きな奴と・・・」

「いやいや!!・・・」

ワァワァワァと男子たちの鳴き声にあたしはイラッとする。

高校生にもなってここまでワァワァするか、普通。

「意見があるなら挙手」

「挙手って何?」

「てめぇ殺されたいのか」

「すんません。」

「んで、意見ある?」


班は好きな人同士ということになり

5人組みで班をつくることに。

さぁて、あたしはどことなろうか・・・

「とりあえず・・・圭吾ー」

「やっぱ音々とだな」

「あ・・・圭吾、出ても大丈夫なのか?」

「あぁ、もう大丈夫。昨日もいったろ?」

「なら・・・いいけど・・・」

圭吾が事故にあってから

あたしは圭吾が郊外に出るのを怖がっていた。

また事故にあってほしくない、それだけで

怖いなんてあたしこそお子ちゃまだよな・・・。

「ほか、誰にする?」

「んー・・・害のなさそうな裕真とか英斗とかでいいんじゃね?」

「だなー。たーちゃんーえいこー」

「ん?なに?」

「いい加減えいこーって呼ぶなよ」

「ごめんごめん。お前ら誰かとなった?」

「なってないよ。俺ら二人だけ」

「んじゃ俺らとなろうぜ」

「ん、OK」

「うぃーっす」

コレで4人。

滝口裕真たきぐちゆうま、通称たーちゃんと

田口英斗たぐちえいと、通称えいこーは

このクラスでもそこまで目立った存在でもなく

それであたし達とは仲のいい存在だった。

まぁこのクラス全体的に仲いいんだけどさ。

「あと一人、どうすんだ?」

「んー・・・あたしは誰でもいいよ」

「えいこー誰がいい?」

「んー・・・りょーとかでいいんじゃね?」

「のこってっか?」

「のこってんだろ。りょー、のこってるかぁ?」

「ふぁぁ・・・なに・・・?」

眠そうな顔でこっちに来るのは

瀬戸涼汰せとりょうた、通称りょー。

圭吾みたいにアホじゃないけどDクラスにいて

でも毎日居眠りしてる、世間一般的にはよくわからん奴。

まぁ唯一あたし達の仲を知ってる奴。

さっき言ってた一人を除いての一人。

幼馴染ってわけじゃないけど小学生の頃に知り合って

圭吾が事故に遭った事も知ってる奴なのだ。

「班、りょー決まった?」

「別に」

「んじゃなろーぜ」

「けい、お前もう大丈夫なのか?」

りょーも一緒の心配をしていた。

知ってれば誰でも心配する事だけどな・・・

「さっき音々にも言ってたけど大丈夫だよ。」

「そう、ならいいけど。」

「おし、じゃぁりょーも班な。はいけってぇい!

音々ー黒板に書いてきてー」

「自分で行けよ」

「どーせ前にいくだろっ」

いたずらに笑って圭吾は自分の席に戻っていく。

その笑顔にドキッとしたのは・・・あたし。

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