終焉の始まり
―ザザ ―ザ《誰か生存者は居ないか?・・・繰り返す、誰か生存者は居ないか?》
《……。》
「クソッ、誰も応答しない……どうなってるんだ……」
俺たちは、現在生存者を捜索し携帯無線機へ生存者の応答が無いか注意しながら自らの職場へと向かっていた。
その時隣に居た秀夫がハンドサインで敵を確認と指示してきたので双眼鏡で周辺を確認すると(奴ら)が見えた。
双眼鏡に内蔵されているレーザー距離計は数値が安定しなく故障してしまったようだ。
400mほど離れてはいるが出来るだけ交戦はしたくないので迂回していこうと秀夫にハンドサインを送った。
― 数分後 ―
「誰か職場に生存者が残っていると思うか?」
その問いに秀夫が答えた。「おい、そんなことを聞いて全滅していたらどうするんだw」
「まぁその時はその時だろう相棒。」 (無線に応答しない時点でおかしい)と内心思いつつも二人は市街地を前進していった。
― 約2日前中国のとある軍事施設にて…… ―
10:00
軍事施設内に一台の四輪駆動車で入って行った。
軍事施設内の研究所内の一室で白衣を着た研究員達と人民解放軍の将校達(と言っても内密に進めていた計画の為2人しか居ない)が集まり、そこは一室は階級章を無駄に多く付けた将校の煙草の煙で息苦しい状態だったが研究員達は何とか耐えた。
「強化兵プロジェクトの進行状況はどうだ?」
「順調に進行しています。指示のあった通り西側諸国の使用している5.56×45mmn弾程度では痛みを感じないレベルまでは順調にいっておりますが……しかし……」
「どうしたのだね?」
「それが……動物実験ではこの薬を使用した個体は各神経全般が衰退してしまい……」
「いつまでそんな言い訳を続ける気だ!!」
そういうと将校は腰に取り付けた革製のホルスターからQSZ-92を抜くと研究員に向かってこう吠えた。
「私がどれだけのリスクを冒してまで国家の為にこの計画を進めてきたと思っている?」国の為と言ってはいるが実際は自分の昇進の事しか考えていない。そして上層部の許可は得ていない。
「ぷ、プロジェクトはあと二年で完成しま「何だと貴様まだ二年もかかるというのか!?」そういうと将校は研究員のすれすれの位置に発砲した……
「わ、私が死んだら誰が研究を引き継ぐんだ?」
「安心しろ、お前ら研究員の代わりなんかいくらでも居る。」研究員は死の恐怖と激しい怒りを覚えた。(覚えていろ絶対にこんな施設から居なくなってやる)
「中佐、会議の時間が迫っております」将校は中佐だったようだ。
「分かった。後でこの件について(研究員を睨み付けながら)ゆっくり話そうじゃないか」
研究員達が敬礼をして将校たちは引き上げていった。
(この薬の開発に成功すれば苦痛を全く感じず指示にのみ従う優秀な兵士が作れる……これをブラックマーケットに流せば……)この男も自分の利益しか考えていない。
プレゼンテーションが終了して研究員達は自分たちの部署へ引き返して行った。
(今夜ついにあの計画を実行に移すか……)
― 同研究所にて ―
23:30
研究所内であの男自分の研究室から薬の入ったアンプルを盗み闇へと消えていった。
― 翌朝 研究所内にて ―
08:30
研究所内に昨日の将校たちが顔色を変えて飛び込んで来た。
「何があった!?」そういって近くに居た衛兵に詰め寄った。
「そ、それが……主任があのサンプルを持ち出して逃走したようなんですが……」
「何だと!? 今すぐに奴を捕えるんだ!!」
「りょ、了解! 今すぐに包囲網を敷きます。」
― 同時刻 北京首都国際空港にて ―
(アメリカ国内に潜伏しているテロリストどもにこれをうまく売りつけることが出来れば俺は一気に大金持ちでこんな国ともおさらばだ!)
アナウンス 「間もなくアメリカニューヨーク行きの便が出発します。まだ搭乗以内方はされていないお客様は搭乗ゲートへ速やかにお越しください」
"New York flights to depart soon. If you have not boarded yet you are not, please come to the gate immediately."
研究員は無事にアメリカ行きの便に搭乗し旅客機は高度約1万3000mの地点を飛行し13時間20分のフライトを終えると思い眠りについた。
その際に薬の入ったアンプルが割れてしまったことにも気づかずに……
その直後、濃度の濃い状態の原液を吸引した研究員は何もわからないまま永遠の眠りについた。
― 2時間後 ―
旅客機内の生物に異変が起こりだした。
一番最初に起こった異変は、研究員のそばに居た乗務員だった。
突然の眩暈と共に意識を失い、周りの乗客達は、貧血かと思った。
だが実際には、それに加え各種神経器官の急速な低下が起こり(奴ら)になった。
乗務員はすぐそばにいた医者の男の首元に咬み付きその男は絶命した。
そしてその男は何事も無かったかのように立ち上がると噛み付いてきた乗務員と共にと他の乗客の方へと向かっていき機内は2分もかからずパニック状態へと陥った。
― そして数分後 ―
旅客機内に生存していると呼べる存在は誰も居なくなった。
機体を操縦するべき機長達もだ……
そして機体は日本の首都東京近郊へと墜落していった。