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Side アメリカ合衆国

上層部の話は短くなる傾向がある……

― アメリカ合衆国 国防総省ペンタゴン ―

11/29 15:00


会議室のプロジェクターの前に、国防総省(Department of Defense 略称:DoD)・国土安全保障省(Department of Homeland Security 略称:DHS)の職員が集まりこれから始まる重要な会議で話す内容について議論をしていた。


職員たちが座っている椅子の後ろから最先端の生体認識システムによるドアロックの解除音とともに、国防長官とアメリカ合衆国大統領が入室してきて日本との安全保障に関する会議が始まった。


DoD職員  「日本政府による非常事態宣言発令の後、約13分で日本政府との交信が途絶えました。 首都東京の政治中枢機能の麻痺が原因とみられる通信障害で沖縄に駐屯している部隊以外との連絡が全くとれない状況にあります。 更に……」続きを大統領にその職員が話そうとしたときに、DHS職員が続きを話し出した。


DHS職員  「え~日本国内で起きているこの混乱の原因は中国の人民解放軍が開発していた薬品が原因と見られます。 この薬品はどちらかというと生物兵器としての側面が強く本来の目的である強化兵……を作り出す為のものとは大きく異なってきています。 我々が得た情報によると、本来であればこの薬品を製作した研究者が我が国に渡航してきてテロ組織に販売しようとしていたことが分かっています。 但しこの研究員が売ろうとしていたテロ組織は我々が使用している架空のテロ組織でしたのでその点は、安心してください」


大統領  「その薬品についての他の情報は?」


大統領のその発言とともに会議室内の空気が一気に重いものに変質した。


DoD職員  「スクリーンを見てください」


スクリーンに映し出されていたのは、偵察衛星からの赤外線画像とどこかの店の監視カメラの映像だった。


大統領  「なんだねこれは?」

DHS職員  「そのまま監視カメラの映像を見ていてください。 入手するの大変だったんですから」




スクリーンに映し出されている監視カメラの映像



一組の男女が、カメラの前を走って過ぎ去っていきその直後に、虚ろな瞳で夢遊病患者のようにふらつきながら進んでいく感染者の大群が映し出されそれと同時に監視カメラにアクセスしていたのかカメラが旋回し始め男女がしっかりと写る角度に修正された。


男性の方が、すぐそばの工事現場で入手したと見られる鉄パイプで感染者に殴りかかったが3体倒した直後に首に噛み付かれ絶命した。

それを見ていた女性は、ショックで呆然としていて正常な判断ができない状態で、恋人だったと見られる男が『感染』して立ち上がったのを見て思わず駆け寄った。


そして恋人だった男に首元を噛み付かれ絶望しながら死んでいった。




長い沈黙の後に大統領が「……これが、これがあの薬品の効果なのか……」と呟いた。



大統領  「……他に生存者は誰かいるのか?」

DoD職員  「赤外線映像で確認したところ、東京は感染者達の町となっていてどんどん勢力圏を拡大しています。 ……ん? !映像のここを見てください!!」


職員が指を指した箇所には、驚くほど短時間で構築された防衛陣地が築かれていた。


大統領  「生存者が残っているのかもしれない! 今すぐ海兵隊を派遣するんだ!」

国防長官 「許容しかねます! あの状態のところに部下達を派遣するなど危険すぎます!!」



大統領  「……では、各地にいるアメリカ国民はどうなる? それと国に『内外のあらゆる敵を倒す』と誓いを立て国に貢献してきた者達は!?」

国防長官 「……」


アメリカ合衆国大統領の指令を受けたことによりアメリカ合衆国海兵隊は沖縄の駐屯地から移動を開始した。


多大な犠牲が出た激戦の引き金になるとは思いもよらずに……

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