友人と焼肉屋で食っているが店員の視線が妙に痛いんだが?
俺
「なあ、カズヤ」
友
「なんだ、ユウサク」
俺
「非常に気になる事があるのだが?」
友
「遠慮なく話せ。俺とお前の仲じゃないか」
俺
「なんやかんやで、小学生時代からの付き合いだしな」
友
「んな俺らも今や大学生。時の流れは早いね~」
俺
「まあな。こうして自分の金で飯食う年齢になったわけだ」
友
「まあ、今日は俺の誘いで、俺のおごりだがな」
俺
「そう、それだ。今、俺は焼き肉を食べている。お前のおごりで」
友
「そうだな」
俺
「個室席で、オーダーバイキング方式の焼肉屋だ」
友
「結構いい店だろ?」
俺
「それは認める。人気店だし、この混み合う時間で良く予約取れたな」
友
「前々から計画していたからな。抜かりはない」
俺
「計画? 俺と飯食うだけで、何の計画だよ」
友
「そりゃ一大イベントだからな」
俺
「訳が分からんぞ。飯くらい、いつも普通に同席してるじゃねえか」
友
「焼肉だぞ? それも割と良さげの」
俺
「まあ、飲み放題付きで1人7500円。学生にはちとキツめだな」
友
「だろ? しかし、今日はおごりだ。遠慮なしに食え」
俺
「それがおかしい。と言うか、“店員の視線”がおかしい」
友
「そうか?」
俺
「なんかさ、ドリンクや皿を持ってくる時の店員の視線が、奇異の視線なんだが?」
友
「まあ、ジロジロ見られている風には感じるな」
俺
「だろ!? 野郎二人の食事がそんなに珍しいか?」
友
「カップルだと思われているんだろう」
俺
「おいバカやめろ。妙な事を口走るな」
友
「いやだって、予約の際に利用目的を『デート♡』て書き込んだから」
俺
「てめぇのせいじゃねえか! ふざくんな!」
友
「頑張って告白したのに〜」
俺
「バカタレ! こういうのは告白じゃなくて、白状って言うんだ!」
友
「奥ゆかしいホモは、こうやって観測気球を飛ばすんだぞ♪」
俺
「酔ってんのか!? それのどこに奥ゆかしさがある!?」
友
「言葉に出さずに、さり気ない行動で相手に想いを伝える。奥ゆかしいな」
俺
「俺、帰るわ」
友
「待つんだ! 一緒にラブホに行った仲じゃないか!」
俺
「嘘ではないが、店内で叫ぶな!」
友
「だが、事実なのは間違いなかろう?」
俺
「事実であっても口を噤め! 店員さん、腹抱えて悶絶しているじゃないか!」
友
「妄想が滾っているようだな。訓練された熟練の貴腐人と見た!」
俺
「あ~、すんません、店員のお姉さん、マジですんません」
友
「おそらく『焼肉で体力付けた後、どこへ向かうのか!?』とでも」
俺
「おいバカやめろ。いや、本気のマジで!」
友
「店員よ、存分に妄想してくれ、我々の未来を! 赴く先を!」
俺
「何をだ!?」
友
「実際、前回のラブホにおいても、受け攻め入り乱れてのプレイであったからな!」
俺
「備え付けのゲーム機で、ひたすら『●よぷよ』やってただけじゃねえか!」
友
「エアコンの修理で、部屋にいづらくなったからな」
俺
「取りあえずの避難場所として、エアコン効いてて暇潰せそうな場所をだな」
友
「ふむ、つまり『●よぷよ』ではなく、『●フパフ』の方が良かったと?」
俺
「男の胸板で出来るか! 想像しただけで焼き肉フルリバースしそうだわ!」
友
「店を汚すな、愚か者。と言うか、お前、ノンケか!?」
俺
「ったりめ~だ! この世にゃ男と女の組み合わせしかいねえ!」
友
「このご時世に、多様性を否定するか」
俺
「多様性を否定する多様性も許容して欲しいものだな」
友
「俺も許容して♪」
俺
「断固として断る!」
友
「慰めて欲しいの♡」
俺
「今からビールを口に含む。そして、全力でお前に噴射する」
友
「ユウサクが、つ~め~た~い~」
俺
「冷たいのは外の空気だ。からっ風に当たって、頭を冷やせ」
友
「頭冷やせば、彼女の事、忘れられっかな?」
俺
「……そっか、お前、フラれたのか」
友
「せっかく、いい店予約しといたのにな」
俺
「そういうのこそ、先に言え、バカタレ」
友
「そうだな」
俺
「店員~、生中2つ追加で! あと、網交換と、タン塩も!」
友
「ヤケ酒に付き合ってくれて悪いな」
俺
「ヤケ酒は構わんが、悪ふざけは程々にな」
友
「なんもかんも忘れてしまいたい」
俺
「飲め、そして、寝ろ。そうすれば、次の朝がやって来る」
友
「朝まで慰めて~♡」
俺
「よし、酔い潰した後、そこの川に放流するわ」
友
「やめて。この時期の寒中水泳とか、マジで死ぬから!」
俺
「一度死んだ方が、却ってまともになるかもな」
友
「バカは死んでも治らないぞ♪」
俺
「なら、バカはバカやって生きろ。ほい、酒だ、酒!」
友
「おう、バカはバカらしく、生きようじゃないか!」
俺&友
「カンパ~イ!」
~ 終 ~
勢いで書いた作品です。
てか、人生初のBLものか?
いや、この程度をBLと言ってよいものかどうか。
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ヾ(*´∀`*)ノ