報告
大変おまたせしました!
それでは今回もお楽しみください
村へ帰ってきた俺は、まずギルドへ報告へ向かった。
「あら、今日は遅かったじゃない…って!あんたその腕どうしたの!」
「ただいま、サラ。大した傷じゃないから大丈夫だよ。血も止まっているし…」
「大丈夫な訳ないでしょ!!早く治療するからこっちきなさい!!」
傷の事なんてすっかり忘れていたなんて言い出せない雰囲気になってしまったので、報告の前に腕の傷を診てもらうことにした。
この前と同じ、治療院の1室へ連れてこられた俺はサラの回復魔法で治療を受けた。
「はい。これで包帯巻いてれば2.3日で治ると思うわ。」
「助かるよ。ありがとう。ちなみに、お金は…」
「そんなのいいわよ。それよりも!あんた、また無茶したでしょ。ていうか、こんな傷普通の獲物に受けた傷じゃないでしょ。」
「…よくわかったな。流石、回復魔法の使い手だな。」
「で、何にこんな傷付けられたのよ。」
「そこも含めて師匠に報告がしたいんだが…」
「分かったわ。今から呼んでくるから大人しくしてるのよ。」
そういうと、サラは師匠を呼びに行ってしまった。
「…このくらいの傷なら、俺が行くのに。」
しばらく待っていると、扉をノックされた。
「はーい。」
「おまたせ。クロウ、ギルマス連れてきたわよ。」
そう言いながら、サラと師匠が部屋に入ってくる。
「クロウ、お疲れだな。で、俺に報告ってのは何だ?」
「師匠。実は…」
俺は、森で遭遇したゴブリンの事を報告した。
「森の浅い場所でゴブリンか。それも3匹…」
「あんた、普通は逃げて帰ってくるべきでしょ!」
「流石に気づかれた状態で村まで帰るのはリスクが高すぎるだろ。それに、なんとかなったんだし…」
「クロウ、サラの言う通りだぞ。お前ならゴブリン程度森の中で撒いてから村へ帰ってこれたはずだ。」
師匠に言われた事ではっとした。
「確かに。冷静じゃなかったかもしれません。」
「まぁ、今回はこうして軽い傷で帰ってこれたんだから良いとして、次からは冷静に判断するんだぞ。」
「はい。すいません、師匠。サラもすまん。」
「全く。軽い傷と言っても回復魔法じゃなかったら1月は安静にしてなきゃいけない傷なんだからね!」
「ほんとすまん。」
「…それに私も心配するんだし。」
「…すいませんでした。」
「よし、ゴブリンの事は俺の方で原因を探ってみる。クロウは傷が治るまでは大人しくしとけよ。」
「わかりました。また、何か分かったら教えてください。」
「分かった分かった。」
「じゃ、私とお父さんは仕事に戻るわ。もう少し、落ち着いたら受付に来てね。素材の買い取りも有るだろうし。」
「あぁ、ありがとう。また後で。」
そう言うと、サラと師匠は部屋から出ていった。
1人になると、改めてさっきの情景が目に浮かぶ。
(本当に、運が良かったな。でも…)
左腕の痛みを感じながら、運が良かったことに感謝し、それでも自分の力不足に歯がゆい思いをした。
傷の痛みもある程度落ち着いたので、俺はサラの所へ行くことにした。
「あら、もう痛みは大丈夫なの?」
「あぁ、このくらいなら動いても気にならないから。素材の買い取りをお願いしに来たんだ。」
「はいはい。それで、素材はっと…」
俺はうさぎとゴブリンの魔石をカウンターへ置く。
「うさぎが3匹に、ゴブリンの魔石が3個ね…」
そういうと、サラの動きが止まる。
「…サラ?大丈夫か?」
「大丈夫よ。改めて、本当にゴブリンと戦ってきたんだと思って…」
そう言いながらこちらを見る目には、心配と不安が浮かんでいた。
「ほんとに、無茶してすまん。」
「…大丈夫よ。無事に帰ってきてくれたんだし。それじゃ、査定してくるわね。」
そういうと、サラは素材を持って奥へ消えていった。
(俺がサラを不安にしてちゃだめだよな。)
俺は、改めてそう思った。
しばらく待っていると、サラが奥から帰ってきた。
「おまたせ。今回の報酬よ。」
そうサラから渡された報酬はかなり多かった。
「20000リラって、かなり多いな。」
「ゴブリンの魔石が1個5000リラするからね。」
「それにしても多くないか?」
「ゴブリンの情報代も入ってるから、妥当だそうよ。…報酬がいいからって、調子に乗らないでよね。」
「乗らないよ。査定ありがとうな。今日はもう家で大人しくしてるよ。」
「そうして頂戴。それじゃあね。」
報酬を受け取った俺は、ギルドを後にした。
リアルが忙しすぎて遅くなりました…
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