日常2
今回は短いです。
闘技場につき、訓練の為の準備をしているとふと師匠が呟いた。
「さて、と。」
「どうかしました?」
「いや、そろそろその弓と剣買い換えた方がいいんじゃないかと思ってな。」
「まだ使えると思うんですがだめですか?」
「確かにまだ使えるがいざってときに使えないのは困るからな。早め早めが肝心だぜ?」
「そう言われるとそうですね。わかりました。訓練終わりにでも見に行ってみます。」
「そうしろそうしろ。なんならサラも誘って行くといい。目利きはいい方だからな。」
そういって師匠は自身の背丈程の大剣を構える。
訓練用とはいえその大きさに最初は驚かされたものだ。
そんなことを考えながら俺も訓練用の片手剣に手をかける。
「今日の訓練の目標は?」
「そうだなぁ…俺に一撃いれるまでってのでどうだ?」
「軽く言いますがそれでは日が暮れますよ。」
「ま、その辺は臨機応変にってことで。…いつでもこいよ。」
そう言った途端師匠の雰囲気が一変する。
一瞬でも気を抜けばその大剣で叩き切られるイメージが脳裏に浮かぶ。
これでも師匠はスキル持ちなのだ。
訓練とはいえ油断しようものなら目が覚めたら次の日なんてざらである。
「…いきます。」
そういって自身の全力を試す様に師匠へ駆ける。
「あぁ、こいっ!」
そんな俺を見て師匠は笑顔を浮かべた。
「…はぁっはぁっ」
既に訓練が始まって一時間は経っている。
俺は立っているのもやっとの状態なのに対して師匠はまだまだ余裕そうな表情を浮かべている。
「なかなかやるようになったが、まだ一撃は難しいか…」
そう呟くと師匠は一度構えをといた。
「…師匠?」
「なに、少し思うところがあってな。」
そういうと師匠から質問が飛んでくる。
「おまえはなんで俺に訓練を頼んだか覚えてるか?」
そう言われて思い浮かぶのは自分が5歳の誕生日である。