第2章53話:フリーパス試験2
試験官は笑う。
「ほう。俺の剣を防いだか。どうやら、少し君のことを見くびっていたようだな」
「……」
いや、というか。
試験官さんの攻撃、めちゃくちゃ軽い。
まあ、手加減してくれているんだろうな……とルミは思う。
―――――もちろん、試験官は結構本気であり、ルミが異常すぎるだけなのだが、彼女は自身を過小評価するクセがあるため、それに気づいていない。
「では本気でいかせてもらう! 破ァッ!!」
さっきより数段速く、重い斬撃を繰り出す試験官。
轟風をまとって剣を振りぬく。
だが。
「なっ―――――!?」
それすらも、軽々と木剣で受け止めるルミ。
これには試験官だけでなく、審査員たちも驚愕する。
「くっ!!」
つばぜり合いになる。
試験官は歯噛みした。
まさか、自分の全力の一撃をこうもあっさり止められるとは思わなかったのだ。
むしろ大学生相手に、ちょっとやりすぎかと思ったほどの攻撃だった。
いったい、緒方ルミとは何者なのか?
そう思った次の瞬間。
「じゃあ、次はこっちからいきますね」
「!?」
つばぜり合いの状態を軽々といなしたルミが、木剣をサッとすくいあげる。
下から斜めに切り上げる斬撃。
それが試験官を狙い打つ。
試験官は、これまで培った経験と直感で、かろうじてルミの攻撃に防御を間に合わせた。
しかし、体勢が整っていなかった。
不安定な防御では、ルミの斬撃を殺しきれない。




