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第2章52話：フリーパス試験1
金曜日。
晴れ。
昼。
大学にて。
ルミは【学生窓口】のある【職員棟】に向かう。
学生窓口は、大学職員が学生に関するさまざまな事項について手続きや事務処理を行ってくれる場所だ。
ルミはそこで、フリーパス試験の受験申請を行った。
結果、明日、土曜日に受験することが確定した。
受けるのは剣術試験だ。
頑張るぞ……！
翌日。
土曜日。
晴れ。
朝。
大学の【闘技場】。
大学には半径２００メートル程度の、巨大な円形闘技場がある。
そこでルミは、一人の男性試験官と向かい合って、立っていた。
お互い、木剣を持っている。
横には審査員となる５名の教員がいる。
試験官は言った。
「では、これよりフリーパス試験・剣術試験を行う」
「はい」
「試験内容は、俺と５回勝負して、１本でも取れたら合格。１本も取れなかったら不合格だ。シンプルで、わかりやすいだろ？」
「……？ １本でいいんですか？」
「はははは。こちらは１本も取らせる気はないぞ。俺は元Ｂランク探索者！ かつてはドラゴンウルフも狩ったことがある一流だ、簡単には負けん」
「はぁ」
「では審査員、試合開始の合図を頼む」
男性試験官が言うと、審査員の一人が手を挙げた。
静寂。
そして。
「では、はじめ！！」
審査員の声とともに、試験官が喝破した。
「まずは容赦なく、１本を取らせてもらう！」
次いで、地を蹴る。
修練のこもった踏み込みであり、そこから放たれる剣撃は、まさに高速の剛剣だった。
しかし。
「……！！？」
振るわれた剣は、ルミが軽々と受け止めていた。
