第2章47話:コトリ2
「壁を殴ったり、ドラゴンウルフの群れを単騎討伐したり……めちゃくちゃな配信者さんなんだけど」
私やん。
どこぞのルミちゃんねるという可能性もあったけど、それ私やん。完全に。
「私の最推しなんだぁ! 次に配信したときは、絶対投げ銭なげちゃうよ~!」
いや投げなくていいですよ!
それ私だもん! 自分のお金は大事にしてください!?
「ルミさんはルミさんのこと知ってる? あ、同じルミさんだから、ちょっとややこしいね」
「そ、そうですね」
「じゃあ、ルミちゃんって呼ぶね! 緒方さんのほうはルミちゃん。配信者のほうはルミさん」
それもわかりやすいとは言い難いが……
しかも別人じゃなくて、どっちのルミも自分だし……!
「で……ルミちゃんは、ルミさんの配信はもう視た?」
「あ、ん、うーん」
ルミは悩んだ。
視聴してないということにしたほうがいいのか。
あるいは、正直に視聴したというべきか。
結局、悩んだ末に後者でいくことにした。
「み、見ました……」
「そうなんだ! すごく凛々しくて格好良かったよね!!」
「あ、う……そう、ですね」
本当なら「全然そんなことありません」と言いたいけれど……
推しだ、と言っている人の前で、否定的な見解を述べるのはよくない。
しかしコトリの言葉を肯定するということは、ルミが自画自賛しているのと同じだ。
猛烈に恥ずかしく、ばつが悪い。
いったいどうしたらいいんだ……




