第2章38話:単位
「さてオリエンテーションを始める。席につきなさい」
教授が厳かな声で言った。
男性教授である。
オペラ歌手でもやってるのかと思うようなバリトンボイスだ。
大ホールにいた全員が席につく。
ほどなくして説明会が開始された。
「では講義についての説明を開始する。わかってると思うが、大学の講義は全て単位制だ。講義には二種類があり、それは、必修科目と選択科目である」
必修科目は絶対に履修しなければいけない講義。
選択科目は受けるかどうかを自由に選べる講義。
「ただし進級には年25単位が必要となる。下回ったら……留年だ」
留年。
それだけは絶対に避けねば……とルミは意気込む。
「学期は春学期と秋学期の二つに分けられる。それぞれに学期末試験がある」
つまり
春学期に1回、
秋学期に1回、
学期末試験があるわけだ。
「このほかに【フリーパス試験】というものがある。これは少し特殊でな。フリーパス試験に合格すれば、25単位が贈呈される。つまり、その年の講義は受けなくてもよくなるということだ」
大ホールがざわめいた。
進級には年25単位が必要だと教授は述べた。
その25単位を、たった1回の試験でゲットできるのだ。
「ただしフリーパス試験は難易度が高い。合格率は2パーセント以下だ。講義に出たくない者は、頑張って2パーセントの側に入ることだな」
教授が冗談めかして言うと、講義室に笑いが起こった。




