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第1章3話:配信開始

黒髪ポニーテール。


青のロングコート。


顔を隠す仮面。


右手に剣。


周囲を飛びまわる飛行カメラ。


これが、現在のルミの状態だ。




ルミは、ダンジョンの扉を開けた。


扉の先は、下へと続く階段である。


ルミはその階段を降り始めた。


階段をくだり終えると、迷宮のような石壁が現れた。


幅は20メートルほどもある広い通路だ。


天井も高く、10メートル近くはあるだろう。


そしてすぐ視界の先に三叉路がある。


どの方向に進もうか悩む。


……と。


ちょうどそのとき。


彼女の配信枠に、訪問者がやってきていた。


――――本来なら、底辺配信者の枠に人なんてやってこない。


ましてや休日の配信となると、あちこちで生配信が立つので、ますます底辺配信者は見向きもされない。


しかしグランチューブにはビギナー応援の制度があった。


新人配信者の初回配信に限り、グランチューブのトップページに配信枠を掲載してくれるのだ。


まあ、わずか1分ほどの短時間ではあるが……。


しかし、この掲載のおかげで、ルミの配信には7人ほどの視聴者がやってきていた。




『ども』


『こいつ配信ビギナーだよね?』


『視聴しにきました!名前はルミさん?……でいいですか?よろしくお願いします』




ルミの配信のコメント欄に、3つのコメントが並ぶ。


コメントを書くのが3人。


聞き専が4人であった。



しかし、ルミは視聴者が来たことに気づいていなかった。


――――実は、ルミは配信という文化について大きな誤解をしていた。


彼女は、録画した攻略動画をアップロードするのが「配信」であると思っていたのだ。


だから現在はあくまで録画の段階であり、視聴者がやってくるとは思っていなかった。




しかし、当然、現在ルミが行っているのは録画ではない。


生配信である。


ゆえに飛行カメラの映像はリアルタイムで視聴者に映される。


そのことを知らないルミは、コメントには反応せず、ただ探索を続けた。


「右に気配2つ。左に1つ。近いのは左でしょうか」


ルミは集中すると、独り言を口走ってしまうクセがある。


ぶつぶつと言いながら、左側から感じる気配に向かって歩き出した。




『なんかプロっぽいこと言ってる』


『主はコメ読まないタイプか』



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