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第6章165話:決着

チサトンが仁王立におうだちになる。


刀を天へとかかげる。


これが【絶花】の基本ポーズだ。


チサトンから鬼気迫ききせまるようなオーラがにじみだす。


「―――――――――」


チサトンからかつてない最強の斬撃が繰り出されることを、ルミは予想した。


ゆえに身構える。


(60%じゃ危ない?)


現在は全力の60%。


しかしチサトンから放たれる強烈な鬼気ききを考えるに、60%で迎え撃つのは危険だと察する。


ルミは、さらに本気を解放することを決意する。


そして。


「いくで!! 必殺剣ひっさつけん――――絶花!」


チサトンが宣言する。


次の瞬間。


チサトンの姿がかき消えた。


しかし、ルミには、かすかに見えていた。


まるで雷が飛んでくるような――――


超エネルギーの激流が、自分に向かって迫ってくることを。


間違いない。


この攻撃は、チサトンの全身全霊の奥義。


『次の一剣に全てを賭ける』と宣言したチサトンの、言葉通りの全力である。


瞬間的な爆発力に全てを乗せて迫ってくるチサトン、絶花。


ルミは剣を構え―――――


「――――――――ッ!!!!」


チサトンの【絶花】を迎え撃つ斬撃を放った。


チサトンの剣と、ルミの剣が、交差する。


爆発するような衝撃が炸裂した。


衝撃の圧力が波動のように広がり、ステージの床をひび割れさせていく。


斬撃と斬撃の衝突音は、大気が割れるような轟音を発生させている。


果たして。


勝ったのは――――


「か―――――はっ……!!」


転がるチサトン。


立ったままのルミ。


激突を制したのは、ルミであった。


「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……まったく、とんでもないな」


とチサトンが仰向けに倒れながら、つぶやいた。


「【絶花】が打ち破れたら、もうどうしようもない。ウチの負けや。完敗や」


チサトンの絶花は未完成だ。


成功確率は低い。


しかし土壇場で、チサトンは絶花を成功させていた。


確かにチサトンはルミに対して、【絶花】を放つことに成功していたのだ。


それでも、ルミは上をいった。


チサトンの全力を完全に超えていった。


完敗である。


「チサトン選手」


と審判が近づいてきた。


ずっと倒れて起き上がらないチサトンに、戦闘続行の意思があるか聞きに来たのだ。


「戦いを続けますか」


「いや。降参する。ウチの負けや」


チサトンの敗北宣言を聞き、審判がうなずく。


そして。


「チサトン選手、戦闘不能により、ルミ選手の勝利とします!!」


そう審判が宣言した。


次の瞬間。


「「「―――――――――――――――――――!!!」」」


割れんばかりの歓声が上がった。


ルミは、ビクっとしてしまう。


多くの人がルミの勝利を言祝ぐ。


歓声が降り注ぐ。





「うわあああああああああああああああああああ!!」


「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!


「おめでとう!!」


「マジかよ!?」


「チサトンに勝つのはすげー」


「めちゃくちゃ良い勝負だった!!」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


「ルミが勝っちまうなんてな!」


「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


「ルミィィイイイ!!」







神埼「なんということでしょうか! 大阪大会・決勝を制したのは、ルミ選手です!! 決勝戦、ついに決着―――!!!」





と、実況も騒いでいる。


会場に立つルミに、さまざまな祝福の言葉が降ってきた。


拍手もあった。


口笛もあった。


携帯のフラッシュが焚かれる光もあった。







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