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第6章159話:移動

チサトンは受身を取りながら考える。


いったい何をされたのか……?


わからない……いや、わかる。


あれは、ただのパワーである。


ルミが、振りかぶった剣を、力任せに叩きつけてきただけ―――――


それだけで、チサトンは防御ごとぶっ飛ばされてしまった。


つまりルミの攻撃は、ただの力押し。


しかし、威力と速度が桁違いに跳ね上がっていた。


速すぎて、強すぎて、防ぐことすらぎりぎりだった。


(なんで、こんな急に威力が上がったんや?)


チサトンは混乱した。


チサトンが刀を構える。


ルミが動き始める。


「……!?」


チサトンは驚愕した。


ルミは今、地を蹴っておらず、足も動かしていなかった。


まるで直立した状態から、滑るように床を移動し、ゆるやかに直立姿勢を解きながら、剣を構えて斬りかかってくる。


(なんや、この動き!?)


チサトンは横に避けて、ルミの剣をかわす。


その後もルミは、床からわずかに数センチ離れた宙を、滑るように滑空。


チサトンを追いかける。


(地面に触れず動いてるやと!?)


普通、何をするにもまず、足の裏で地面を蹴って、動きださなければいけない。


陸上選手が、ピストルの合図で地を蹴って走り出すように――――剣士も、初動のときは大地を蹴る。


勢いよく蹴ればそれだけ強い推進力すいしんりょくが得られ、素早く前進することができる。


剣士なら、誰しもがおこなっている動きであり、当たり前の動作だ。


しかし。


ルミは、その常識から外れていた。


彼女はもはや、地面を蹴らない。


動き出しは完全なノーモーションであり、予備動作が一切存在しない。


いきなり加速して斬りかかってくるのだ。


――――いや、それだけじゃない。


現在のルミは方向転換も自由自在だ。


まっすぐ前進していたかと思えば、突如、真横に移動したりする。


ジャンプモーションもなく、突如、垂直に跳んだりする。


人間の動きではなかった。


しかも。


「……!!」


接近してきたルミが、剣を振りかぶった直後、尋常ならざる超攻撃ちょうこうげきが放たれる。


まるで爆発するかのような勢いとともに、ルミの剣が、チサトンの刀に叩きつけられるのだ。


「くはっ!!?」


あまりに攻撃力が高すぎて、防御ごとぶっ飛ばされる。


さっきも同じようにぶっ飛ばされた。


なんだこの威力は?


スキルか?


それとも、ルミの剣術?


どうして急にここまで斬撃力が上がった?


(……落ち着け。飲まれたらアカン。冷静に分析するんや)


チサトンは圧倒されそうになるメンタルを、なんとか立て直して、思考する。


ノーモーションの動き。


超威力の斬撃。


その本質はなんだ?


チサトンは、これまでダンジョン攻略でつちかってきた観察力と分析力を総動員する。


「……! そうか!」


そして、すぐに理解した。






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