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第5章146話:2回戦

2回戦。


会場に入ると、歓声がルミを迎えた。


「おおーーーー!!」


「待ってました!」


「ルミだ!!」


昨日も、ルミの戦いの前には鳴り止まぬ歓声で満ちていた。


しかし、そのほとんどは篠山メイに対する声援。


ルミを応援する声は少なかった。


だが、今日は。


ルミはすっかり注目選手。


ルミを喝采する声があちこちから飛んでくる。


「……」


ルミは少し照れた思いをしながら、ステージへと昇った。


2回戦の相手は青崎マキ。


1回戦ではカザミ選手と白熱した戦いを繰り広げ、最終的に勝利を掴み取った。


ルミは、決して油断はしまいと気持ちを引き締めた。


――――スタッフが武器籠を運んでくる。


ルミは、昨日と同じで剣を選ぶ。


青崎も、昨日と同じでガントレットを選ぶ。


実況の神崎リツナが叫んだ。




神崎『それでは2回戦、第1試合を開戦します!』


神崎『注目はやはりルミ選手! 昨日は、あの篠山メイ選手を一撃で破るという、とんでもない勝利を見せてくれました!』


神崎『2回戦でも、その強さを見せ付けてくれるのでしょうか!』



実況はそこで、一拍置く。



神崎『対するは、青崎マキ選手! 1回戦では熱戦を繰り広げ、見事勝利を掴み取りました!』


神崎『今回は相当手強い相手だと思いますが、是非食らいついていってほしいですね!』


神崎『では2回戦・第1試合、幕開けと参りましょう!』





審判がピストルを持って尋ねてくる。


「準備はいいですか?」


ルミはうなずく。


青崎もうなずく。


「では――――はじめッ!!」


ピストルがパァンッと鳴り響いた。


青崎は、開始の合図とともに真後ろに跳んだ。


ルミと距離を開けたのだ。


青崎は、その刹那のあいだに思う。


(仮面の剣士、ルミ。篠山メイを一撃で破った相手……正直、自分が勝つイメージが浮かばない)


青崎は、2回戦が始まる前に、ルミのことを予習してきた。


ルミちゃんねるの配信を見たり、ネットでアップロードされていた篠山メイとの戦いを見たり。


そのときに、率直に思った。


このルミという女は、真のバケモノであると。


まともに戦って勝てる相手ではない。


勝つ可能性が1%もあるとは思えない、隔絶した天才である。


(だけど……私だって賭けてきたんだ。努力してきたんだ。タダで負けてやるものか)


青崎は考える。


自分がルミに少しでも迫れる可能性があるとするならば。


初手で、必殺の一撃を叩き込むことだ。


それしかない。


少しずつ追い詰めるとか、小手調べをするとか、そんなナメたことは考えない。


最初の一撃に全てを賭ける。


それで無理なら諦める!


(私の全てをぶつけてやる。この極めたひっさつわざ―――――)


次の瞬間。


青崎の意識が飛んだ。


いったい何が起こったのか、青崎本人にはわからなかった。


気がついたら、いきなり全身に凄まじい衝撃と痛みが走っており。


視界が暗転し。


気絶させられていた。





実はこのとき。


青崎マキは、単に、ルミに高速で接近されてぶん殴られただけなのだが……


あまりに速過ぎる攻撃だったために、何がなんだかわからないままに倒されてしまったのであった。


こうして―――


2回戦は、ルミの勝利にて、終幕した。





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