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ダンジョン配信者の私、バズる~超難関ダンジョンだと知らず、初級ダンジョンだと思ってクリアしてしまいました~  作者: てるゆーぬ


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第5章144話:第2試合の行方

篠山メイが倒れている。


HP1は、あと一撃食らったら死ぬ……というほど危険ではないが。


そこそこ重傷を負った状態なので、放置しておいてはいけない。


救護班のスタッフたちがやってきて、担架で運んでいく。





ルミは拍手喝采を受けていた。


爆発するほどの祝福を受けながら、会場出口へ歩いていく。


しかし。


報道関係者たちが近づいてきて取り囲まれる。


「ルミ選手! おめでとうございます!」


「ルミ選手、一言お願いします!」


「ルミ選手! こちらにも顔を向けてください!」


さすがにテンパってしまった。


ルミは、手短に答え、逃げるように控え室へと向かうのだった。





大会は土・日・祝日の3日間に渡って行われる。


が、初日は32試合もあるため、1回戦のみだ。


ルミは1回戦を勝ち抜いたので、今日はもう試合はない。


このままホテルに戻ってもいいのだが……


少しだけ他選手たちの試合を観戦していくことにした。


ルミの控え室。


この部屋にいるのはルミだけである。


控え室にはモニター画面があり、そこに、ステージの様子が映し出されている。


間もなく第2試合が開始される。


『さあ、篠山メイ選手が敗退するという、とんでもない番狂わせがあった第1試合ですが、続く第2試合。勇戦を期待したいところですね!!』


『第2試合は、カザミ選手と青崎マキ選手の試合です!』


カザミ選手と青崎選手の顔写真が、ステージのスクリーンに映し出される。


カザミvs青崎マキというテロップ。


斧を持つカザミ選手。


ガントレットを身につけた青崎選手。


両者がステージ上でにらみ合う。


審判がピストルを構え。


『では――――はじめっ!!』


ズパァンッ、と天に向かってピストルを撃った。


カザミ選手が斧で斬りかかった。


それを避けて青崎選手が反撃のパンチを繰り出す。


二人が攻防を始める。


実況が解説する。




『おーっと! 開始早々、互いに相手を攻めまくる! 小手調べなんてナシ、いきなりのフルスロットルだぁー!!』


『実力差があまり無く、拮抗しているな。熱戦が期待できそうだ』




新田の解説通り、選手両名の実力はかなり近いようだ。


攻めて、守り、攻めて、守り……


お互いに有効打を食らってはいない。


と、そのとき。


カザミ選手がサッと大きく後ろに退いた。




『おや、ここでカザミ選手が、斬りかかるのをやめて距離を取ったようです。やたら斧を振り回しはじめましたね』


『青崎はガントレットだからな。つまり徒手空拳、リーチがない。カザミのほうはそこを突いて、青崎を追い込むつもりだろう』




……面白い。


ルミは魅入ってしまう。


カザミと青崎の戦いは、だんだんカザミの優勢へと傾いていく。


しかし、青崎もスキルを使い始めたことで、盛り返す。


拳圧を飛ばす、というスキルによって、リーチの不利を埋め始めたのだ。


ふたたび戦いは拮抗。


新田が予言したとおり、熱戦の様相を呈していく。


最終的に勝利したのは青崎選手だった。


(私の次の相手ですね)


ガントレットの青崎。


それが2回戦の相手であると、ルミはしかと認識した。





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