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第5章142話:試合開始

神埼『観客席と会場を隔てる境界には、透明の魔法壁を設置しています。上級ダンジョンの魔物素材から製作した魔法壁であり、たいていの攻撃には耐えられます。それを3枚も重ねて設置しているため、戦闘の余波が観客席にまで及んでしまうことはありません。ご安心ください!』


神埼『では、長々と説明するのはこれぐらいにして、そろそろ開始いたしましょう!』


神埼『第1試合は、皆様もご存知の通り、篠山メイ選手vsルミ選手の対戦でございます!』


神埼『ピストルを合図に開始しますので、みなさん、どうかご静粛に!』



実況がそこで言葉を切る。


静粛に、という指示通り、観客たちの歓声も静まっていった。


ピストルを持った審判らしきスタッフが、ステージの端に立っている。


いよいよ始まる……!


審判が、宣言した。


「これより第1試合を開始する。双方、準備はいいか?」


メイがうなずく。


ルミがうなずく。


審判は、うなずいた。


「では――――はじめ!」


ズパァン……!


と。


ピストルが空に発砲された。


高らかな開始の合図。


「……ッ!」


開始とともに。


ルミは地を蹴って踏み込んだ。


ルミが手に握っているのは、試合用の剣。


いつもの愛剣リーンソードではない。


慣れない剣だ。


しかし、握り心地は悪くない。


(刃が抜かれているなら、実質、打撃武器として使用すればいいということですね)


ルミをそう考えた。


ルミは、母から『人間相手に全力で戦うな』と教えられている。


しかし、今回は、全力で戦っても相手のHPが必ず1残るのだ。


思う存分、戦える!


とはいえ……


最初から実力を全て明かしてしまうのは良くない。


とりあえず本気の半分ぐらいの力で、まずは小手調べといかせてもらおう。


ルミはメイへ袈裟斬りに斬りかかる。


入れるフェイントは3回。


「……!?」


ルミの攻撃が、メイの防御をかいくぐって、その身体に直撃する。


さて、メイはどの程度耐えられ――――


と、思っていたら。


「がはっ!?」


メイの身体が思いきり吹っ飛んでいった。


地面をもんどり打つ。


そのまま倒れふすメイ。


……。


……。


……え?


あれ?


メイさん動かないよ?


そのとき。


ビーと警報が鳴った。


なに、この警報音?


もしかして、説明にあったバイタルブザー……?


どちらかのHPが1になったら、危険を報せるために鳴らしてくれるという、命の警報機。


え。


これ、勝った感じ?


そのとき実況が叫んだ。



神埼『な、なんということでしょう!!』


神埼『一撃! まさに一撃です! ルミ選手、なんとメイ選手を一撃で倒してしまいました!』



次の瞬間。


会場から、爆発するような歓声が上がった。





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