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第5章138話:開会のあいさつ

二人の開会の挨拶が始まる。


「ご紹介に預かりました、篠山メイです」


「チサトンやで。ウチのことはみんな知ってんな?」


メイは敬語であるが、チサトンはゴリゴリの関西弁である。


そういえば……


チサトンは、和歌山県出身だったか。


だったら関西弁というのは、不思議ではないのだろう。


「本年度のバトルアリーナの、開会挨拶を担当させていただき、誠に光栄です」


「本年度っていうか、篠山さんは毎年挨拶してるやん! あんたの挨拶、去年も見たで!?」


いきなりチサトンがツッコミを入れる。


会場から笑いが漏れた。


メイは、話しかけられるとは思ってなかったのか、困惑していた。


「そういえば篠山さん。あんた、大阪の女王って呼ばれてるらしいやん? 4連覇達成してて、史上初の5連覇に王手をかけてるんやって?」


「え? ええ、まあ、そうですが……」


これは開会の挨拶のはずだが……


二人による会話形式で進行する感じなのだろうか?


それともチサトンが、一方的にメイに話しかけてるだけか?


いずれにせよ、台本はなく、二人がアドリブで話していることだけは間違いない。


チサトンが言う。


「ウチは、あんたの5連覇を阻止しに来たねん」


あまりにもド直球なチサトンの宣戦布告。


おお~、と観客から感心の声が上がる。


「もちろん、篠山さんだけちゃうで。ここにいる全員、優勝をかけて戦うライバルや。ツラ見たらわかるわ、あんたらみんな強いな」


チサトンが選手一同を眺める。


そして続けた。


「これだけの手練れが一同に会することは、そうそうない。ほんま楽しみやな? 正々堂々、ええ試合しよな?」


一拍置いてから、今度は観客のほうを眺めて手を振った。


「観客のみなさんも、応援よろしく頼むで? 応援は選手の力になるからな~」


観客から、拍手が返される。


なんというか……


ノリと勢いで生きてる感じの人だな。


あと戦闘好きそう。


メイが一つ咳払いをしてから言った。


「どうやら私、宣戦布告されたみたいですが、」


そう前置きしてから、確固たる表情で告げた。


「私も、チサトンさんには負けるつもりはありません。もちろん、今年も私が優勝します。以上です」


拍手が起こる。


メイもチサトンも、ある意味でバトルアリーナにふさわしい、好戦的な挨拶であった。


これにて、開会の挨拶が終わった。



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