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第4章124話:他者視点3

<角刈り・坊主頭視点・続き>


そのあと、坊主頭が言った。


「と、ところでよ。俺は、ルミさんのファンなわけでよ、その……は、話しかけたい、っていうか? こ、声かけていい、かな?」


「……なんか急にキョドりはじめたな、お前」


「お、お前は話しかけたくないのかよ?」


「ん……まあ、そりゃ俺だってルミさんと話してみたい気持ちはあるけどよ」


「だろ? でも、もし無視されたらって思うと怖いじゃん? 俺、3日は寝込むぞ」


「お前が寝込むとか知るかよ。お前の3日間が、人類にとってそんなに重要だとでも?」


「じ、人類レベルの話をするなら、ほとんどの人の3日間は重要じゃないだろ!」


そんな話をしていたとき。


「あの……」


「!!?」


ルミが二人に話しかけてきた。


ルミは、人や魔物の気配を察知する能力が非常に高い。


この二人は、気配を消す能力に長けていたが、それでもルミの感知能力からは逃れられなかった。


ルミは言った。


「ええと、少し話が聞こえてたんですけど……リスナーの方ですか?」


「あ、は、はいいいい!」


坊主頭がビビりまくりながら答えた。


ルミは仮面をかぶっている。


表情がわからないのだ。


怒っているのか、無表情なのか、警戒しているのか。


とにかく角刈りは謝る。


「え、えっと、なんか、邪魔しちまったみたいっすね。その、すいません……」


「いいえ。私がここで筋トレをしてたのが悪いですから」


しかし、どうやらその筋トレも終わったらしく、ベンチもバーベルも片付けられていた。


角刈りが尋ねる。


「で、でも、どうしてダンジョンで筋トレを? なんか目的とかあるんすか?」


「いえ……私は正体を隠している身ですからね。ひとけのある場所でトレーニングを行うのはまずいと思ったんです」


「ああ……なるほど」


「それで……できれば二人にも、ココのことは黙っていただけると助かるのですが」


ルミがそう頼むと、坊主頭がまるで敬礼せんばかりに言った。


「もちろんです! 絶対言いふらしたりしませんし、もしこの階層に近づくやつを見かけたら、ぶち殺しておきますので!」


「いや殺しちゃダメですよ!? 吹聴しないでいただけたらそれでいいですから!」


ルミが慌ててそう言ったので、坊主頭はうなずいた。


ルミが告げる。


「私はそろそろ帰ります。二人も、ダンジョン探索頑張ってくださいね。では」


一礼して去っていくルミ。


彼女の姿が完全に消えてから、坊主頭が言った。


「や、やべええええええ! ルミさんとじかに話してしまったぞ! こ、こここれはもう、一生の思い出だ!」


「マジで緊張したな!! でも結構良い人だったな」


二人はしばらく、ルミと出会った感動を語り合うのだった。




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