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第4章120話:ジム

鞘坂駅を境界にして西側を【西町】、東側を【東町】と呼んで区別している。


ルミのマンションや大学は【西町】にある。




ルミが今回向かったのは【東町】だ。


ここには繁華街や商店街がある。


無数の商店があるが、その中の一つにパーソナルジムが存在した。


筋トレ専門店であるジムでなら、存分にトレーニングができるのではないか。


ルミはそう考えたのである。


ジムに辿り着き、玄関を通る。


ロビーに入ると、ゴリマッチョなタンクトップお姉さんが近づいてきた。


どうやらこのお姉さんは、ジムのスタッフのようである。


「へい、いらっしゃいお嬢さん。あたしたちとマッスルしていくかい?」


「……?」


そんな日本語を聞いたことがなかったので、一瞬、思考が固まってしまう。


が……一緒に筋トレしていくか、的な意味であろうと推定して、ルミは答えた。


「探索者をやっているのですが、身体を鍛えたくてやってきました」


「ふむふむ」


「えっと……個室でトレーニングできたりしませんか?」


そう尋ねると、お姉さんは難色を示した。


「うーん。悪いけど、うちに個室でトレーニングできる場所はないね。すべて集団部屋だよ」


「そうですか……うーん……ごめんなさい。どうしても個室がいいので、他を探してみます。失礼しました」


一礼してから、きびすを返す。


その背中を、お姉さんが呼び止めてきた。


「おっと。待ちな。良かったらトレーニンググッズだけでも見ていきなよ。うちは筋トレ用具の販売も行っているんだ」


「……ん、そうなんですか」


「ああ。世の中には、ジムにはほとんど通わないホームトレーニーもいるからね」


「ホームトレー? えっと……」


「ホームトレーニー。家庭で筋トレに励む人間のことさ。そういう人向けに、ベンチやバーベルを販売してるんだ。ついてきな」


お姉さんが手で誘ってくる。


ルミはお姉さんについて、奥の部屋へと案内された。


そこで、いろんな筋トレグッズを教えてもらう。


最初はあまり興味がなかったけれど、いろいろ話を聞くうちに、興味が湧いてきた。


ルミは尋ねた。


「ちょっとバーベル持ってみてもいいですか?」


「ああ、もちろんさ」


ルミは近くにあったバーベルに歩み寄る。


お姉さんが言った。


「おっと。初心者にその重さはきついかな。それはうちの最重量――――なっ!!? 持ち上げた!? しかも片手で……!?」


「なるほど……これは確かに結構重いですね」


「いやいや、結構重いとかいうレベルじゃないんだけど!?? 1トン以上あるんだよソレ!?」


お姉さんは驚愕の目でルミを見つめる。


ルミは、やらかしてしまったかと思って、言った。


「あ……えっと、一応いま見たことは内緒にしてもらえませんか? 実は、事情があって実力を隠してるんです」


お姉さんは驚愕さめやらぬ様子であったが、一つ咳払いをすると、微笑みを浮かべて言った。


「ふむ……なるほど。もちろんお客さんの個人情報を吹聴したりはしないさ。何より君のマッスルパワーには、感じ入るものがあったからね」


「ありがとうございます。よろしくお願いします」


そのあと、いろいろな筋トレ器具を実際に使わせてもらって、使用感を試した。



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