第4章115話:コトリ2
4限終わり。
夕方。
ルミはコトリと一緒に、マンションの手前に辿りつく。
コトリがマンションを見上げて、感想を述べる。
「わぁ……綺麗なマンション。ここに住んでるんだね」
そうして中に入った。
エレベーターで11階へ。
1175号室の前まで来て、鍵を開ける。
「どうぞ。ここが私の部屋です」
「わぁ……! お邪魔しまーす!」
コトリが陽気に中に入っていく。
そういえば……友達を家に連れてくるなんて何年ぶりだろう?
大学に入るまではぼっち期間が長かったからなぁ……。
ルミは感慨深い思いを抱いた。
「適当に座ってください。とりあえずお茶を淹れますね」
「あ。お構いなく!」
コトリがリビングの座布団の上に座る。
ルミはキッチンで麦茶を淹れてから、テーブルに持っていった。
「どうぞ」
「ありがとー! すごく居心地の良い部屋だね」
「あはは。地味な部屋ですよね」
「そんなことないよ! 11階だから、夜の眺めとか良さそうだし」
まあ夜景は綺麗かな。
さて……。
ルミは意を決する。
「あ、あの……実は、話したいことがありまして」
「ん?」
コトリが首をかしげる。
ルミは、髪の毛をポニーテールへと結い上げた。
さらに、アイテムバッグから仮面を取り出して、顔に装着する。
これで……きっとコトリも気づいただろう。
ルミは言った。
「私が……ルミです」
そう告白する。
コトリは目を見開いていた。