思い出のアルバムを手の中に
リオさんが、消えてしまう…
このままだと…何もできないまま
お別れだなんて…そんなの嫌
森「リオさん!私にできることがあったら何でもします!あなたのそばにいます!」
このまま何もできないくらいなら、ずっとそばにいたい。せっかく好きになれた人なのに、唯一わかってくれた人なのに。
松「僕のそばにいてくれるなら、僕は僕なりに消えないように、君のために頑張って生きます^_^」
そして、温泉旅館の小旅行は事なきを得て
無事に帰宅することができました。
ずっとリオさんの手を握って。
そして二人は、今の場所を引っ越して
のどかな場所で二人一緒に暮らすことにしました。
一軒家で、もう誰もすまなくなった場所。
掃除や手入れはされていたものの、
一人暮らしの人には掃除が面倒で、
田舎感が嫌だとクレームが入り、いつしか誰も住まなくなってしまったらしい。
条件として、家賃はとても安く
田舎が嫌だという人でも、お安くすれば住んでくれる、綺麗にすればという大家さんの計らいで、いい物件として紹介されていた。
そんなこと私たちは気にしなかった。
大家さんはとても嬉しそうに私たちを歓迎してくれた。
2階はなくて、それぞれ部屋も別々
トイレバスも別々、本当にとても綺麗にされていて、リオさんは寂しそうな顔をして
(もったいないよね、こんなに素敵なお家なのに)とつぶやいた。
さっそく引っ越しを終えて、
私たちはできる範囲で掃除もして、
一軒家を楽しんだ。
松「あ!さやかさん見て^_^
ここにヤモリがいますよ^_^
大人しいですね」
森「本当ですね^_^
きっとこの家の神様ですね^_^
守り神です!」
松「さやかさんは生き物大丈夫なのですか?」
森「はい^_^小さな頃から生き物平気だったので、それに、かわいいですし」
引かれる覚悟で言ったけど、リオさんは
笑顔で受け入れてくれた。
松「さやかさんの心が綺麗だから、
ヤモリも逃げないのかもしれませんね^_^」
なんて、二人で話しながら
この家を優雅に過ごしていきました。
森「はい。この前の写真をアルバムにしてみました^_^
お花見や温泉旅館の時の、」
松「わー…素敵です!
さやかさん器用ですね^_^
二人の思い出です」
リオさんがお風呂に入ってる間に、
いつもの日記を書く。
12月26日。
私たち二人は、付き合って9ヶ月が経とうとしてます。私たちがここまで来れたのは
神様や家族、支えてくれた方々のおかげです。
リオさんが、温泉旅館の時に
消えてしまうかもしれませんと告げられて
本当につらかったですし、リオさんに何かしてあげられないのだろうか?と考えて
悩んだ時もありました。
それでも、今では
二人の関係性は深く、これからも生きていけそうです。この恋がずっと変わらない幸せの形でありますよう、頑張っていく次第です。
森野さやか
森「よし!日記終わりと!
本当に、こんな二人で住めるなんて、
まさかお付き合いするって前の自分からは考えられなかったわ。」
松「お風呂、お次どうぞ^_^
ん?どうかされましたか?
なにやらニコニコとされてますが?」
お気づきの方もいらっしゃるとは思いますが、私たちはお付き合いしていますが
お互い話しやすい方向性で敬語を話しています。これが私たちだという事なので、
あたたかい心で読んでいただけたら幸いです。
森「いえ!ちょっと懐かしいなと思って
思い出していただけですよ^_^
私たちの出会いが今の形になるなんて
前の自分からは考えられないなって」
松「本当そうですね^_^
僕も考えられません。
さやかさんみたいに素敵な方が恋人になる日が来るとは、昔の自分に教えてあげたいです。」
森「!あ!お風呂でしたね!
では、行ってきます^_^」
松「いってらっしゃい^_^
そうだ!」
なにやら、今度はリオさんが
何か作業を始めたようです?
手紙でしょうか?
何を伝えるのかな?
その日の夜…
二人は隣同士で布団を並べ、
寝る。
松「さやかさん、もう寝ましたか?」
森「いいえ^_^まだです。
眠れないのですか?」
松「はい…。
さやかさんは、流れ星に願いを伝えると叶うというのはご存知ですか?」
森「はい^_^知っていますよ!
流れ星が流れる間に3回お願いごとを唱えると叶うと言われてるんですよね?」
松「はい^_^
僕が小さい頃に、家にいたくなくて一人で夜抜け出して、公園の丘に行ったんです。
そしたら、その日はたまたま流星群が見える日だったみたいで、僕はその日お願いしたんです。
今はちゃんといい子でいます。
だから、この先大人になって
素敵な人に出会った時は、人を守れる人になるって。
子供ながらにそんな事願ってたなんて
今思えば子供らしくないですよね」
森「そんな事ないですよ^_^
とても素敵なお願い事です。
リオさんの心が清らかで綺麗だからこそ
お願いできる事です。
私が小さい頃は、おもちゃやお人形で遊んでばかりいましたから、星にお願い事なんて思いもしなかったと思います。
私は結構ドジなので、迷子にしょっちゅうなってましたし^_^」
こんな話をしても、私が変な人だと思われても仕方ないんだろうなと今は冷静に思えた。
松「それこそ変じゃないです^_^
僕はそんなさやかさんだから大好きなんです」
それから、明日は朝早くから
あの場所に、桜の木を見に行きたいと、
二人で約束をした。
そして、その日の夜は
手を繋いで寝たのでした。
幸せは永遠に繋がれていく。
手のぬくもりとともに
次回最終回