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隣人に恋した9ヶ月  作者: 桜ノ音
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手紙と想いは手をつなぐ

前回は、隣人の松田リオさんというお話でした。


松田さんは、会った時からずっと優しく対応してくださって、会話も本当に楽しくて

大人になってはじめての仲良くなった方でした。


それが、まさか


松田リオさんは吸血鬼だと言うことを知らされ、さやか自身も混乱してしまった。


頭の中で整理がつかず、冷静になって考えた結果…


しばらくは手紙でのやりとりにすることにした。


そして、今までのことや吸血鬼になった事について、手紙を通して話してくれました。


松「僕が吸血鬼になったのは…


正直なところ記憶が曖昧になっていて、

なぜなったのかについては僕自身もわからないのです。

ですが、吸血鬼になる直前に公園に居たことは覚えていました。


そこで、男の人が近づいてきました。

その人は公園のベンチ、僕の隣に座りました。


お話が遅れましたが、僕はその時には病を患っていました。お医者様には、

もう長くないと余命宣告されて、ショックで公園を訪れていました。


病の進行によるものなのか、めまいに襲われて気づけばそこで気を失っていました。


目が覚めた時には男の人はいなくなっていて、僕の体は軽く感じました。

病による痛みは無く、不思議なことに、目の前を人が通るたびに自分の中で何かがウズウズして…病とは違う息苦しさと…

脳内を駆け巡った言葉『お前は吸血鬼』だと聞こえてまた…気を失いました。」


森「そんな…松田さん…

一人で抱えて…今まで苦しんできたってこと?…」


手紙の続きを読むと、



松「次に目が覚めて、なぜ公園にいるのか記憶をたどりました。そして、今お伝えしたお話を思い出しました。

吸血鬼になった理由はわからないですが、このうっすらとした記憶しか思い出せませんでした…それから、このままではいけないと、今のような生活に至りました。


森野さんがおっしゃったように

漫画やアニメで見るような血を欲する

ような事は僕の体にはありませんでした。


僕も不思議な事に、人を見ると息が苦しくなる方が多々あったのが、いつしか普通の人間と同じように暮らす事ができました。

そして…


吸血鬼だと確信した理由は、僕の牙です。

吸血鬼特有の人間とは違う長い牙、

僕自身の手で試し、人では到底ありえない牙が、刃物のようにすんなり刺さって、血が吸えるようになっていました。

不思議な事はもう一つあって、血液は味覚に合わず、普通の人間と同じように、ご飯などが口に合いました。


この出来事が会った数日後に、森野さんに出会いました。そこからは今までの悩みや苦しみが少しだけ和らいだ気がして、僕は森野さんと話す機会があると、とても嬉しかったです。仲良くなりたいと思うようにもなりました。


これで、僕がわかる限りの吸血鬼に関してのお話です。  

森野さんは出会った人の中で一番素敵な女性でした^_^ありがとうございます


         松田リオ」



森「何よ…これ…( ; ; )

そりゃあ…私だってびっくりしたけど…

中身は松田さんそのものじゃない!( ; ; )優しいまま…笑顔がかわいいまま…

言葉があたたかいまま…」



さやかもすぐに手紙の返事を送ろうとした…


書こうとした手を止めて、

隣へ走った。


伝えたい衝動に抑えられなくなり

気づけば体は松田さんの家へ。



ピンポーン…


ガチャ!



松「森野さん…」



森「松田さん!お邪魔いたします!」



まさかの強行突破で、後にさやかは後悔することになるのでした。(いい意味で)



松「どうされたんですか!?

手紙でやりとりされるんじゃ…」



森「すみません…手紙を読みました。

もう抑えられなかったんです…

すぐに伝えたくてきました。


松田さん…



あなたが吸血鬼だろうと、私は引きません!一人で抱えて、たくさん苦しんだのに

もう抱える必要なんてありません!


私は…あなたが…松田リオさんが好きです!」




松「……!え…


ぼ…僕も……です。」



森「あ…(//A//)(やってしまった…)


ああ…あのですね!Σ(・□・;)

その…今までの仲良しは変わらないと言いますか!吸血鬼でも、私には関係ないと言いますか!大切に思ってます。」



松「ギュッ)ありがとうございます

 (*´ω`。*)こんなこと誰にも話した事なかったので…それに好きだって言ってもらえて嬉しいです。

本当に森野さんは素敵な女性ですね^_^


はい!僕も同じです。

森野さん、あなたが好きです

僕と付き合ってください」



森「!?は!はい!(〃ω〃)

わ…私でよければ!」



なんやかんやあったのにカップル成立しました。

さやかの心のモヤは晴れて、これから恋人との日々がはじまるようです。



森「あ!というか勝手にあがってしまいすみませんでした〜(;´д`)

強行突破してしまうなんて…

あまりに必死になりすぎて見失ってました…反省します(´・_・`)」



松「あっ…はははは( ^∀^)

森野さんって本当面白いですね!

そういうところもかわいらしくて素敵ですよ^_^」




二人の恋はあたたかく、優しい光に包まれて、これからが楽しみになった。



この時は知らなかっただけで…



つづく

       

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