引っ越してきた黒い隣人
3月2日、今日は昨日の雨が嘘のように晴れ、
太陽が眩しいほどの暑さで、寒暖差が大きい。私は太陽が嫌いで、絶対春でも日焼け止めは塗るタイプ。お肌を大事にしたい、ちょっとめんどくさい女。名前は、『森野さやか』、珍しい苗字だと小さい頃はよく言われ、隠れお嬢様なのではないか?と噂になる事もあった。とはいえ、そんな私はオタクっぽいところがあり、ハマっている韓国ドラマを、休みの日は一日中観ている。
そして今日も、いつものように何気ない
出来事を日記に書いて1日を振り返っている。
作文のような文章になることもしばしば…。
懐かしい写真を見るたびに、隠れお嬢様を思い出す。私はお嬢様ではないけど、お金は結構ある家柄の娘。ちょっとややこしい…
今日は、長めの日記になりそうだけど、
つい先週の土曜日に、隣に引越してきた人がいた。その人は、20代くらいの若さで、
私よりちょっと背が高い男性。
黒いふくをまとって、サングラスと帽子、
第一印象といえば、不審者のような格好で引っ越してきた事。
私もこのマンションには、引っ越しできたばかりだったので、その次の日ご挨拶に隣人を訪ねると驚くことに、また全身黒い格好で出てきた。挨拶は普通で、常識もあって、
言葉遣いなどもしっかりしている。
単に黒い服が好きな人?なのではと、私の中で完結させようとしていたけど、気になるのがもう一つあった…
ご挨拶に伺った際に、見てしまった…
家具はほとんどなく、カーテンは昼間でも閉めていて、電気なども付いていない、テーブルにろうそくが一本立てられているだけで、まるでお化け屋敷のような雰囲気で、不気味に思った。
そして、一週間が経って、今に至る。
明日はどんな1日になるのか、黒だらけの謎の隣人とはうまくやっていけるだろうか?
今日の日記の書き込みは終わり。
私「結構長めの日記になったけど、ほんとに気になるのよね…。いつも静かだし、外に出るところ見たことないけど、仕事とか何してる人なんだろう?そう言えば名前も聞いてないし…。昨日職場の人にいただいたお菓子をお裾分けしてこようかな^ ^一人じゃ食べきれないし、隣人さんと仲良くなるチャンスよね!」
ピンポーン…ピンポーン…
私(いない?のかな…もう一度夜に行ってみてダメだったら諦めよう。
しつこい人だって思われたら仲良くなるどころじゃないものね…)
それから夜21時頃…
ピンポーン…ピンポーン…
ガチャ…
?「はい…」
私「あの!このようなお時間に申し訳ありません!先週ご挨拶に行ったとなりの森野です!実は、私の職場の方にお菓子をいただきまして、食べきれないのでお裾分けに参りまして…(あれ、私いま恥ずかしい事言ってる?食べきれないからおしつけるって事?私最低じゃん!)あ!あの失礼いたしました!あのおしつけるというわけではなくてですね(汗)(やってしまった…)
?「わざわざありがとうございます^_^
女性お一人じゃたくさんは食べきれませんよね。お裾分けありがとうございます。お優しいんですね!」
うまくいったのだろうか…気を使わせてしまったのではないかと、さやかの脳内は反省会で落ち込みまくっていたのだ。
私「それは、良かったです…すみません
おしつけるような形になってしまって…
あの、よろしければお名前を教えていただいてもいいですか?先週のご挨拶で聞くのを忘れてしまって…」
?「名前?…あ、それは失礼いたしました…
僕の名前は、松田リオといいます。」
私「松田リオさん?素敵なお名前ですね^_^
これからよろしくお願いいたします!
私もここに引っ越してきて、まだそんな経ってないので、」
松「こちらこそ宜しくお願い致します。
お裾分けありがとうございました^_^」
話をしてみれば、爽やかで素敵な男性だった。大学生くらいだろうか、細身で、勉強ができそうな人だった…
松田リオという名前は、まるで漫画に出てきそうな、王子様のようだと、内心少しほっとしていたさやか。
私「リオさんかぁ〜、やっぱりいきなり名前呼びは馴れ馴れしいって思われるよね…
松田さん、こっちよね。
なんか、悪くない人だったな…話せば通じ合えそうな感じだったし、昼間は用事あるっぽいから、夜に行けばまたお話しできるかな?
あー連絡先とか交換するべきだった?
いや、引っ越してきたばかりでそれは図々しいにも程があるわね…私ってとことん空気読めなさ過ぎ。とりあえず日記書こうっと。」
3月3日、今日は素敵な一日でした。
今日は桃の節句、職場でもらった大量のお菓子を隣人の松田リオさんにお裾分けに行きました。素敵な名前で、優しい方でした。
本人いわく、昼間は寝てる事が多くて、夜に活動してるらしいです。夜勤のお仕事かなんかかな?って思いました、松田さんもこれからよろしくお願いいたします。とお互いに挨拶もしましたし、私もこれからが楽しみです。
明日も良い1日になりますように。